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企業分析 | 株式会社ディー・エヌ・エー(MOV)

本日は株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する、次世代型のタクシー配車サービスのMOVを分析していこうと思います。
まだ対応エリアは限られていますが、利用されたことがある方も多いのではないでしょうか?

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会社概要

本社:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ
設立:1999年
資本金:103億97百万円
従業員数連結:2437人(単体1502人)

<事業内容>
・ゲーム
・エンターテインメント
・スポーツ
・オートモーティブ
・ヘルスケア
・Eコマース

東証一部上場
https://dena.com/jp/company/overview.html

4P分析

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Product(プロダクト:製品)
今回はオートモーティブ事業のMOVを分析していきます。
「MOV」はいつでも簡単にタクシーを呼べる、次世代型のタクシー配車サービスです。アプリ上で乗車場所を指定することで、タクシーを呼ぶことができます。乗務員と直接メッセージのやりとりを行うこともできます。また、ネット決済に100%の車が対応しているため、車内での支払いなしに到着後すぐに降車できます。

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Price(プライス:価格)
価格は通常のタクシー料金になります。(+迎車料金が発生します)
現在MOVの新規ダウンロードで500円のクーポンを利用することができます。またDMクーポンや友達紹介クーポンもあります。

Place(プレイス:流通)
スマートフォンアプリで配車手続きを行うことができます。(アプリのみ)
MOVに対応しているタクシーのみ使用することができ、逆にアプリ経由から呼ばないとMOVを使用することができません。
2019年1月現在、対応エリアは東京、神奈川、大阪、兵庫(※一部地域を除く)

Promotion(プロモーション:販売促進)
DMやティッシュ広告などを活用し販促を行っています。
タクシーステッカーやタクシーラッピングもプロモーションの一部です。

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MOVのDMはスマートフォンがモチーフに。デザインも洗練されています。
https://design.m-o-v.jp/

PEST分析

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Politics/Political(政治面)
タクシー業界は何かと政治面の影響が大きい。
現状、タクシー乗務員に必要とされる第二種免許は、「普通免許保有3年以上」「21歳以上」が受験資格となっています。一般人によるタクシー業務は「白タク」として原則禁止とされているが、自家用車を使ったタクシー業務は公共交通機関のない過疎地などで、「自家用有償旅客運送制度」として例外的に認められています。政府はこの制度をさらに緩和することを検討しています。(一方、タクシー業界は政府への反発を強めています)

Economy/Economical(経済面)
2014年の改正タクシー特措法(減車法)の影響もあり、法人タクシー事業者は10年間で10%減少。需給バランスの改善が行われた結果、稼働1台当たりの売上高は増加傾向にあります。ただ、人口減少・少子高齢化社会やタクシー乗務員は、一般的に低収入・長時間労働の傾向にあることから、若年入職者が減少しており、タクシー事業者の中には、保有車両数に見合った乗務員を確保できていない現状もあります。
また、インターネットの発達によりシェアリングエコノミーが広がっています。自動車分野では、カーシェアやライドシェアの普及が注目されており、富士経済が発表した日本国内の自動車関連シェアサービスの市場予測だと2030年には、相乗り型のライドシェアの市場規模が2017年比187.1倍の131億円に拡大すると見通しています。

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(出典:富士経済)
ちなみに、ライドシェアとカーシェアの定義

ライドシェア
乗用車の相乗りの需要をマッチングさせるソーシャルサービスの総称。
(車両所有者は個人になり、個人と個人のマッチングを仲介します。)
weblio辞書
カーシェア
一般に登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのこと。
(車両所有者は主に事業者になり、利用者が自動車を借ります。)
weblio辞書

Society/Social/Cultural(社会/文化/ライフスタイル面)
インターネットの発達に伴い、相乗りマッチングサービスなど移動手段が多様化しています。
ライドシェアサービスの規制が緩和されたら、もっと移動がオープンになりそうですね。

Technology/Technological(技術面)
人工知能を活用したタクシー利用者の需要予測などが行われているそうです。アプリ利用者がもっと増え、データ量がもっと増えてくればさらにマッチング精度が高まっていくことが予測されます。

ライドシェアサービスを展開するべく規制緩和の可能性を模索していましたが、やはりタクシー業界からの反発が強くなり、日本政府がライドシェアの規制緩和に動く可能性が低いというのが現状です。ライドシェアへの参入を期待していたIT関連企業も、日本での実現の可能性が低いと考え、タクシー会社と組み、タクシー配車アプリを提供しているといった現状が考えられます。

4P分析

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やはり競合はJapan taxiでしょう。
Japan taxiは現在全国47都道府県で対応を行っているとのことです。
ただ地方だとそもそもの需給量が少ないこともあり、首都圏でのマッチング向上が一旦の需要テーマとなりそうです。

SWOT分析

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強み(Strength)
やはりディー・エヌ・エーが運営していることは強みと言えます。
0円タクシーなど、多種多様なアプローチをもとに配車精度の向上を行っていくでしょう。
個人的にはMOVのデザイン・ブランディングが良いな〜と思っています。
MOVのデザイン

弱み(Weakness)
競合と比較すると対応可能なエリアが少ないです。
ただやたら増やすものでもないので、今後の展開に注目です。

機会(Opportunity)
政府の影響も大きいですが、シェアリングエコノミーの普及とともに、ライドシェア/カーシェアは成長が期待される市場になります。
また交通の分野で言うと、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)と言う概念も注目されています。ICT を活用して交通をクラウド化し、マイ カー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ 新たな「移動」のあり方は今後もますます発達していくと考えられます。

脅威(Threat)
海外のサービスも含め、競合は多い市場になります。今後も競争が激化していくことでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今後の動向に注目の市場です。サービスの発展にも期待です!

参考
https://m-o-v.jp/
https://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2018/69_1.pdf
https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport069.pdf

2020年1月更新


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