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HHKB押下圧変更プロジェクト【その3:道具編】


道具の準備

HHKBの分解のために必要な道具を紹介します。


必要な道具

  • プラスドライバー(#1)

  • キートップ引き抜き工具

  • ピンセット

  • トレー

  • 清掃用具

  • グリスと筆(分解のついでにグリスアップしたい場合のみ)



(1)プラスドライバー

プラスドライバーの先端の大きさは「#1」です。商品によっては「No.1」や「+1」と表記されているかもしれません。
今回の作業で取り外すHHKBのネジは21本ですが、すべて「#1」で対応できます。

100円ショップの安物ドライバーは避けましょう。
安物ドライバーではネジの頭を舐めてしまってバカになる可能性があり、そうなると素人では修復できなくなります。1本500円以上するような高級なドライバーを使う必要はありませんが、ホームセンターなどで数百円で売っているまともなドライバーを用意するべきです。
どれを買えばよいかわからないという方は下の製品などがお勧めです。どちらも日本の老舗企業の製品です。(下の画像をクリックすると商品の販売ページが表示されます)

トラスコ中山 [8本組 ドライバーセット]
アネックス ドライバーセット[マジックコイン付 8本組]



(2)キートップ引抜き工具

キートップを取り外すための工具です。
こういう形のものです。

キートップ引き抜き工具(下のタイプがおすすめ)

写真の下側の細長い形状をしたもがお勧めです。写真上の丸い方は長いキー(スペースキーなど)に対応しないためお勧めしません。
ドライバーと同様に100円ショップの引き抜き工具は強度に不安があるので避けましょう。

どれが良いか分からないという人はFILCO(ダイヤテック株式会社)のキートップ引き抜き工具がお勧めです。ダイヤテックさんはメカニカルキーボードの「マジェスタッチ(Majestouch)」などを製造している日本企業で、キーボードだけでなく、(高級な)キーボード関連のアクセサリを「FILCO」のブランド名で製造販売しています。
(下の画像をクリックすると商品のページが表示されます)

FILCO キートップ引抜工具


注意!
横着してマイナスドライバーでキートップを取り外そうとしてはいけません。
メンブレン式のキートップとは軸の構造が違うので、マイナスドライバーをテコのように使って外そうとすると軸を傷つけてしまい、最悪は折れてしまいます。
「キーボードは年に2~3回掃除しましょう」とPFUさんの中の人もおっしゃっていますので、これを機にまともなメンテナンス用品を買っておくのが良いでしょう。HHKBは10年以上使えるキーボードです。今後2~30回は清掃を行うのですから今のうちに良い道具を揃えておきましょう。



(3)ピンセット

ピンセットは100円ショップで販売されているものでかまいません。
素手でバネに触ることはやめましょう。ぴょんぴょんと跳ねるので意外と作業しづらく、紛失の原因になります。また、手の汗と脂も金属には良くないものです。

下の写真のように先端が尖っている精密作業用のピンセットがお勧めです(写真右)。一方、精密用は尖っているので基板などを引っ掻いてしまう恐れがあるため、先端が太く丸いピンセットと使い分けるのが理想です(写真左)。
写真のように、先端が「く」の字に曲がっているものが使いやすいでしょう。どちらも100円ショップのもので十分です。

ピンセット2種類



(4)トレー

取り外したネジ、ラバードーム、バネを一時的に保管するためのものです。
調理用でもなんでもかまいませんので、面積20cm×15cm以上の大きさのトレーや皿を用意しましょう。外したネジとバネを紛失しないために必須です。
調理用を用いる場合はしっかりと洗剤で洗って油汚れなどを落としてから使ってくださいね。
今回の作業にかかわらず、ネジなどの小さな部品は油断すると一瞬で行方不明になるものなので「取り外したネジとスプリングは机の上に並べればいいや」なんて横着をしてはいけません。高確率で行方不明になって部屋中を大捜索する羽目になりますよ。



(5)清掃用品

今回のラバードーム交換作業とは直接関係ありませんが、キートップを外すついでに掃除もしてしまいましょう。
綿棒、爪楊枝、ピンセット、ウエットティシューなどがあると便利です。
ピンセットは上記(3)が使えます。ウェットティシューは非アルコールのものを使ってください。
清掃の方法についてはこちらに詳しく記しました



(6)グリスアップをしたい場合は

今回のラバードームの交換作業とは直接関係ありませんが、分解したついでに軸にグリスを塗りたいという人はグリスを用意しておきましょう。グリスアップ(ルブ)についてはこちらのページをご覧ください

【注記】
私はグリスアップをあまりお勧めしません。その理由もこちらのページに記しています。

グリスアップに必要なものはグリスと筆です。
グリスは株式会社タミヤ製の「タミヤ セラグリスHG 87099」または呉工業株式会社製の「クレ NO1067 シリコングリース」ならば間違いはありません。
(画像をクリックすると商品のページが表示されます)

タミヤ セラグリスHG 87099
クレ NO1067 シリコングリース


注意!
クレ5-56を使ってはいけません!

クレ5-56は金属用の潤滑剤であり、プラスチック用ではありません。5-56はプラスチックやゴムを溶かすことがあり、誤って使用するとラバードームや軸が変形してHHKBが使用できなくなる可能性があります。


グリスを塗布するための筆

小さなキー軸に適切にグリスを塗るためには筆が必要です。
百円ショップのメイク用やマニキュア用のプラシで十分ですが固めのものを選びましょう。


その他(キーキャップ? キートップ? )

「キートップ」と「キーキャップ」は同一のものです。呼称は違いますが、どちらもキーボードのキースイッチを覆う小さなプラスチック製のカバーのことです。
ちなみに、PFUさんでは「キートップ」、東プレさんでは「キーキャップ」の呼称を主に用いています。



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【補足】
こちらのnoteでは、株式会社PFU製のHappy Hacking Keyboardの改造方法と、改造のための分解方法等を解説しています。
このnoteに記された改造等を行う前には必ずこちらの免責事項をお読みください

オリジナルのHHKBの押下圧は45gですが、私の場合は、押下圧を30gに低減するためにdeskeys.io というサイトのラバードーム(des-dome V2 rounder-bke style)を用いました。
deskeys は怪しいサイトですので利用をためらう方も多いと思い、私が実際にdeskeys を利用した状況もこちらで解説しています。
また、私は利用していませんが、deskeysはREALFORCEキーボードの静音化リングやCHERRY MXスイッチ(軸)と互換性のあるアイテムも販売していますので、それらに興味がある方にとっても参考になるかもしれません。
東プレ株式会社のREALFORCEシリーズのキーボードは、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用していますのでリアルフォースの改造、静音化、軸の交換などにもこのブログが参考になるかもしれません。

皆様の快適なキーボードライフに当noteが貢献できたならば幸いです。


このnoteは令和5年10月に書きました。商品の情報などは初回投稿時以降にに更新していません。