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医療者が病院の中に留まることは、今後みんなにとってマイナスになる話〜発信している理由〜

「ちょっと役立つまめ知識」をInstagramで発信し始めて         2ヶ月が経ちました。

温かい言葉に励まされ、日々投稿を頑張ることができています。

しかし、中には心無い言葉をかけてくる人もいます。          センシティブな領域でもあるので、結構嫌なコメントが来る頻度も高い。

「ああ、もっと楽な内容発信にしたいな。」
「伝わらないもんだなあ」

こう思いながら、いつも心無いコメントを読む就寝前・・。
(気にしないようにと思っているけど、気にしちゃうよね。笑)


私の発信内容が間違っていたらちゃんと聞くし、訂正するし、謝罪もする。
ありがたい意見ならまだしも、すべて揚げ足をとるような話ばかり。


”正しい手洗いの動画”といって投稿をすれば
「正しいって言っている割に、洗う時間短くないですか?」

「動画の時間の関係上、30秒におさめています。」と丁寧に返信しても
「医療の情報発信をしている以上、正確でないといけないと思います。」

さらには、このコメントを読んだ人が                「医療知識もないのに発信するな。医療をファッションのように扱うな。」

医療をファッション はちょっとよくわからないけど          秒数の話までいってしまったら、秒数が記載していないポスターもだめだし
ネット上の情報も全てだめになる。


揚げ足取りにもほどがある。


私は、今まで10秒しか洗ってなかったひとが
20秒洗うようになったらそれでいい。


医療は楽しくもないし、どちらかといえばマイナスな印象が多い中で
なにも関心がなかったひとがSNSという媒体を通して
「興味をもってくれる」「病気になる前にちょっと気を付けてみようかな?」
って気になってくれる。


それだけで十分。


正直、SNSでたくさん投稿を載せているけど
みんなに伝えたいことはまだ一つも伝えていない。

なぜなら、それは全くみんなに興味をもたれる内容じゃないから。
もっともっと、医療がみんなにとって身近になって
基礎中の基礎の部分が備わって

「ちるなの話だったら聞いてみようかな」と思ってくれるようになるまで
みんなとの関係構築を続けなければ
私がみんなに本当に伝えたいこと、みんなにとって必要なことは
「ただのつまらない話」「まだまだ自分には関係ない先の話」と思われて終わってしまう。


私は10年間病院勤務してきて                    10年間患者さんに同じ指導をし続けてきた。
私たちは知っているのに、みんなは知らないことが沢山。


知らないが故に、助かるはずの命が助からない。
知らないが故に、大変な中受診をして長時間待たされてお金もかかって帰ってゆく。


非医療者のリテラシーが低いことで、正直私たちはとても迷惑をしているし
みんなは大損をしている。という悪循環でしかない事態が起きている。

知識がないことは、みんなが悪いことではない。

なぜなら、義務教育では習わないから。

正しい知識は、病気になって、病院にきてからじゃないと
得ることができないシステムの日本。
病気になってからじゃないと正しい知識を得る機会がない日本。
社会保障制度が整っているおかげで、予防医療が普及しない       自分事として捉えることが難しい状況の日本。

ネットに情報が溢れていて、どれが正しいかよくわからない。
沢山ありすぎて、調べることも嫌になる。
さらに医療用語は難しい、複雑。                    私ですら、いちいち調べる。全てが頭に入ってるわけじゃない。


病院に来る前に自分で判断・選択・決定ができるひとが増えてほしい
少しでも自分事として捉える人が増えてほしい。


医療者が病院の中にとどまっていては
この悪循環はとまらない。
この先、社会保障制度が破綻していく日本において
簡単に安く医療が受けられる今の制度が続くとは思えない。

医師の働き方改革が2024年から本格的に始まり             この先ずっと健康な医師、十分な人数の医師に診てもらえるとは思えない。


これからは、最低限の医療の知識を持っていなければ          自分も、大切な人も守れない。


医療に限らず、誰かの発信をすべて鵜呑みにして
自分で調べることもせず間違った解釈をすること これが問題。
なぜ、多額の買い物をするときはこれでもかってくらい自分が損しないように調べるのに、自分の体、医療のことになると、まったく調べず    「お医者さんに任せます」になるのか。
それでなにか起きたら「やぶ医者」扱い。

医者は神様じゃない。


無駄に病院に来る人が多くて病院が混んで待ち時間が増えたら
「なんでこんなに待たせるんだ」「診察は5分、顔も見てくれない」

そういう状況にさせているのは、国民であるという意識が必要。
正しい知識をつけて、病院に来る来ないを自己判断できるようになれば
本当に必要な人だけが病院に来るようになる。

だから、少しでも医療の知識をつけて欲しいという思いで発信しても
揚げ足をとられ、完璧を求められる。

もちろん、命に関わることもあるわけだから
論文をみたり正しい情報提供は必須。
そんなのは当たり前の話。

それが大前提なのは、発信をしている医療従事者が一番わかっている。


気に入らないならアンチじゃなく根拠を持って指摘すれば良い。         よっぽど悪質じゃないなら、放っておけば良い。            折り合いがつかないなら、自分が発信すれば良い。

医師でも研究者でもない私は、処方もできなければ医師より知識は劣る。  私はとっても知識がある素晴らしい、賢い看護師ではない。

だけどこの10年間、誰しもがこの先なり得る病気の人たちと関わってきた。
この世で死なない人はいないのに、死ぬ瞬間を見たことがない人が殆ど。 そんな中、看護師という職業を通して                「人間の死の瞬間」に何度も立ち会わせてもらってきた。

私にできることは、この経験をみんなに伝えて             「なるべく後悔のない人生」を送る、手助けをすること。


どこかの誰かにとって「健康とは?」「人生とは?」を考える      きっかけ作りと、安心を与えることができたらとても嬉しい。


大きなことはできないし、私の影響力はたかが知れてるけど
それでも、せめて自分の周りにいるひとだけは後悔してほしくない。

こういう想いがあって発信していて
インフルエンサーになりたいわけでもない、できれば自分の顔も名前も出したくない私にとって、心無いコメントや揚げ足取りは


悔しくて涙が出てくる。笑


手洗動画、たった10秒短かっただけで心無いコメントをすることは
どんどん医療者の発信を窮屈にさせます。

心が温かいひとたちが、自分の周りに溢れるよう

反面教師で今日も発信します✨

ナースのまめ知識発信中👉https://www.instagram.com/chillnurse.yu/reels/       TikTok👉@chillnurse


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