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総合商社って結局何やっているの?~商社マンの仕事内容~

#2023年7月16日更新
みなさん、こんにちは。企業研究マンです。

総合商社と言えば、「エリートで高給だが激務」「世界を股にかけて仕事が出来る」などといったイメージを既に持っている方もいるかと思いますが、そのビジネスモデルは複雑であり、しっかりとした業務理解にまでたどり着いている就活生は少ないのではないのでしょうか。

今日はトップクラス学生層のみならず、幅広い大学生から非常に人気の総合商社業界の基本を知ってもらおうと思います。総合商社を志す就活生は是非参考にしてみてください。


総合商社とは?

三菱商事、伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事の5社を5大商社、豊田通商と双日を加えた7社を7大商社と呼び、総称して総合商社として呼ばれています。それぞれに特徴があり、得意分野や強みはもちろん、社風も大きく異なります。
※個社の特徴は、別記事で詳細に分析していきます。

何をして儲けているの?

よく聞く「ビジネスモデル」ってやつですね。
つまり「『誰に』何を』提供して、お金を貰うの?」ってことです。

余談ですが、就活で使うカタカナは、必ず日本語で理解できるようにしてください。大学生が「ビジネスモデル」とか使うと「分かって言ってるのか?こいつ。」と、面接官に秘められたドSの血が騒ぎだすのです。
そうなると無意識に粗探しが始まり、手が付けられなくなり、結果「こいつは分かっていない」となるわけです。面接で化けの皮を被っているのは就活生だけではなく、面接官も同様に化けの皮を被って学生を見極めているのです。

やっていることは、大きく二つ。

総合商社は「ラーメンからミサイルまで」とか「ミネラルウォーターから人工衛星まで」とか言われるくらい、非常に幅広い商品を扱う、と言われています。実は、この「扱う」という言葉が、ビジネスを分かりにくくしている正体です。これをかみ砕いていきましょう。

①トレーディング

まずはトレーディングです。要するに「モノを買って」「それを売る」。これだけです。日本で100円の水を大量に買い込んで、喉がカラカラになった人たちに120円で売りさばく商売です。

実際のビジネスでは「在庫」を抱えたくないので、まず「売り先(買ってくれる客)」を探します。見つけた後に、必要とされている分だけ「商品を買う」のです。

在庫を持ちたくない理由は様々ですが、水を100本買って飛行機に乗せると、追加料金が取られます(手数料)。重いし、場所代もかかります(保管費用)。そして、落としたり、商品によっては売れ残ったり腐って価値が下がったりする可能性があります(減損リスク)。そして何より、100本買うと現金が手元になくなり、利子が稼げなくなるのです。在庫は最悪です。

総合商社は取り扱う金額が10兆にもなるので、株とかで4%の利子が付けば、それだけで4000億円の純利益が出るのです。(ヤバいですね。)

商社のトレーディングは

1.「売り先(お客さん)」との接待や商談で飛び回り、信頼関係を築き、
  より高く、より多く買ってもらえるように働きかける。
2.「買い先(メーカーさんなど)」から、安く買う交渉をする。
3.言われた商品を、納期に間に合うように運ぶ。

この3つを繰り返しています。商社マンが「激務」と言われているのは、この3つの膨大な作業と、関係者が多いことによる接待にあるのです。

ちなみに、3でめちゃくちゃトラブル起こります。笑

深夜までお客さんと飲みながら、「ちょっと失礼」と席を立ち、トラブル発生の電話を受けて社内外に連絡を指示して、また席に戻ってお客さんが喜ぶ話をするわけです。基本は一人(+アシスタント)で1~3のサイクルを毎日毎日回していくのです。これは本当に体力勝負です。

しかも、取り扱い金額が100億円~1000億円と超デカいので、
中小の人たちが商売するよりも、超ボリュームディスカウントが効いて、結果的に安く買って、高く売れるのです。

一人の人間が、これだけの規模を動かせることが、高給と激務に繋がるわけですね。笑 カッコよくもあり、愚直な商売です。

②事業投資/経営

1990年代まで、トレーディングで大儲けしていました。
原料や商品を海外から安く仕入れて、日本の市場で高く売れたのです。

しかし、IT化とグローバル化が進み、各メーカーが自分で仕入れるくらいの力を持つと、「あれ?商社いらねぇな。」という扱いを受け始め、「商社冬の時代」を迎えます。

そこで、商社は事業投資/経営をするビジネスに転換し、蘇ったのです。これは株に投資して、「配当(インカムゲイン)」と「株価の値上がり(キャピタルゲイン)」を狙う、投資家と似たようなものです。

ただし、総合商社は「自分たちがよく知る業界」の会社しか買わず、あくまで実ビジネスを進化させるための事業投資なのです。

例えば三菱商事や伊藤忠商事はコンビニを買収していますが、そのコンビニの商品の多くは、三菱商事や伊藤忠商事が海外から買ってきたものを売る場合が多いのです。ちなみにボルビックは三菱商事、エビアンは伊藤忠商事が買い付けていますね。

昔、石油や石炭などのエネルギー資源を「トレーディング」していたが、「このままじゃ利益が小さい。潰れる!(´;ω;`)ウゥゥ」と焦った商社マン達は、なんと技術を持ったパートナーを巻き込み、自分たちで掘り起こす作戦に出たのです。めちゃくちゃ生命力のある人種です。ほんとに。笑

「総合商社は資源価格に影響を受ける」と言われていますが、掘り起こす資源の価格は一定なのに、売値が変わることを言います。

例えば、市況に関係なく毎月100億円で石炭が取れます。それが市況によっては200億円で売れる時期もあれば、50億円でしか売れない時期もあるのです。

50億円でしか売れないとなると、操業を中止/減産し、減損を計上(価値を下げる)するのです。1兆円の工場の価値が、4000億円の価値に下がれば、6000億の赤字となるのです。世間を騒がす「巨額の赤字」の正体はこれなんですね。

ぶっちゃけおススメですか?

なかなか大変な仕事なんですね。プレッシャーも凄いし、体力も必要です。

就職先としてはどうなんでしょうか?
個人的な意見ですが、超絶スーパーウルトラおススメです。

就職人気ランキング

引用:ITmedia

まずは、知名度の高さがあります。「並大抵の人材じゃ入れない企業」というブランドがあり、転職市場でも超高い評価を受けます。
また、長期雇用を前提としているため、みんなで育成を支援してくれる風土もあります。世界中どこにいっても恥ずかしくない商売の基礎を身に着け、成長スピードが早いのがおススメポイントです。

処遇


これは有名な話なので皆さんご存じですが、年収がめちゃくちゃ高いです。
総合商社の年収を見ていきましょう。

1位:三菱商事  1,939万円
2位:三井物産  1,784万円
3位:伊藤忠商事 1,730万円
4位:住友商事  1,606万円
5位:丸紅    1,594万円
6位:双日    1,208万円
7位:豊田通商  1,180万円
※引用:2023年度発行の各社有価証券報告書より

怪物業界です。
業界のトップ7社まで1000万円越えは信じがたいですね。
しかもこれ、一般職も含めた平均なので、総合職は10~15%くらい高くなります。

日本の平均年収が461万円だとすると、トップ5社は3倍以上の給与になるわけですね。


いかがでしたでしょうか?

今回は総合商社が何をやっているのか、働き先としてのおススメ度を解説しました。これから就職活動を始める皆さんは、一度は見ておいて損はない業界だと思います。

個社ごとの特徴は、別途まとめていこうと思いますので、是非フォロー頂けますと幸いです。リツイートや友人へおススメ頂けますと励みになります!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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