社会人一年目、茶道を始める!?
茶道と聞いて、若者を思い浮かべる人はいるでしょうか?
正直、私も茶道を始める前はお年寄りのやる趣味だと考えていました。
そんな私が茶道を始めたのは社会人一年目(22歳)の時でした。
きっかけは先輩の一言でした。
22歳の私は、未経験でIT業界に挑戦し慣れない日々の中で少しづつ疲弊していました。
要領がいい方ではないため、情報系の大学を卒業した優秀な同期達に負けたくない一心で、家に帰ってからもこっそりプログラミングの勉強をしてなんとか追いつこうと必死でした。
仕事に行き、家で勉強し、隙間時間で家事をする。
社会人から一人暮らしを始めたことも相まって、夜は泥のように眠りにつく日常でした。
一生懸命になっている時ほど、時間は早くすぎます。
あっという間に半年が過ぎ三ヶ月で埋めようと思っていた差が埋まらず、焦りは募っていくばかりでした。
その時の私は、さらに別の悩みも抱えていました。
しっかり7時間睡眠をとっても、仕事に、勉強に身が入らないことです。
焦りはあるので、頑張ろうという気持ちは足りていなかったとは思いません。
やる気とは乖離して、頭が動いていないと自分で、はっきり分かるんです。
実力が足りていないと分かっている状態で、努力もできていない自分をはっきり自覚すると、誰しも自己嫌悪に陥ると思います。
入社した時は、理由がない自信に溢れていた私も、まるでメッキが剥がれていき、中身のないハリボテのような存在だったんだと考えるようになっていました。
周りからみても心配になったんだと思います。
先輩が仕事終わりに飲みに誘ってくれました。
その時に「焦るな」と何度も言って下さったことが嬉しかったことを覚えています。
他にも色々な話をしたのですが、休日の茶道の体験が気分転換になったという話が印象的でした。
私はその夜、茶道体験を調べ裏千家のホームページの存在を知り、次の日に電話で体験を予約していました。
「裏千家」も「表千家」も知らない状態で謎の行動力に突き動かされた私は、一回の体験後に茶道教室に通い始め、社会人三年目の現在も続け、茶道歴三年目となっています。
茶道で三年はまだ短いとされますが、私の中では珍しく楽しく継続している習い事です。
十年とは言わず人生を通して続けていきたいと思える習い事・趣味に出会えたことは「かなり幸運なんじゃないかな」と先輩に感謝しています。
時には焦りが必要になる時もありますが、一年目の私には一呼吸おく間が必要だったと振り返って思います。
脇目も振らずに一生懸命やることは、
「無呼吸で泳ぎ続ける」ような状態です。
遠くにいきたいと思う人こそ、呼吸の方法を身につけた方がいいと体験を通して学びました。
倒れてから休んでは回復に時間がかかりすぎてしまったり、頑張ることに抵抗ができてしまうこともあります。
予防医療のように、私にとって茶道は
「頑張り続けたい時に助けてくれる、いい相棒かな」と思っています。
なかなか謎の行動力に突き動かされないと始めにくい茶道ですが、実はあなたにとってもいい影響を与えてくれる相棒になるかもしれないですよ。
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