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声に出して宣言し続けると、企画はカタチになる。

Life is marathon, not a sprint.
人生は短距離レースではない、マラソンである。

人生を例える言葉は数多くあるが、最近この言葉がやけにしっくりきている。

それは、最近私がハーフマラソンの大会に参加したからかもしれない。

とにかくきつかった。
申し込んだのは自分なのに、お金を払ってまで参加する意味が分からないと思った。

だけど、勝手に走っている私にも、多くの人が沿道で声援をくれる。

「ほら、あともう少しだよ!」
「頑張れ頑張れ!」

声援がなければ、走り切れなかったと思う。

きっと、人生も、一人だけでは走り切れない。
色んな道があって、色んな人と出会いながら、進んでいくんだ。

生配信は「企画力×瞬発力」が伝わる

コピーライター阿部広太郎さんが主宰する「企画メシ2021」は、すでに第7回目を迎えた。これまでに「言葉の企画」「伝統の企画」「チームの企画」「対話の企画」「本の企画」「食の企画」が終了している。

2021年6月から始まった講座も残すところあと2回。

今回「ラジオの企画」のゲスト講師は、無料音声配信サービス・Radiotalk代表取締役の井上佳央里さん。
なんと、彼女は「企画メシ2016」の卒業生だという。

そして、レポートライターである私きゃわのは、「言葉の企画2020」の卒業生として、今回の講座に参加させてもらっている。

かつて阿部さんの講座で学んだ方が、講師という立場で戻ってくるなんて、かっこよすぎる…。
きっと、同期の方の刺激にもなっているはずだ。

さて、今回の課題は、ラジオの”生配信”。

第7回【ラジオの企画】by Radiotalk
ラジオの公開生収録をするイメージで「Radiotalk」で、1回以上生配信してみましょう。
(収録型ではなく、生配信にチャレンジしてください。生配信したものは後からアーカイブされます。)

「社会人になると、現場で企画力×瞬発力を求められますよね。なのに、練習する機会がないなと思いまして。生配信にすることによって、その部分が鍛えられるといいなと思い、この課題にしました。」

この課題をきっかけに、井上さんの考えに触れられる番組が誕生したので、noteのお供に是非。(途中でハプニングが発生。これも生配信のよいところ!)

何者にもなれないフラストレーションを企画にぶつける

話している明るい雰囲気からは感じられないが、小学生時代は”コミュ障”だったという井上さん。そこに、企画の原点があるという。

「小学生の頃は、すごく地味で、背は低いし、上手に話せなくて。学校では誰にも気づかれないところに隠れていました。そのフラストレーションのはけ口として、自分で書いた小説などを新聞に寄稿し始めたのが企画のきっかけでした。」

様々なメディアに寄稿するようになり、自分の作品が次第に選ばれるようになったことで自己効力感が増していったと井上さんは言います。

そして、”人とコミュニケーションを取れないと決めつけていた自分”と決別し、中学デビューすることもできた。

ラジオとの出会いは、高校生の頃。

「小学生の頃から好きなお笑い芸人のラジオ番組があることを動画配信サービスで知り、惹かれていきました。話すことって、今日からすぐにできるかもしれないというワクワク感があり、大学でラジオ制作を学ぶことにしました。」

しかし、ラジオ好きな気持ちが変わってしまうほど、大学の先生の指導は厳しかった。そこからはラジオCMの字コンテをひたすら書くようになり、ラジオの技術に関わることよりも、企画に興味があるのではないかと気づいた。

一発当てたいという野望と伏線回収から生まれたRadiotalk

大学卒業後は、ITウェブ系の会社へ就職をした井上さん。

「ラジオは、多くの人が聴いているから好きなのではなく、少人数でも熱量の高いコミュニティの面白さに興味があったんです。なので、インターネットだったらそういう面白いコミュニティと繋がっていけると思いました。」

だけど、社会人1~2年目は、ミスばかり。そんな中でも「一発当てたい」ともがき続けていた。
こんな風になりたいと思えるロールモデルを探すのには、4~5年かかったそう。

2015年に会社の先輩が起業したことがきっかけで、転職以外にも選択肢はあるのではないかと思い、飛び込んだのが「企画メシ2016」だった。

当時は半年間で12回の講座で、10人のゲスト講師が登壇。
彼女の印象に残っていたのは、最終回のアートディレクター/プランナー・佐藤ねじさんによる「発明の企画」。リスペクトする彼から、渾身の企画に愛のあるダメ出しをされてしまった。

『講座のあとの懇親会で、講師や同期に「ラジオで何かやっていきたいと思っている」と宣言したんです。言ったからには、伏線回収しないといけないと思い、2017年にはRadiotalkを出すことになりました。』

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「当時、井上さんのラジオへの熱量は感じていましたが、まさか本当に実現していくとは想像もしていませんでした。」

阿部さんも驚きだったという、彼女の伏線回収劇。

自社事業として立ち上がった後も、放送局に勤めている大学時代の後輩との出会い、在籍していた会社のTOBなど、様々なタイミングを経て、2019年にRadiotalk株式会社が誕生した。

ラジオに必要なのは、話し手のバックボーン

「事実、情報を伝えるだけだと、人気にはなれません。情報は5%、その人のバックボーンや考えが95%。パーソナルな部分を出した方がいいですね。」

講義後半は、井上さんが気になった19個の課題についてコメントや質疑応答の時間があった。

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ひとつひとつにコメントをする彼女の熱量には、本当に感動した。
感想や、技術的な話を丁寧に惜しみなく語ってくれる。

その中でも彼女はよく「バックボーンがあった方がいい」と言っていた。話し手がどうしてそう思うのか、その背景が分かった方が聞き手にとって入っていきやすいそうだ。

例えば、3度の飯よりコピーが好きなコピーライターだーいけさんが、好きなコピーについて話すラジオについて。

自分がいいと思うものが必ずしも人もいいと思うとは限らないが、そのコピーが好きな理由の背景が語られると、「ああ、だからこの人はこのコピーが好きなんだ」と思える。

「解釈代理店」のメンバーがお悩みに答えていくラジオについて。

解釈代理店という名前は素敵だけど、どんな人によるものなのかがない解釈だけだと機械的になってしまうので、やはり語られる人のバックボーンが必要だ、ということだった。

宣言をして、伏線回収をする

井上さんが、企画を実行に移していく上で大切にしていることは、”宣言をする”ことだそうだ。

そうして、関係者を増やすことで、やらなくてはいけなくなる。
簡単にやめられない状況を作る。

一人で考えるのではなく、口に出して宣言をする。
そして、そこから伏線回収をするのだ。

彼女は最近、念願叶って大学時代に応募していたラジオのCMコンペに審査員として呼ばれたそうだ。そこに彼女を呼んでくれた方は、かつて阿部さんが通っていたコピー講座の先生。「阿部くんの企画メシを受けていた人なら」というお墨付きでもらった機会だった。

また、彼女が「企画メシ2016」の最終回で提出した企画を唯一褒めてくれた同期が、今年Radiotalkに就職したという。

どこでどう繋がるか分からない線。

「企画メシ2021」の最終回でも沢山の人が宣言をし、これからいくつも伏線回収してカタチになっていくだろう。


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