劇作家の苛立ち、そして少女としての岡添結愛。

匿名劇壇の劇作家、福谷圭祐における少女としての岡添結愛がつづるノート。 [2021.0…

劇作家の苛立ち、そして少女としての岡添結愛。

匿名劇壇の劇作家、福谷圭祐における少女としての岡添結愛がつづるノート。 [2021.04.01変更]⇒匿名劇壇の劇作家・福谷も書きますし、そのインナーガールの岡添結愛も書きます。

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        • 【短編小説】世話をやく

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        「性的マイノリティがフィクションに登場するとき、そこに意味とか意義を求めるのはおかしい」という話

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        • 劇作家の苛立ち
          41本
        • 少女としての岡添結愛
          39本
        • 短編小説集「真夜中の悪筆」
          10本
          ¥300
        • 【グレショー】放送後の振り返り【Aぇ! group】
          13本

        記事

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          愛しの松っちゃん妄想記者会見

          あたし、松っちゃんには、かっこ悪くジタバタせず、こんなふうに喋って欲しかった。大好きだよ、松っちゃん。かっこ悪いね。 もっとたくさん、面白い松っちゃんを見たいよ。 本当のことはわからないけど、あたしは松っちゃんが好きだから。 だから、こんなこと妄想しちゃったよ。 *** Q,この度の報道についてはどのように受け止めていますか。 いやまあ、出たか、って感じですよね。いや、あのね。ゆうときますけど、ゴラァゆうて腕掴んだり、なんですか、後輩らみんなでウワァみたいなことはないわ

          短編小説「4人を愛した2人の男」

          俺が愛した女は4人いる。 それぞれの名前? 全員同じ、リンダだ。普通だろ。 ほか? いやいや、ほかにいるわけじゃない。 4人とも、リンダだ。 名前が同じってことじゃない。 リンダが、4人いるんだ。 そうか。お前はまだ知らないんだな。 いいぜ、教えてやる。 女ってのはな、4人いるんだぜ。 4人合わせて、1人の女になるんだ。 彼女らは1週間ごとに交代する。 生理前・生理中・生理後、そして次の生理前までの1週間だ。 おいおい、そんな顔するな。 ひどい言い方だって? そりゃ独身の

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          高校3年生たちから学んだこと

          先日、演劇科の3年生たちに向けた最後の授業が終わった。 高校3年生の彼らにとって、祝祭的に機能するのは「卒業公演」という3年間の集大成イベントだ。ただ、これは昨年の6月に幕を閉じている。 卒業公演の終了後は、進路がどうだ受験だどうだと忙しくしていたことだろう。 なので、夏休み後の授業については、良く言えばウイニングラン、悪く言えば消化試合的な雰囲気で進行していった。 (実際、「卒業公演」という大仕事を成し遂げた彼らに教えることなど、ほとんどない。) とはいえ、いよいよ最

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