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きいろ
2021年4月10日 19:30
藤原アケヲの告白 …何から、話しましょうか。 たくさんあって、どこから手をつけたらいいか、わからない片付けみたいに。 心の中が、散らかっているんです。 …そうですね。 わたしの名前。 本当は、アキラ…だったみたいです。 男の子がほしかったので、名前はそれしか考えてなかったそうなんです。 父は、忍という名前のせいで、女みたいだとからかわれたらしくて。 男らしい名前をつけてやるん
2021年4月10日 19:26
うちに帰ったら、わたしがだめな子だからわるいんだって。 お父さんお母さん、二人にいわれる。 妹もたぶん、そうおもってる。 わたしには、いていい場所がないの。 どこにいっても、じゃまみたい。 もう、図書館に住んじゃいたいの。 本を読んでも、しかられないもの。逆にほめてもらえるなんて、天国みたい。 図書館の人、やさしいんだ。 同じ組の男の子の、お母さんだったの。 しらなかった。
2021年4月4日 17:57
わたしの家は、鉄工場をしています。 ギイギイとおそろしげな音をたてて、毎日青や赤の火花を散らしています。 きれいだけど、じっとみてはいけません。 眼球が、やけどをしてしまうから。 父は、お面をつけています。 ロボットみたいなお面とつなぎの服や手袋は、父を月面探査者みたいにみせています。 知っていますか。 お面のガラスのところは、黒いガラスがはまっているんです。 でも、よくみると黒
2021年4月4日 17:52
…それは、王国。 かつて夢見し者の、永遠の楽園。 けふのうちに とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ うすあかくいつそう陰惨な骸から 血のりはびちよびちよふつてくる 青い葡萄のもやうのついた これらふたつのかけた陶椀に おまへがたべるあつものをとらうとして わたくしはまがつたはうちやうをふるひ ちちははのざうもつを掻きだしたのだ ああ わたくしのけなげないも