HHKBの掃除
(1) HHKBの清掃について
HHKBに限らずキーボードは定期的に掃除しましょう。
キーボードの隙間には毎日知らず知らずのうちに、ホコリ、毛、皮膚、食べかすなどが落下して積もっています。長期間放置すると、ゴミ同士が押し合って盛り上がり、キー軸と軸受けの隙間から基盤へと落ちてしまいます。
(2)清掃に必要な道具
掃除にはキートップを引き抜くための工具が必要です。
また、ウエットティシュー、綿棒、爪楊枝、精密作業用のピンセットなどがあると便利です。
ウエットティシューは非アルコールのものを使ってください。
写真1がキートップを取り外すための工具です。
写真の下側のタイプがお勧めです。写真上の丸いものは長いキー(スペースキーやシフトキーなど)に対応しません。100円ショップで写真上の丸いタイプが販売されていますが、100円ショップの引き抜き工具は強度に不安があるので避けましょう。
どれが良いか分からないという人はFILCO(ダイヤテック株式会社)のキートップ引き抜き工具がお勧めです。ダイヤテックさんはメカニカルキーボードの「マジェスタッチ(Majestouch)」などを製造している日本企業で、キーボードだけでなく、(高級な)キーボード関連のアクセサリを「FILCO」のブランド名で製造販売しています。
注意!
横着してマイナスドライバーでキートップを取り外そうとしてはいけません。
メンブレン式の安物キートップとは軸の構造が違うので、マイナスドライバーをテコのように使って外そうとすると軸を傷つけてしまい、最悪は折れてしまいます。
「キーボードは年に2~3回掃除しましょう」とPFUさんの中の人もおっしゃっていますので、これを機にまともなメンテナンス用品を買っておくのがよいでしょう。価格も数百円です。HHKBは10年以上使えるキーボードです。10年間で2~30回清掃をするのですから、今のうちに良い道具を揃えておきましょう。
(3)キートップの抜き取り
キートップ引き抜き工具を使ってキートップを抜き取ります。
写真3のように、キートップ引き抜き工具をキーの隙間に差込み、キートップの対角線にフックを掛けて真っ直ぐに上へと引き抜きます。
スペースキーやシフトキーなどの長いキーを引き抜くときはキーの中央部を意識して真上に引っ張ってください。斜めに力を入れると軸を痛めてしまいます。
(4)清掃時の注意点
キートップを外すと、天板に3対6個の穴が空いていることに気付くでしょう。
写真5はキートップを外した後のスペースキーの周辺ですが、矢印のところに2つの穴が空いていますね。
左シフトキー、エンターキーにも同様の穴があります。
この穴の下は基盤です。この穴から液体が侵入すると直接基盤を濡らすことになり、故障の原因となります。
掃除の際には、この穴から水滴が落ちないように注意してください。
掃除が終った後にこの穴を塞ぐことをお勧めします。
この穴は、スタビライザーと呼ばれる金属の棒を固定するツメがある部分に空いています。
放熱用でも空気抜き用でもありません。天板にこの穴が空いていことによるメリットはありません。一方で、液体をこぼしたときに内部に侵入させてしまう欠点になっているので、この穴は塞いでおきましょう。
この穴の塞ぎ方はこちらの「HHKBのメンテナンス(番外編:スタビライザーの穴を塞ぐ」に記しています。
キートップを引き抜いたら、後は汚れを取るだけです。
ウエットティシューや爪楊枝を使って汚れをしっかり取りましょう。
洗剤は使わないでください。水拭きで十分です。ただし、水滴がしたたるような布や綿棒を使ってはいけません。上記のスタビライザーの穴から水滴が内部に侵入してしまいます。また、キー軸と軸受けの隙間も同様で、水が浸入してしまいます。
水拭きする際には、固く絞って水滴が付かないようにして拭いてください。
(5)補足
HHKBを使わないときには上面にハンカチを掛けたり、あるいはHHKBを立てかけておくことで侵入するホコリを減らすことができます。
そのためのアイテムもPFU公式サイトで販売されていますのでご一考を。
【補足】
このNOTEでは、株式会社PFU製のHappy Hacking Keyboardのメンテナンス方法や、改造のためのHHKBの分解方法等を解説しています。
また、グリスアップ(ルブ)についても、タミヤさんのグリス(セラグリスHG)を使った方法と効果を検証しています。
東プレ株式会社製のREALFORCEシリーズのキーボードは、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用していますのでリアルフォースのメンテナンスにもこのブログが参考になるかもしれません。
皆様の快適なキーボードライフに当NOTEが貢献できたならば幸いです。