今は、生きてきた証

人間とは、なんとも美しいなと思う。

はじめはきっとみんな同じもので、何かのきっかけで運命がもつれて、この世に生まれてきた。
わたしにしか進めない道を進んでいき、そこからどんどん違うわたしへと形を変える。
たくさんの人から、たくさんの愛や感情を受け取って、大人になっていく。

時間を過ごしていく中で生まれる感情は、喜びや愛ばかりではない。
寂しさや憎しみ、妬みだって覚えるようになる。
時には、自分自身を傷つけてしまうときもある。

人の経験とは面白いもので、これまでの経験全てが、現在の自分に反映される。
海に裸足で入りたくなってしまう衝動も、誰かと繋がることへの怖さも、大切な人へ愛を渡すことへの照れ臭さも。
そのときの感情や願い、選択の全てが、これまでわたしが生きてきた証なのだ。

そうしていろんな経験をして、いろんな人に触れて、どんどん大人になっていく。荒波に遭うことがあっても、そこから何かを受け取って、また生きていく。
その一つひとつが、とても人間らしくて、強く、美しいと思う。

生きることって難しいけれど、でもとても美しいのだと、みんなにも自分にも伝えたい。
わたしは、生きるということそのものに魅了されているのかもしれない。

考えれば考えるほど、人生の奥深さにまた惹かれていく。