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[動]〈…が〉移動する;

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手から離れて投げられた 音

機能が変わる鋼鉄の 音

ドアノブを回す 音

もう性別がなくても幸せになれること

要らないものがどんどん無くなっていくこと

健やかに成長するには、この部屋は狭かったこと

踊るように、プロトコル沿いに
y軸上を

(上手にはける)

明転

悲しい気がする
悲しいなんて思ってなかったんだけど、もしかしたら悲しいかもしれない

というか「良かった」って思ってた
実際、良かったと思うし

それはもう、良かったかどうかわからない事象ですらない
「大学に受かりました!」みたいな、良かったねという気持ち以外湧かないような、どうしようもなく「良かった」事象だ

なのに染み込むみたいに感じる
悲しい…
おそらく、すごく寂しい

だけど、失うことに慣れる必要はないんじゃないか
慣れられるわけがない

それがもはや失ってもいない、ただの移動であったとしても
移動した時点で、移動する前の地点からは確実に無くなってるんだから

完全な栄転に心から「良かった」と思ってたって、悲しいという気持ち、寂しいことが、掻き消えるわけではない

人が覚悟を持って移動しただけ
私は何の準備も出来てないで、心が追い付かなかった

何とも思ってなかったのに、つまり、愛着があるものにだけ起こる感情ではないんだ

好き嫌いに関わらず、無くなってしまえば「寂しい」んだ

否、実は愛着がわいてたのか
人間ってすぐ愛着を発動させるように出来てる気もする

愛してない人を愛して、
悲しいことが起こらなくても私は悲しい

何かを得た事実があろうと、私はこんなに寂しがれる

そしてそれは不健康でも不自然でもないんだ

「良かったのだから、悲しむのはおかしい」なんて思う必要はない

こんなに望んでいたことが
起こって初めて、そう、

これを望んでいた!と思っても尚、
喜んでいる中で、同じ高さで
涙腺にかさが増していく

夏も寒そうなアイアンフレーム

この世で一番嫌いな部類のおしゃれ

何でそんな座りにくい椅子を置くのか理解が出来ませんね
コンクリート打ちっぱなしの…

コンクリート!!!
打ちっぱなしの!!!!!

Appleが可哀想
Appleのやってること自体はカッコいいのに、ファンのキモイ選民思想でブランドイメージ下がってんだよ
でも

そこに人が居て
そこから人が居なくなった

年末だからだと分かってるのに、こうしてコロナで散り散りになった駅前にいると

良いお年を…
そうして
知らない年にみんなが去っていくのを見ると

「未練はない」って、強い人たち

そりゃそうだ
改善なんだから

私だけが足を止めてる

一瞥もなく、覚悟を持って
その私が嫌いなセンスを身軽に持って

良いお年を
僕は去年には行きません

未だにゲームキューブのソフトを擦り倒して遊んでる世界で、「もう据え置き機の時代じゃない」と
コンビニ行くように立ち去ってしまう

悲しい、気がする
良かった、と思う

私は…多分、寂しい
この人を愛していた

変わらない姿でいる、この人を含んだ
景色を愛していた

体を取り巻くMAPを、
Google Earthを調べればいつでも現れる見慣れた道を、
自分を形作る、自分ではない部分の原子を

愛するものを、愛してないものを大切にしていた
嫌いなものにも広がる波動で

どれをとっても
絵に描いたように、ムカつくタイプだな…

生活感が無い、を意識しすぎ
本質とか言い出す

大嫌いなセンスでカッコつけた奴の家を見て、喉がしゅわしゅわ潤っていくよ

ドアを開けたら目一杯の花束
色とりどりの宝石を首にかけ
さらりと油が乗った生魚をぱくつく

舌がとろけそう!
満たしてもらえたということは、心づくしに愛された事実だ

ネットをやってて良かった
日常生活で嫌いな奴の家を見る機会はないから

部屋の中の一つ一つが、

私なら絶対選ばないね

「誰かがオシャレだって保証してくれてる」みたいなオシャレだな

照明が、机の並びが

私を愛に、ひたひたに浸からせてくれる
1週間のご褒美に、ゆっくり肌を保湿している

そうだ、私は勝手に受け取っていた

あなたの存在という財産を、フリーWi-Fiを、知らず知らずのうちに

本来お金を払うべきだから「無くなった方がいいんだよ」とか言いつつ影では、姑息な奴!

あなたが捨てたあなた自身に
私は愛着が、いや

執着か…

何を可愛く言ってんだろな

執着していた
捨てないだろって、密かに甘えてた

「自分に気がある」と勘違いしたオタクみたいに、気があったのは自分だけ
彼氏できたとたん美しくなった同級生は、ゲーム全然やらなくなった


今更好きになっても遅いよ

オシャレというのはオシャレで、カッコいいということは、
カッコいいんだ

なんにも行動してないくせに、改善に向けて移動した人に対して、悲しい、って
単に「後れを取った」んだろ

それすら、そのままでいい気がしている
お金を払うほど好きではなかった物が、いつもの場所から無くなったとき、身勝手に悲しめること

それを律しない図太さが、私に必要なものな気がする

「律さなければ」という考えは一見ストイックだけど、自分の感情を管理下に置きたい、置けると思っている幼稚さの表れでもある

私はちゃんと対策をしました、ぼーっとしていたわけではありません、ってポーズをとりたいだけで、問題は解決してない

日本の最悪の政治みたいな対応
横暴な人間と思われたくなくて、言い逃れを作っているにすぎない

ただ受け入れる
理解すら伴わないことを、つるっと飲み込む

思ったまま、そのまま、何もつけずに
子供っぽく放り出す

「悲しい気がする」
「私は寂しい」

場は爆笑だけど

みんな少しは同じ気持ちがあったから、安心して笑っているんだ

私が私の感情を受け入れることで、他人も同じものを受け止められるはず

物事は順番に並んでいて、悲しさをまじまじ眺め終わった時、嘘っけなく心から思う

同じ強さで、思っていた

「良かった」

新年を祝おう

四角い部屋のドアを開けて
あなたは角が取れて丸く、可愛く

そもそもキャラじゃなかった
可愛い感じ好きだから
こんな愛嬌のない世界に居られない

年越し蕎麦を食べなくても、年は越せた!

外は寒いけど、別に歩けた

(もういいんだ)
(本当に、もういいんだ)

5カウントで回します
板付きで始めてください

電波も通ってない新天地へ
0から1へ

決別のような移動です

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