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起業にはいくら必要なのか?


起業相談チャットボットなんていう職業を1年半以上もやらせてもらっていると、1日に数回出会う質問がある。

その一つが、「起業にはいくら必要なの?」という質問だ。

そろそろよくある質問ランキングの上位に食い込んできそうな勢いだ。

しかし、正直に言うと「この質問、減るといいなぁ」と思っている。

もちろん、この質問をしてはいけない、絶対にするなよ、ということではない。

ただ、この質問をサクッと解決できる魔法の答えがないのだ。

例えば、必要なお金を少し深堀すると、思いつくだけでこれだけのバリュエーションが存在する。


Q1.起業するまでの生活費?

一人暮らしと仮定して半年間で起業を目指すなら、約90万円。

およその内訳は、こんな感じだ。

・家賃:6万円
・電気代:4000円
・水道代:2000円
・ガス代:3000円
・通信費:1万円
・食費:4万円
・交際費:2万5000円
・日用用品費:5000円

もちろんこれには、個人差がある。地域差もある。節約思考の差もある。


Q2.自己資金?

事業開始にかかるお金が500万円なら、250万円くらいあるといい。

目安は、開業資金の1/3~1/2だ。


Q3.初めての入金があるまでのお金?

それなら、事業の生活費3~6ヵ月分だ。

これは、ビジネスの立ち上げ初期に必要な運転資金で、売れない冬の時代を絶えしのぐまさに、ゼロ受注耐久力だ。


Q4.先輩起業家の開業費用?

それなら、100万円未満の割合が多い。

これは、日本政策金融公庫の調査結果だ。ちなみに、約20%の人が費用はかからなかったと答えている。

調査の詳細はこちら


Q5.ネット販売を始めるのにかかる費用?

それなら、やり方次第で0円だ。

始めようと思えば、BASEだって、STORES.jpだってある。もし、時間が無くて、外注をするなら数十万円はかかるだろう。


Q6.飲食店を始めるお金?

場所と店舗面積にもよるが、およそ1,000万円は必要だ。

これは、駅に近い住宅地で店舗面積約15坪、席数30席のカフェを開業する場合の必要資金を計算している。

詳細はこちら


Q7.株式会社の設立に必要なお金?

それなら、22万~26万円くらいだ。

これには、定款認証費用、設立登記の登録免許税、法人の印鑑作成費用とかが含まれている。


Q8.合同会社の設立に必要なお金?

それなら、8万~10万円くらいだ。

株式会社と違って、定款承認が不要で登録免許税も安くて済むんだ。


Q9.必要な資本金?

それなら、1円。株式会社も合同会社も設立できる。

ただ、あまりに少額だと信用面で劣ると判断されることがあるから注意が必要だ。


Q10.いくら貯金があればいい?

それなら、あればあるだけいい。

お金は持っていたもの勝ちだ。思い切った投資もできるし、運転資金の心配をせずに事業に集中することもできる。


ここまでくれば、なんとなく予想ができたと思うが、起業に必要なお金には、何をするのかと自身が何を重要視するかで、金額は異なる。

つまり、起業に定価なんて無い。ということだ。

では、起業に必要なお金を計算するためには、具体的にどうすればいいのだろう?そのために必要なポイントを挙げておこう。

ひとつ目。やりたいこと、つまり起業のアイデアを考えると必要なお金の量が見えてくる。

例えば、旅行に行くとき、ハワイに行きたいと思ったら、旅行サイトで日数、航空券、ホテルを決めれば大体の予算が見えてくる。そんなイメージだ。


~突然ですが、ここで、CMです。~

※このCMはスキップ(読み飛ばし)もできます!

旅行における旅先、日数、航空券、ホテルを考えるステップを、起業に例えると起業アイデアの整理です。「起業ライダーマモル」のマイノート機能を使えば、起業のアイデアを「動機」「強み」「誰に・何を・どのように」など7つのステップで簡単にまとめられます。起業にはどのぐらいお金が必要なのか?と考える前に、やりたいことをシンプルにまとめられる便利ツールです。

詳しくは、こちら。

~終了~


ここで鋭い人は、気づいたと思う。

「旅行って、予算から行き先を決めることも多くないですか?」

そう。二つ目は、必要なお金を、起業に使えるお金と考える。

例えば、ハワイ旅行って結構するんだなぁ。今の貯金だと10万円が限界だな。そうだ、グアムならいけるかもしれない。と、次の行動に移せる。

使えるお金を考えるときは、この選択質問に答えてみるといい。

Question 起業にどれだけのお金を投資できますか?
・なし
・貯金はあるが、起業して利益が出るまで使いたくない
・起業を成功させるために十分な準備ができている
・お金は問題ではない

たった一問でも、この質問に答えるだけで、行動の選択肢を絞ることができる。

例えば、「なし」を選んだら、「初期費用がほとんどかからない起業アイデアで戦う」か「貯金をする」か、といった感じだ。

答えの無い質問には、行動が効く。

いきなり起業にいくら必要なのか気になってしまった人は、「行き先を決めるか」「予算を決めるか」ふたつの行動をぜひ試して欲しい。

■おわり