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実は、事業計画書を書く人は○○%


A:「こんなビジネスで起業したいです!」

B:「なるほど。では、事業計画書を作りましょう!」

A:「…」

このやりとりは、「起業あるある」の一つだ。

事業計画書をつくるのは「カップ麺はお湯を入れて3分待つ」くらい当たり前だとオレは思っていた…

でも、

「未来は誰にも分からないのに、事業計画書をつくる意味あるの?」

なんて聞かれた時、オレがLINEで答えている「事業計画書を作る理由」では物足りない。

Q事業計画書を作る理由
計画書は、起業の成功を高めるために作成するんだ。何度もブラッシュアップすることで、事業コンセプトや事業内容が研ぎ澄まされていくぞ。あと、金融機関からお金を借りるときとか、パートナーや出資者から事業の理解を得るときにも役に立つぞ。険しい山に登る時、事前の入念な計画が命を救うことがあるだろ?ビジネスもそれと同じだ。

これは、マズイ、非常にマズイ。

今日の常識が明日の非常識になってしまうほど変化の激しい世の中で、未来を予想し時間をかけて計画を作る意味はあるのだろうか?

「今回は事業計画書の必要性」を深掘りしてみようと思う。


事業計画書を作る人は多い?少ない?

そもそも、起業をした人は事業計画書をどのくらい作っているのだろうか?

ここに、いいデータがある。

日本政策金融公庫総合研究所の「起業と起業意識に関する調査」(2019 年1 月17 日)だ。

調査によると…

起業時に事業計画書を「作成した」起業家の割合は、28%

(なんと、7割はカップ麺にお湯を入れないか、3分待たないらしい。)

あらかじめ事業計画書を作成している起業家は、実は少数派だ。10人の起業家がいたら、3人未満。「事業計画書?」なんて人もきっといるだろう。

もう一つ、同じ調査の切り口を変えた統計結果を紹介しよう。

起業経験の有無別にみると、「経験あり」の起業家は32.6%が事業計画書を作成し、「経験なし」の起業家(20.1%)より高い。
起業費用別にみると、事業計画書を作成した起業家の割合は「100万円未満」では18.6%だが、「500万円以上」では51.5%を占め、起業費用が高くなるにつれて作成割合は高くなる。

つまり、過去に起業経験を持つ先輩起業家や、500万円以上の起業資金を準備し、いざ勝負に臨む起業家たちほど、事業計画書の作成を重視している傾向がある。

なんだか、経験者や開業資金が高額でない限り、作らないのがスタンダードのように思ってしまうが、「みんな作らないなら、自分もつくらなくていい」ということではない。

そもそも、起業はみんながやらないことをやることだ。


事業計画書の必要性には個人差がある

前の記事で、100万円未満で起業する人が実は4割、という記事を紹介した。

(実はこの記事、先週の「#起業」カテゴリーで、もっともスキされた記事に選ばれた。ありがとう。)

近年は初期投資の少ない起業が増えていて、そこには「少額で創業が可能なサービス業での起業が増えている」という背景があった。

この事実を「事業計画書の作成は必要か?」という観点から見ると、極端な話、サービス業の場合、固定費(*)がかかるわけではないから、すぐに売上が上がらなくても当面は生活に困らない。( * 固定費:家賃など、売上にかかわらず、固定的に掛かる費用)

そうなると、事業計画書の作成に時間を掛けるよりも、できるだけ早い段階から行動を起こし、小さなトライ&エラーを繰り返しながら、実地で学んでいくことの方が効果的かも知れない。

例えば、自身の資格と経験を活かし、ファイナンシャル・プランナーとして自宅で開業するような場合、綿密な事業計画書の作成に数ヶ月をかけるよりも、コアとなる自身の売り(強み)と対象顧客のみを定めて、できるだけ早く営業活動を始める方が、市場を適切に理解し、事業を軌道に乗せることができる可能性がある。

一方で、たとえば製造業や飲食業の開業などは、ビジネスを始めるにあたっての初期投資の額がケタ違いだ。

500万円以上、場合によっては1,000万円以上に創業資金を必要とするため、(さきのサービス業と比較した場合)背負っているリスクの量も違う。

だから、不用意に始めて「お金を失う」ことの無いように、時間を掛けて綿密に事業計画書を作成することに対する、相対的な重要性も増すだろう。

事業計画書は横並び一線で必要、という訳ではなく、起業したい業種に応じて、その必要性を客観的に判断する必要がある。

というのが現実的なアドバイスになる。


事業計画書はいつか作ることになる

結局、作るか作らないかは自分次第だ。身も蓋もないアドバイスだが、この記事で作る意義を伝えることはできても、替わりに作ることはできない。

ただ、視座を延ばして考えたとき、事業計画書は遅かれ早かれ必要になる。

例えば、サービス業で起業し、最初は実践重視で(事業計画書を作成せずに)ガンガン試行錯誤を繰り返していた人も、やがて売上が増え、従業員が増え、ビジネスとしての規模が大きくなり、利害関係者が増え、背負っている責任やリスクが大きくなっていったとき、やはり、事業計画書は必要になる。

そして何より、人は計画がなければ、やるべき行動ではなく受け身で楽なものを選択してしまう。

だから、これからも事業計画書は作成した方がいいとアドバイスをしようと思う。

いきなり事業計画書はハードルが高いかもしれない。そんな時は、オレの「マイノート機能」を活用して欲しい。

事業計画書の核となる事業コンセプトが7つのステップで簡単にまとめられる。

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マイノート画面

全項目を埋める必要なんてない。自分の都合に合わせて、起業の特性に合わせて、大切だと思うところだけにフォーカスし、取り組んでみてほしい。


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