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25歳、友達と話が噛み合わなくなって出会った『そろそろいい歳というけれど』

何冊か本を読んでいると、「これは私のために書かれた本だ」と、運命的な出会いを果たすことがある。

ジェラシーくるみ氏の『そろそろいい歳というけれど』も、自分にとって特別な一冊となった。

もし1年前、自分が24歳の時に出会っていたら、きっとここまで刺さらなかったと思う。というのも、25歳の年になって、一気に友人から入籍や同棲の話を聞くようになり、自分も今後のライフプランと向き合わざるを得ない状況が増えたからだ。

結婚や同棲の予定はないし、独身の今を十分楽しんでいる。だが、友人の話を聞いたり、話を振られたりすると、1年前は感じなかった“自分だけ置いていかれる“焦燥感を、感じるようになった。

結婚だけでなく、キャリアでも悩みは尽きない。1社目を1年で退職し、フリーランスを経て、今の会社に入社したのだが(このキャリアから迷走している様子が窺える)、「本当にこの仕事でいいのだろうか」「もしかしたら他に天職があるかも」と、常に考えている。

自分で未来を切り開いていかなければならないのは十分承知だが、それでもどれが進むべき道なのかわからない…。(というか、みんなよくしっかり選んで進んでいるなと思う)「結婚」「キャリア」を考えるだけで、ネガティブな感情が湧き出てしまう…。

そんな時に出会ったのが、『そろそろいい歳というけれど』。

本書は、「結婚」「出産」「キャリア」など、アラサー女子に降りかかってくる様々な壁への考え方を提案している。誰かに伝えたくなる文章というより、自分の心にそっとしまっておきたくなるような言葉がたくさんあった。

中でも、自分がビビッときた箇所を紹介したい。

新しい人と出会うのが面倒くさくなっている私へ

“運命の“とまでは言わないが、お互いの欠点まで愛おしいと思えるような、自分にしっくりくるパートナーがいれば最高だなとは思う。

だけどその相手をいざ探すとなると(出会う〜会話する〜共通点を見つける〜仲良くなる、までの過程を想像すると)、億劫になってしまう。

そんな私に刺さった言葉が、下記である。

人の顔つきは誰を前にするかで変わる。人の言葉は、その先にいる相手と通い合わせて初めて温度を持つ。

ピンとこない、何か足りない、と感じていても、相手との相互作用を繰り返していると自然と二人の交わる座標に気づくことがある。
ジェラシーくるみ『そろそろいい歳というけれど』p44〜45

身も心も疲れるけど、それでも面倒くさがらず飛び出した先に、人生を変えるような出会いがあるのかもしれない。これは、恋愛に限らず。

1人の時間が大好きで満喫していたけれど、誰かとの時間も増やしてみようと思えた。

まだ「何か」を目指している私へ

心身ともに辛くて1社目は1年で退職。その後フリーランスでライター業を開始し、社会人3年目のタイミングで現在の会社に入社する。

どのポイントでも、何度も悩んで決断を下している。後悔は全くしてないけれど、それでもこの道でいいのか、もっと他に輝ける場所はあるんじゃないかと悩み、焦る日々だ。

焦る理由は、貴重な20代という期間にタイムリミットがあるから。後悔しないよう、最適な選択をしなければ…と、生き急ぐ私を落ち着かせてくれたのが、下記文章だ。

日々の仕事や雑事をこなし、自分の「ちょうどいい」を更新していく。

どうせ人生の計画なんて頓挫と立て直しの連続なんだから、自分で設定した小さなチャレンジにくらい誠実でありたいよね。
ジェラシーくるみ『そろそろいい歳というけれど』p183

たしかに、綿密に計画したところで、うまく行くとは限らない(私も、To do リストを作るのが好きで、守るのが苦手)。これまでの人生を振り返っても、なんとかなっているのだから大丈夫だろう。

大きな目標ではなくまずは小さな目標を設定して、直向きに、しかし頑張りすぎず歩んでいきたい。

友達と一緒に成長できない寂しさを感じている私へ

友達から結婚や同棲、出産の報告を聞くと、めでたい一方で寂しい感情もある。

寂しいのは、遊ぶ時間が減るのもあるが、それだけではない。高校、大学、社会人と同じタイミングで進み、喜びや痛みをともに経験して「大人」になった私たちだが、結婚や出産の場合は、同じタイミングで進むことは不可能だ。

できれば、同時に結婚や出産など、これまでの人生で経験したことない課題に立ち向かって、一緒に喜びやしんどさを分かち合いたかった。

こんな私の気持ちをまさに、

私たち女性の間でライフステージの違いにより分断が生まれるのは、幸せではなく互いの苦しみを共有できなくなったからだ
ジェラシーくるみ『そろそろいい歳というけれど』p160

と的確に表現してくれている。

一方で、本の中ではとある定説にも触れている。

「でも、女友達は人生のどこかでまた合流する」
ジェラシーくるみ『そろそろいい歳というけれど』p151

実際自分の母も、生き方が異なる幼馴染4人との関係はずっと続いていて、楽しそうだ。次は一緒にユーミンのライブに行く予定を立てている。

自分も、友達とはこんな風に合流したい。

岸に置き去りにされた私へ

本書を読んで1番に感じたのは、25歳になってから突如やってきたキャリアや結婚の悩みは、「私だけ抱いているわけではない」ということ。

特に友人との会話を通して生じるモヤモヤは、当然友人に相談できない。そのため1人で悩みがちだったのだが、「クオーターライフクライシス」という名前がついているほど、多くの人も同様に感じている心理的不安と知って、肩の力が抜けた。

30歳になるまで、そして30歳になってからも悩みは尽きないだろう。悩みがあるのは当然として、無視せず向き合っていきたい。その際はきっと『そろそろいい歳というけれど』で出会った言葉たちが味方になってくれるはずだ。

引用:ジェラシーくるみ『そろそろいい歳というけれど』

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