同志って言いたいだけの記事。

いよいよ病院に来た。
先週の木曜日から痛むこのノド。

もともと扁桃腺を腫らしやすい人間なので、その悪い癖が出た。夏風邪が長引いている。熱は下がったけれども、かわらずノドが焼かれたように痛い。

どれくらい痛いかというと、そうだな。

なんか、まるで、ノドが焼かれたようにノドが痛い。そういう痛み。命に別状はないから、切羽詰まっているわけではない。

だるい身体で20分歩いて、病院にきた。
命の泉。白衣の天使たち。苦しみから解放してくれる神々。本当にすばらしい。ありがたい。

病院に来て驚いたのは、エレベーターがパンパンだったこと。きっとこの人たちも私と同じ階で降りるに違いない。ちょっと咳こんでるし。

みんな、きちんと私と同じ階で降りた。

同志たちよ……。

問診票を書くとスタッフの方に「本日混み合っておりまして、お時間いただきます」と言われる。たしかに待合室もパンパンだ。

大丈夫ですよ。全然大丈夫です。

みんな同志ですから。

ロビーで待っていると、5分おきくらいに病院の電話が「ルルルルルル」と鳴る。スタッフさんが電話に出ると決まって言うのは、

「本日ですか。診療おこなっております。お熱はありませんか？　混み合ってるのでお時間いただいております」

電話の向こうにも同志がいる。

あぁ、あの電話の向こうに同じように苦しんでいる私の同志がごまんといるのか。

同志たちよ……。

待合室には比較的大きな窓があって、そこから外の景色が見える。眼下に広がるのは札幌の街並み。

「あぁ、ここにもう大川さんはいないのか……」

ｼﾐｼﾞﾐ

とは思わないけど、街を歩く人たちを見てみると、ほぼ全員、ノドの調子は良さそうだ。

つまり、同志とは言えない。

「イトーーーーさーーーーん」

呼ばれた。

診察室に入る。

素敵な神ドクターから「抗生物質だしておきますね」とシンプルに言われて、私はとにかくハッピー。こんなにハッピーなことはそうそうない。

診察室を出て待合室に戻る。同志たちがケホケホしながら名前を呼ばれるのを待っている。

もうすぐだ。

同志たちよ、もうすぐ救われるぞ。

なんか、

途中から、同志って言いたいだけの記事になっちゃった。

〈あとがき〉
同じ状況だからこそわかり合える何かがあります。病気の経験、出身校、出身地、同じ誕生月、同じノドの痛み。文章を毎日書いている人にしか分からない何かもあるわけで、といっても大したことは分かり合えません。今日も最後までありがとうございました。

【関連】最後の最後に同志が出てくる記事はこれ