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【癌日記84日目】子育てしながらがんと向き合うあなたに伝えたいこと/ママががんになったとき/卵巣癌・子宮体癌/9月21日

乳がんサバイバーの小林真理子先生(聖心女子大学 現代教養学部 心理学科教授)が講師を務める第34回ピアリング笑顔塾「子育てしながらがんと向き合うあなたに伝えたいこと」に参加した。

この日記のマガジンは私が49歳で卵巣癌と子宮体癌に罹患した日々の自分と家族の記録。娘(高1)娘(中2)夫&猫の4人と1匹ぐらし。ワーママ。他の日記はマガジンにまとめています。


録画や録音ができない個別性が高い講演会だったので自分用のメモ。

素晴らしい講演会だった。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(1)癌の「危機」のとらえ方

「危機」を「危」「機」に分ける。

危 不安を危険を伴うもの
機 後期、機が熟し飛躍するとき

悪い方にいくかよい方にいくかの重大局面。家族や学校・仲間との関わりのなかで成長する力を得る時。

「PTG:心的外傷後成長」のタイミングだ。

最後に先生が言われていたこのメッセージにぐっときた。

「PTG」、「心的外傷」後の成長。そんな言葉があるんだな。知らなかった。

母親ががんになってしまったことはもうなかったことにはできない。「PTG:心的外傷後成長」になってくれたらいいなと心から思った。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(2)数字と向き合う。子育て中の癌患者と子供の推計

  • 18歳未満の子供 56,143人(2015年11月)

  • 子供の平均年齢11,2歳

  • 18歳未満の子供がいる癌患者の発病年齢
    男性 46.6歳
    女性 43.7歳

データで見ると思っていたより癌と向き合う親子の年齢はかなり低い。私自身もそうだけれど、こんなにもたくさんの仲間がこの状況を立ち向かっているのだと知った。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(3)親ががんになったときの子供の反応

【子供の体験談】何か大変なことが起こっているのはわかったけれど、親が事情を話してくれないので聞けなくて1人で抱えていなければいけなかった。一人で泣いた。教えてくれたあとは秘密にしなくてよくて楽になった。

【子供の体験談】なんでうちの母だけががんになったのか、家にいたくない。わたしがお母さんの言うことを聞いてこなかったから母ががんになったのだろうか? 頭も心もぐちゃぐちゃになってしまう。不安や怒りは自然な反応であなたのせいではない。気持ちを表現する方法を考えよう。

否認、不安・恐怖、悲しみ、怒り、罪悪感、身体症状(睡眠障害・食用の問題)、退行、学校でで身に入らない、逆に頑張りすぎてしまう

家族の非常事態には自然なSOS的な反応として受け止めてあげたり、サポートしてあげることが大切。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(4)治療中に子ども支える方法

  • 家族の日常の中で話す

  • 医師の話を聞いた後に家族で話をする

  • 子供に最新の情報を伝える

  • 子供が質問を書くノートや家族LINEで思いついたときにおくるなどもいい

  • この先生なら話せるなと思える先生であれば、学校の先生と定期的に連絡をとり子供のサポーターを増やす 保健室の先生や学年主任の先生、スクールカウンセラー、部活動の顧問などへの相談もありかもしれない

親が学校にのぞむこと。何気ない声かけで「気にしているよ」というサインを送ってほしい、これまでと同じように見守ってほしい。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(5)親のがんを子供に伝える

親ががんであることを子供に伝えなかったとしても、子供は家庭内の緊張を感じ取っている。

知らされずにいると、子供は実際よりも悪い方に想像しがち。親が言ってくれないのは自分のせいかな? と考える場合もある。

親にとってもがんであることを隠しておくのはとても負担になる。本来は自分の治療選択の検討や家族とのコミュニケーションに向けたい力を、がんを隠すほうに向かうことの負担はとても大きい。

オープンなコミュニケーションは自己肯定感につながる。

子育てをしながらがんと向き合うポイント(6)子供に伝える「3つの『C』」

  • がんという病気 cancer

  • うつらないこと not Catchy 一緒にお風呂にはいったり、お鍋を一緒に食べたり、ハグしたりしてもうつらない

  • 誰のせいでもないこと not caused 子供は自分のせいでこうなっちゃったんじゃないかと考えがちだけれど、子供のせいでも親のせいでもないことを折に触れて伝えていく。

Kids Need Information Too

子育てをしながらがんと向き合うポイント(7)幼児期~6歳、学童期6~12歳、思春期(12歳~)で少しずつ対応が変わる

  • 親から自立したい

  • 親のがんだけでなく友人関係や将来の悩みが大きい

  • 自分への意識がとても高い時期がゆえに、自己中心的な考えや反応しがち

  • 親に対する態度もアンビバレント、近づきたいけど近づきたくない、好きだけどきらい

  • 不安や心配や怒りの感情をもっていながら親とは話をしたがらない。自分の中に秘密を持つという発達段階でもある。何を聞いても「別に」みたいな反応をする場合も

  • 親を支えることができる年齢なので、親への気遣いと自分中心であることの葛藤を抱える、学校の部活を集中する当たり前のこと。

  • 状況を正直に伝え、子供の意見を聞きつつ決定する。
    →お母さん大変だからこれしてねではなく、おかあさん今ツライんだけど

  • 親以外の友人や先生、知人などのサポートをお願いする

説明時
→ショックや同様を示しながらもすっきり安心という子もいる。表面上は変化がない子も意外と多い。表面上変化がないことと、本当に何も変化がないことはちがう
→「死んじゃうの?」などの質問をしたり、涙をする。親をいたわる
説明後
→手伝いや協力をはじめる。明るくふるまう、がんの報道に敏感になる

子育てをしながらがんと向き合うポイント(8)親のがんの状態が悪くなったとき、子供はその事実から守られるべきか?

  • 死が近いことを子供に知らせることは、それを教えてくれた人に対する信頼を増す

  • 家族としての経験に子供が参加することを認める 子供を1人の人として尊重することになる

子育てをしながらがんと向き合うポイント(9)CLIMB プログラム

自分の親だけが癌じゃないんだと孤立感を軽減、気持ちの表出、仲間とのつながりをもつ機会になる。

講演会の中では先生が実際にカウンセリングを行ったたくさんの事例の紹介もあった。

私自身も癌がわかってからカウンセリングを受け始めた。癌というのは最近死を意識しながら生きる持病のようなものだと感じている。

とてもイレギュラーでストレスフルだ。私の癌に全く動じない伴走者を持つというのはとても力強い。

▼カウンセリングの記録

▼癌関連の日記エントリー一覧

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