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HHKBのグリスアップ【その1:グリスは必要か?】


(1)グリスアップの必要性について

今回は、HHKBのグリスアップの効果と必要性について書きます。
グリスを塗布する手順等については【その3:グリスの塗り方 簡易版】または【その4:グリスの塗り方 本格版】をご覧ください。

さて、根本的な問題ですが、そもそもHHKBにはグリスアップが必要なのでしょうか?
私はあまり必要ないと考えます。
私自身がグリスアップしたHHKBを使用しているのですが、正直なところ必要なかったなと感じています。
理由は、HHKB特有のスコスコ感が減少したからです。
スコスコ感が無くなったわけではなく、少なくなったと感じています。
ツルツルというかフニャフニャというか、適切なオノマトペ見つかりませんが、そういう感触に変りました。
もし、あなたが愛機のキー軸にグリスを塗ったならば、最初は違和感を覚えるでしょう。スコスコ感が減少し、フニャフニャ感が増す感じです。人によっては打鍵感が悪化したと感じる場合があるでしょう。
また、塗布するグリスの種類、塗布する箇所、量、塗りムラなどによって感じ方は大きく変るのだろうと思います。

さらに付け加えるならば「ガサツに作業するくらいならばグリスアップはしない方が良い」でしょう。
グリスはベタベタしているのでホコリを吸着します。また、ラバードームなどのゴムやシリコン製品に誤って付着させてしまった場合、それを丁寧に除去せずに適当に処理するとにそれらの品質に悪影響を与えます。
不具合だけでなく、塗りムラや塗りすぎは打鍵感を悪化させます。快適な打鍵感を目指してグリスを塗布したのに、打鍵感が悪化してしまったのでは本末転倒です。

「ちょっとくらいはみ出しててもいいか」とわずかな時間を惜しむと、将来の不快感や故障に繋がります。
がさつに作業するくらいならばグリスアップは諦めましょう。HHKBはグリスアップなどしなくても10年以上快適に使用できますよ。



(2)静音化への貢献

私の場合ですが、グリスアップによって打鍵時に発生する音がわずかに減少しました。つまりグリスアップがHHKBの静音化に貢献しました。
どのように静かになったのかというと、打鍵したときのカシャカシャ音がなくなりました。
文字で説明するのは難しいのですが、
あなたのHHKBのキートップを指で優しく触れてください。鳥の羽を置くようなくらいに軽く。すると、カシャっとプラスチックがぶつかるごく小さな音がするでしょう? グリスを適切に塗布するとこのカシャッという音が消えました。また、押下した際に生じるプラスチック同士が擦れ合う不快な雑音も大きく低減しました。

音量の単位であるデシベル(dB)で換算するとほとんど変化がない程度の音ですが、キーボードのカシャカシャ音はとても耳につくイヤな音のひとつですし、遠くまで聞えます。私の場合はこれが低減したので、体感的にはハッキリと静音効果を感じました。
キーボードの静音化を行いたい人にとってはグリスの利用も一考に値するでしょう。



(3)グリスを塗布するリスク

私が自機にグリスを塗ったのはこの記事を書いている約3ヶ月前です。
(この記事は令和5年10月に書いています)
従って、長期的な視点でグリスがHHKBに与えるの影響についてはまだデータを持っていません。
しかし、一般的なグリスの性質上、グリスの効果は数年も継続するものではないでしょう。打鍵回数によってはもっと短くなるでしょう。
いずれは潤滑効果が無くなり、再度の塗布が必要となる日が来ます。
あるいは、グリスが劣化し、かえって抵抗が増えるかもしれません。そうなったならば、劣化したグリスを取り除くためにキー軸を洗浄しなければなりません。キー軸の洗浄のためには、HHKBのカバーを外し、内部の基板を取り外してキー軸を取り出す必要があります。
具体的にはこちらに記した分解作業をする必要があります。洗浄と乾燥まで行うと1日では終らない作業となります。
このように、グリスアップはメンテナンスの手間を増やしますし、デメリットもあります。

日常のメンテナンスの重要性も増します。グリスはホコリを吸着しますので、HHKBの清掃をせずに何ヶ月も使い続けると、キーの間から侵入したホコリやゴミや毛などがキー軸に付着して、打鍵のたびに軸と軸受けの間に押し込まれていき、摩擦が増したり、雑音の原因になります。
HHKBの清掃方法はこちらを参考にしてください

一方で、HHKBを無メンテナンスで10年以上使っているユーザーが大勢います※。
彼等の多くはグリスを使わずに10年以上使い続けているのです。このことから、HHKBにはグリスアップは必要ないと言ってもかまわないでしょう。

※グリスアップしなくても清掃は必須です。年に2~3回はキートップを抜いて天板上に溜まったゴミを取り除いてください。



とはいえ、グリスアップには一定のメリットがあることも事実です。
私がグリスアップした手順や使用した道具について解説します。
グリスアップについては、簡易版と本格版の2通りをご案内します
簡易版の場合はこちら
本格版の場合はこちらをご覧ください
本格版では、HHKBを分解して中からグリスを塗ります。
簡易版では、キートップをだけを外してキー軸の一部分だけにグリスを塗ります。
ご参考までに。





【補足】
こちらのnoteでは、株式会社PFU製のHappy Hacking Keyboardの改造方法と、改造のための分解方法等を解説しています。
このnoteに記されたグリスの塗布や改造等を行う前には必ずこちらの免責をお読みください
HHKBの押下圧を30g以下に低減する手順についてはこちらに記しました。オリジナルのHHKBの押下圧は45gですが、私の場合は、押下圧を軽くするためにdeskeys.io というサイトのラバードーム(des-dome V2 rounder-bke style)を用いました。deskeys は怪しいサイトですので利用をためらう方も多いと思い、私が実際にdeskeys を利用した状況もこちらで解説しています。また、私は利用していませんが、deskeysはREALFORCEキーボードの静音化リングやCHERRY MXスイッチ(軸)と互換性のあるアイテムも販売していますので、それらに興味がある方にとっても参考になるかもしれません。
東プレ株式会社のREALFORCE(リアルフォース) シリーズのキーボードは、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用していますのでリアルフォースの改造にもこのブログが参考になるかもしれません。
改造以外にも、HHKBの清掃方法メンテナンスについて簡単に説明しています。

皆様の快適なキーボードライフに当noteが貢献できたならば幸いです。


このnoteは令和5年10月に書きました。商品や部品の情報などは初回投稿時以降更新していません。