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整理整頓

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今日ぼくは爪をgreyに塗った
爪がとても上品になった

ぼくの上品さというものを、greyの爪が押し上げてくれた

ぼくの大好きなものは既に、部屋の中に出そろっている

未来の頃から大切に思っていたこと
子供用のすべり台付き大きなベッド

ジャスミン茶が果実のように、血液を転がっていって
これはこれは

細かい線画 Twitterで見た、

何もかもがよく考えてある
よく考えて置いてある

ぼくはただ線に沿って並ぶだけで、誰かにとって見やすい情報になるだけでも

この部屋に立ち並ぶだけでもう
ころころ喉を鳴らして喜ぶ

ピアノが高い音から順に落ちるような、清潔な丸い音でね

100均で買ったピンクのフラミンゴと
簡単に雰囲気が出るネオンライトをつけて
輝く部屋のなか
街のように設計された部屋のなか
モンスターボールの雑踏のなか

ぼくの脳みそがぶち撒けられ、焦って形を整えたように
ぼくという人格が、空間に反映されているのがわかる

安物の宝物
日常的に使う高級なものが
ばらばらと整列してく

君たちのことをとても大切に思っているけど、大切に扱うとは言ってないよ
iPhone、シンプルに床に投げたことある

帰ったとたん、網膜の部屋
隅から隅まで、住所、住所、住所の情報
私の愛情や怒りを示す座標

そこにいるだけで、そこにいるということが私の感情を示す
石のように、ここに永遠に
スケルトンボディと気づかないまま

ぼくははらはら展開され、半導体の上で広々としてると思ってたけど
位置だけ残して、これ以上になく軽くなってしまった

あらゆる方法をとって、ぼくはTIFに
mp3に
BMPに
圧縮しなくても届くほど、軽々しい人生だったから
雑に

放物線を描いて投げられる

目に見えない疾風怒濤のインターネット
速いということは、それだけで山の景色より美しいのです

必要なのはソースだけなんだ
知ってしまえば居てもたってもいられない

ぼくはオープンソースになるため、持ってるものを全部詰め込む「はい」
液晶画面にもちものを入れる「はい」

greyのマニキュア
開かない鍵
もう暑すぎて全然鳴いてないひぐらしの声

死んでしまった母と父が、ぼくの髪を撫でる風
大きな市と合併して、住所の変わってしまった故郷

ぼくのさよならという気持ち
自分で選んだくせに、まるで被害者のような、ぼくの
さよならという気持ち

もうこれ以外のなにもいらない
これを持ってどこにでも行ける

ぼくたち全員、人類全員が、コロナもない、
新天地へと(もう)

(きみってば)


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