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クライアントや上司が採用しやすいアイデア

企画という名のつく職種で仕事をしている方は、アイデアを誰かに”提案”することが多いはずです。
一般的に「良いアイデアなら採用される」という考え方がありますが、では”良いアイデアや良い企画”とは何でしょう。

ビジネスシーンにおけるアイデア、特にマーケティングに関するアイデアにおいては、自分のやりたいことや想いを書き連ねるだけではダメです。


プランナーは”人”に提案する仕事

マーケティング界でのプランナーは、商品開発やプロモーション施策について、アイデアを出したり、企画を策定したりすることが主な仕事です。

制作・実施の権限をすべて持ってる人でない限りは、クライアントや上司をはじめ、その事業の様々な関係者にアイデアや企画を提案して、自分以外の誰かからの承認を得ことが必要になります。
中には、自分以外の人のアイデアを企画として組み立てる業務もあるかもしれません。

まずは、理論的な正しさ。

相手から承認を得る際には、まず基本となるのは、理論的な正しさです。
理論性は客観的な評価がしやすいので、複数の人を説得する時には特に有効です。

マーケティングシーンにおいて、アイデアの理論性を評価する要素は以下のようなものが挙げられます。
アイデアを出すときは、このような要素を意識しながら考えていくと良いでしょう。

目標や戦略との整合性

アイデアが相手の目標や戦略と一致しているかどうかです。
コンペであればクライアントから提示された課題や目標に応えているか、上司であれば社内でのプロジェクトの戦略とリンクしているか、などは最低限押さえなければならない要素です。

利益の見通し

ビジネスアイデアではこれは重要なポイントです。
相手(クライアントや自社)にとってどれだけの利益をもたらすか、特にコストパフォーマンスの観点から、アイデアの実行がリターンを生むかどうかが問われることは多いでしょう。

リスク

そのアイデアを実現する際のリスクや障害の評価も判断の理由に良く使われます。
具体的な詳細は企画の精度の問題になるので、アイデアの時点ではあくまでイメージであることが多いのですが、事前にリスクを考慮して考えているかどうかは信頼性にも影響します。
また、リスクはオリジナリティや新規性などとも背中合わせになることが多いので、提案の技術も問われます。

前例や成功事例

ビジネスのシーンでは、成功事例が説得に効く場合はかなり多いです。
類似のアイデアが過去に成功した経験や前例は積極的に提示する必要があります。
一方、前例とは、オリジナリティや新規性を相反するとも考えられますが、予算や関係者数などの規模が大きくなるほど、承認のポイントとしては重要になってきます。


理論だけでは足りないこと。

上記のような理論的な要素がしっかりとおさえられていれば、それは良いアイデア、さらに裏取りや検証ができていれば良い企画と言えるものです。

しかし、アイデアの採否は、上記のような要素を含めて、「〇〇ができていれば必ず叶う」というものでないことは誰もが分かっています。

理論性以外に、相手の承認判断に大きく影響するもの、特に採否件をもっている人が少数人数である場合、最も重要なことがあるのです。

それは、「相手の知識の範疇」であるかどうかです。

人は自分の知っていることが選択肢。

人は何かを選択するとき、自分の知っていること、わかっていることの中から選択しようとします。
アイデアを採択・承認する時も同じことが起きます。

人がアイデアや選択肢を承認する際には、その人の知識、経験、感性、そして過去の経験に基づいて判断されることが往々にしてあります。
人は、自分が知っていることや理解していることに対しては、より快適で信頼性を感じやすくなり、さらにそこに過去の成功経験や好みが重なれば、選択決定に大きく影響します。

いわゆる認知バイアスと言われるもので、だれもが「なじみのあるもの」や「自分の意見と一致するもの」に偏りを持つ傾向があるのです。

たとえ本人が理論的に選択していると思っていても、最終的な決定には個人の感性や直感が影響を与えていると考えるべきです。

このような個人の条件によって選択することは、個人的で勝手のように感じるかもしれませんが、実は理に適う部分もあるのです。
自分の知っている物事は、そうでないものに比べて、判断に自信が持てます。知っているものには意見も言えますし、利益やリスクなどの未来の予測もしやすいのです。
このように、担当者が知っていることから選択することは、理論的にも正しくなる一面があります。

相手を知る大切さ。

そのためには、相手を知ること。
提案するアイデアを相手に合わせてカスタマイズし、相手がより受け入れやすい形にアイデアを整えてみましょう。
人の「好み」「感性」などの言葉は、抽象的で確実性がないと感じるかもしれませんが、現実的には相手の「過去の経験」をリサーチすることでかなり答えに近づけます。

以下は、相手を知るための基本的な手法です。

コミュニケーション

相手との対話を通じて、彼らのニーズや要望、関心事を理解することが重要です。また、過去の行動や意思決定についてリサーチすることで、彼らの傾向や好みを把握することができます。

プロファイリング

顧客プロファイリングを行い、ターゲットとする顧客層の特性や嗜好を把握することが重要です。既存の関係があるなら、過去のコミュニケーションや対話を振り返ることで、相手の価値観や考え方を把握することができます。

エンパシー

相手の立場に立ち、彼らの感情や視点を理解するためにエンパシーを持つことが大切です。

まとめ:「理論」より「知っていること」

受け入れられやすいアイデアは、相手が分かることです。
そして、「分かる=理論的」という考え方も一理なのですが、現実では「分かる=知っている」の方が多いのです。

アイデアを、相手の知っている要素に合わせることは、採用への近道です。
逆に言えば、相手が詳しくないジャンルや、知らない言葉、などを使うことは避けましょう。

アイデアを提案する際には、理論的に説明に加えて、是非相手が知っている要素を盛り込んでみて下さい。


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