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視覚障害ことばの学習アイデア帳 お助けアイテムは「効果音ラボ」#特別支援メモ

今日は視覚障害を伴う子たちの「ことばの学習」から。

ことばの学習「見る課題」多し・・・

一般的にことばの学習(いわゆるST。)に多い内容といえば

  • 呼称「これなーんだ?」

  • マッチング「おんなじどーれだ?」

  • 選択「〇〇はどっちだ?」「どっちが〇〇?」

  • 叙述 「どんな?」「どうやって?」「何が?」「どうして?」

ていうのが多く、特別支援学校では模型や絵カード、タブレットなどを見て考えることが多いのですが、これが視覚障害の場合はちょっとアイデアを使います。

呼称 語彙を増やす

実物や模型を触って「これなーんだ?」をすることが多いですね。なので、現場に準備できるものに限られます。私がよく使うのは以下の様なもの。
・スプーンなどの食器類(もちろん割れないもの、先が尖っていないもの)
・歯ブラシやタオルなどの生活物品(トイレットペーパーやカバン・水筒も)
・他、動詞や形容詞は実際に体を動かしたり、体験を通じて学習します
でも現場に持って来れないけれど、教室で擬似体験が難しいけれど学習が必要な言葉って山ほどありますよね。そこで使えるのがこちら

聴いて考えられる教材「効果音ラボ」

これ、本当に優秀なページです。本来は動画作成時に必要な効果音をダウンロードして使えるというサービスなのですが、視聴の時点でとてもクオリティが高い。情景が思い浮かぶ音素材が豊富なのです。
こちらに出会うまでは、CDに環境音や動物の鳴き声などが入っている教材を使ったり、その教材にない音はスマホで録音して作ったりしていました。でも数や種類に限界があるんですよね
その点、「効果音ラボ」さんは素材が豊富なので、子どもたちとの会話が弾んだ方向(ジャンル)をもっと広げて音を探したり、カテゴリー分類もされているので「〇〇さんが得意な乗り物シリーズ!」「△さんが得意な動物シリーズ!」と進行を持っていくこともできるのです。

「音」と「モノ」でマッチング

例えばトレーに歯ブラシ、スプーン、ペン を入れておいて、「歯磨きの音」を再生して「この時使うのはどーれだ?」と選んでもらう。もちろん、「歯をきれいにする時に使うのはどれ?」と言葉で質問することもできますが、音を聴いて考えるこの方法はことばの発達がゆっくりな子達の認知機能を伸ばす良い機会になりますね♪

情景を描く音が豊富だから 叙述にも使える

例えば今日のSTではある子が「ジューって言ってる。フライパン 焼いてる」とか、「掃除機、止まった」とか「バイクが来たね」「車のエンジンかかった」「電車の警笛、危ないって」のように詳しく話してくれました。効果音ラボには「遠くから来たバイクが近くを通り過ぎる音」のように位置関係もわかる様な素材がたくさんあります。音から想像を膨らませて模擬体験的に会話を楽しむこともできます。「早いねー」とか「美味しそうだね」という形容する言葉を使うシーンが増えるわけです。

おまけ。選択課題には手を使おう

「野菜とお肉どっちが好き?」や「電車と猫、動物はどっち?」などの質問は短期記憶が苦手な子はもちろん、そうでなくても「え?え?なになに?」と混乱してしまうことがあります。そんな時は先生がお子さんの右手を握って「こっちが電車」、左手を握って「こっちが猫」と示してから「動物はどっち?」と質問すると「こっち!」とか「猫!」と言って左手を上げてくれることがあります。触覚や位置で聴いた情報の理解を補う方法ですね。

今日ご紹介したのはあくまでもワタシの経験で閃いたり、現場の先生方のアイデアをご紹介させていただいたものです。もっと面白いアイデアはたくさんあるはず!見つけたらまたご紹介しますね〜!

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