見出し画像

もう戦争は時始まっているのか…

「僕が変われば、この国も変わる」


報道写真家 福島菊次郎(1921-2015)は軍国少年だった。彼は生き残った疚しさを抱えて「カメラ」を手にした。

広島の被爆者家族を長きにわたって撮り続けた写真集『ピカドン』を60年前に出版して以来、公害問題、成田空港建設に反対する三里塚闘争など、マスコミや社会が黙殺しようとする問題に次々とシャッターを切った。
「僕が変われば、この国も変わる」
が彼の口癖だった。

「この国はかわらない」


だが、その期待は年を経るごとに変わっていった。
「もう、この国はかわらない」と。

2015年安保法案の強行採決が進む中で彼はこう言ったという。
「みんな戦争なんて始まらないと思っているんだろう。でももう始まっているよ」と。

福島を追ったドキュメンタリ―映画があるという。
「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」
映画の題名は「日本自体が嘘っぱち」。
https://www.bitters.co.jp/nipponnouso/

権力や欺瞞に流されなかった福島菊次郎。

監督は「一人一人の苦しみから目を背け、隠蔽し、次々と新しいものを押し流す、日本の本質的な問題を、福島さんは見つめ続けてきた」と。

こんなドキュメンタリーを是非見たい。

そうしないと

「一人一人の苦しみから目を背け、隠蔽し、次々と新しいものを押し流す」
あちら側の人間になってしまいそうになるからだ。

福島菊次郎、生誕100周年である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?