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03_室田泰文さん「17歳の頃、なにしてました?」

結局、みんなが笑えたらいいじゃん

僕は、会社に入った時に5年で辞めるって決めていたし、「行きたければ行くけど行きたくなければ行かなくてもいいや」くらいに思っていたんだよね。そう思ったのは、あるテレビ番組のおかげで。海外で頑張る日本人を特集した番組ってあるじゃん。

そのなかで現地の人と結婚して、ブルガリアで暮らしている女の人が取り上げられていたんだけど。その夫婦のひと月の生活費は7000円でまかなえているんだって。

どうやらその夫婦は自給自足的な生活をしているらしくて。それを見て、「2人で月に7000円だったら10万円あれば1年過ごせるじゃん」って思ったんだよね。しかも1年10万円だったら100万円あったら10年過ごせて、もし1000万円あったら2人で100年過ごせちゃうっていうね。

その番組を見ていたのが20代の時だったんだけど、80歳まで生きるとしたら600万あれば2人で生きていけるわけだ。だから、1年で300万貯金すれば2年働けば、もうお金のためには働かなくていいってことだよね。まあ、最悪ブルガリアまで行っちゃえばいいか!って(笑)。

そういうことを考えたら、お金のために働かなくちゃいけないっていう選択肢はないな!みたいな。そういうイメージがあったから「部長に嫌われたら困る」とかは考えなかったかな。自分は自然の中で暮らしたいっていう気持ちが最初からあって。それを実現するには、ある程度のお金があれば土地が手に入ったり、自由に動けたりするだろうと。だったら数年は働こうかなと。

ずっと会社にいると会社に染まっちゃうじゃん。月曜の朝になると目が覚めちゃって、電車にも乗っちゃってみたいな。行きたくて行くならいいんだけど、惰性で行くのが僕は嫌だった。だから期限を決めてその間に結果を出しちゃえば、「あいつもうやめちゃったぞ」って惜しまれるという。その方が面白いじゃん。

実際に5年半でやめた、それが良かったね。同期の中にも会社にしがみつくような動きを見せる人がいたけれど、そういうのはもったいないと思う。本当に思っていることが言えないプレッシャー社会がよくない。緑とか動物は自分にむかつくことを言ってきたり、拒んだりしてこないから不安なく接することができるよ。

自分はそのままでいいんだと思ってもらえる環境づくりや体験づくりをすることが僕の活動の目的というか。地域活性化とか移住促進っていうのはどちらかというとおまけで。結局、みんなが笑えたらいいじゃんくらいの気持ちで活動しています。

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自分が鳥だとすると、緑の濃いところに降りたい

なんで北杜市に来たかっていうと、Google earthです。僕はもともと海外に住もうと思っていた。いろんなところに行ってカナダかニュージーランドにしようと決めていたんだよね。ニュージーランドで1ヶ月くらい土地を探すための旅に行っていたんだけど、思いのほか、高くてね。

ちょっとジョークでやるにはお金がかかるし、それを貯めるにも時間がかかる。そうすると人生的にはロスになるなー、と。もう会社も辞めちゃっていたし。それで、Google earthで緑が多いところを探すことにした。

鳥になった気分でGoogle earthを見ていたんだけど、自分が鳥だとすると緑が濃いところに降りたいじゃん。そういうところは日本の中には数ヶ所しかないと思うんだよね。それから、僕はバンクーバーに住んでいたことがあるんだけど、そこがちょっと標高の高いところだった。斜面で標高の高いところだと、寒暖差がすごいんだよね。僕はそれがいいなーと思っていて。で、標高で絞るとここしか残らなかったんだよね。

あと、場所も良かった。夏の間は野尻湖に行きたいし、妻の実家は静岡、僕の実家は神奈川。そして東京からも来やすい。

今の人たちの土地の探し方って、駅から何分とか値段がいくらとか、自分の直感とはまるで関係ない、情報で買うしかないじゃん。実は北杜市って、縄文時代は銀座のように栄えていたんだって。当時は駅から何分とか誰も考えてない(笑)。みんな住みやすいところに住んでるんだよね。だから直感で選ばれるような場所なんだと思う。

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率先して遊び続ける大人

みんな忘れちゃうんだけど、遊びを大事にできるくらいの大人になればいいんじゃないのみたいなイメージがあって。だから、僕が今やっているのは率先して遊び続ける活動なんですよ。

これから先は、野尻湖の国際村みたいなものをつくりたいなと考えています。だからここで理想郷みたいなところを作ってしまおうと思っています!

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(おしまい)

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列島ききがきノート
ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。