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クラス担任の先生が年度の途中で変わるのはなぜ?不安になってしまいます。

今回の事例は、3歳児クラスの保護者からです。クラスの園児数は15名で、担任保育士1名と保育補助1名でクラスを運営していました。年度途中の8月に担任保育士は自己都合による退職をしたため、急遽、担任保育士が変わったことについて不安を感じています。【保護者編】事例10

◆保育園の人事異動の流れ

保育業界の運営事業主の主流は、概ね以下の団体に分類されます。
①公立保育園、②社会福祉法人、③民間企業、④学校法人

特に、近年では公立保育園は自治体による公設民営化や指定管理事業、受託事業、ひろば事業等と民間へ公募を募り運営を社会福祉法人もしくは民間企業へ委託しています。

いずれの運営事業主も人事異動の基本は年度末に行われます。
4月開始~翌年3月末を年度とし、4月1日に新年度人事が発令されます。
そのため、年度途中の9月~10月頃に保育園の職員全員に向けて、次年度の意思確認(次年度も現在所属している園での雇用を希望するか否か等)を行っている保育園が多くあります。いずれの団体も年明け~3月上旬頃までには4月1日に向けて異動調整を行う流れです。

◆年度途中にやむを得ず休職や退職になるケース

では、年度途中に異動が発令される事由についてです。
・職員が産休へ入る。
・家庭の事情により休職もしくは退職を余儀なくされる。
・職員自身のスキルアップ等による自己都合。
・職員の体調不良による退職。
等が挙げられます。

これらは、職員を軸に考えた場合、事業主は労働者の権利があるため退職願等を受理する流れになります。もちろん、単純に退職願を提出されたからと言って、「はい、どうぞ。」という事は決してなく、職員の思いや背景などを理解すべく面談やフォローを行っています。

しかし、やはり子どもたちや保護者支援を鑑みると保育園に少しでも長く勤めて欲しいと考えることは福祉事業を展開している事業主の願いでもあります。
様々な事情がありますが、事業主も保育士たちのために真剣に処遇改善に取り組み、働きやすい環境を整える努力を行っていることは間違いありませんん。

◆クラス担任が変更になった時の保護者の気持ち

とは言え、やはり信頼していたクラス担任が年度途中に変更になると保護者は不安になることは間違いありません。
保護者の気持ちとして、
・なんでこの時期なのか?
・先生にも事情があるのは分からなくはないけれど、うちの子どもが不安になるのは心配。子どもがなつくか心配。
・どんな先生が来るのか、保育士経験はどれくらいあるのか。
・新しい担任の先生と私が(保護者自身)上手くコミュニケーションとれるかしら。
等々…。

保護者の気持ちは十分理解できます。
大切な子どもを預けているのに、親代わりの保育士が子どもが懐いたころに変更になってしまって保育園嫌いになってしまわないかくらい感じる保護者もいます。
保護者の皆さんが不安だと、我々保育園側も十分理解しています。

◆保育園側が行っている環境整備と配慮

年度途中に休職者や退職者が出た場合は、保育園内で職員の配置換えを行うもしくは、途中入職者、系列園からの異動者からクラス担任を着任させます。

いずれにしても、全ての事業主、保育園園長は該当クラスの保育力が今までと同等であるように保育について改めて環境整備等を行っています。

やむを得ずクラス担任を離れる保育士からは子どもの引継ぎを行います。万が一、前任のクラス担任から引継ぎを受けられないケースがあっても、保育園では主任や乳児リーダーや幼児リーダーが子どもたちの事を把握していますし、子どもに関する成長の記録が月、週、日単位であるため、子どもたちの生活環境の調整は十分可能です。

また、環境面だけではなく、子どもたちにとって信頼していた担任がいなくなるわけですから当然のことながら精神面でのフォローは十分に行うことは間違いありません。

むしろ、精神面でのフォローを重点的に行うことは保育園、保育士として必須です。

◆まとめ

保育園における主役は子どもたちですが、子どもたちの成長発達に伴走しているのは紛れもなく「保育士」です。

年度途中にクラス担任が変更になることは非常に不安になること間違いなしですが、保育園ではそれまでの子どもたちが営んできた生活に極力影響を与えることがないよう、誠心誠意リカバリーすることを期待していただきたいと思います。

なぜなら、我々はプロだからです。

安心してください。我々は子どもたちのために最善を尽くします。

保護者の皆さん、ご自身の通われる保育士の笑顔と共に明日も笑顔で頑張りましょう!!






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