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シュリナガル②

シュリナガルは大都会で、交通量が多くラダックの田舎からおりてきたら、おっかなびっくりです。

しかも、6車線でも信号が全くない! 
みんな車の切れ目を狙ってささっと渡ったり、手で車を遮りながらひょいひょいと素晴らしい感覚で渡っていく。これは、インドにきて本当にびっくりしたことで、私たちみたいに信号任せの生活ではない...ぼーっと青になるのを待っているような国ではないです。どこで渡ればうまく渡れるか、道ひとつ渡るにも考えないといけない。あと、すんごい、けたたましいクラクションの嵐。危険なときに鳴らすのがクラクション...なのではない。自分はここに居ますっていう意思表示なのが、インド流のクラクション。
日本で生きるために使う賢さとは違って、いろんなことをよく感じ取って行動しなければいけません。

インド人は、道を歩くにも車を運転するにも、感覚が重要です。
へらへらしゃべっているリキシャのおじさんだって、信号なしの道で込んでいる車線にがんがん頭を突っ込む。日本ではまずあり得ない入り方。向こうもそれなりのスピードで来ているのになぜか事故にならない。これが本当に不思議なんです。運転がうまいというよりも、勘がいいんだと思う...全般的に。

生きるための五感が良くてタフ。悪いことはあまり長く考えない。みんなが幸せであろうとします。
どんなにぼったくっていても、『ハッピーかい?』と聞かれたりします。『なわけないでしょ!』ってなるんだけど、なかなかおもしろい人たちだなぁ..なんて怒る気がなくなってきたりもします。
こんなに人口の多い国で生きていると、自然にいろんな問題が起こりやすい。なので、みなさん悪いこともたくさん起こりますが、流し方も大変上手。勉強になります。

と、まずはシュリナガルの観光案内所を目指す。
がんばって着いたのに、どうもあまり親切ではなく....。周辺の地図を買って出る。
地球の歩き方にも載っていない所なので、どこがどうなっているのかさっぱり..。
都会で街も大きいので、歩いてみてもいまひとつ良さが感じられない。

ちょっと途方に暮れて、路肩の店のへりのところで一休みしていたら、
なんか怪しい人に声をかけられる。
自称、ユニークなガイドさん。ちょっと欧米人っぽい顔立ちなので、インド人と最初は思わなかった。
でも、バリバリの地元民でいらっしゃった。

わたしが、シュリナガルの良さが分からないと言うと、シュリナガルの魅力が集まっているのは、この辺ではないとのこと。旧市街に行かないと、美しさは分からないらしい。
そうだよね、、こんなだとは思ってなかったんだもん。

この方より、「自分がシュリナガルの魅力を教える!」と猛烈なプッシュを受けるのだけど、わたしはガイドを雇うお金もなくって、この人を信用していいのかもよく分からない....でも、この広いシュリナガルを短期間で自力でこじ開けるのも結構大変かもしれないと、一応明日待ち合わせで旧市街の1日ツアーを頼んでみた。
わたしは、古いモスクが見たかったので、モスクを中心に廻ってもらいたかった。彼のガイドはすべて歩き。車は一切使わない。その方が地元の人の様子がよく分かるかららしい。
わたしもそういうタイプなので、その方法に異論はなかった。

この方も、えらく『HAPPY』に関して真摯な人らしく、わたしがお金がないというと、『お金は君がわたしのガイドに満足してくれたら、あなたがそれに値段をつけてくれればいい』ということ。
こういうの、結構めんどくさい。はじめから値段があった方がやりやすい。まぁ、このあたりがインドらしいといえば、そうなんだけども。。
その日も、旧市街ではないけど、地元の人たちが普段使っているマーケットに連れて行ってくれた。
こういうのが、大好きなんですよね。。彼のお友達もたくさんいて、その人たちと話しているとまぁとんでもなく悪い人間ではないことは、なんとなく分かった。友達を見ると、だいたいはその人が分かるようなものなので。

次の日、わたしは体調不良になってしまい、たくさん歩くことができなくなってしまった。
なので、その日はシュリナガルの博物館で1日を過ごすことにした。
待ち合わせ場所に行って、ガイドさんにそのことを伝えると博物館までの道順をなんと文章でわたしの大事なメモ帳を2ページも使って書きまくる。地図でいいって言ってるのに...この人、やっぱりちょっと変わってる...。まぁ、自称「ユニークなガイド」さんなのでね...。

博物館には、カシミールの伝統的な文様の布がたくさん展示されていた。
街の中の布屋さんでチラチラ見てるけど、こういういいものにはなかなか出会えない。
昔のデザインが一番シンプルですばらしいのに、それを引き継ぐことをなぜしないんだろう?
博物館の人にも聞いてみるけど、あまり的確な答えは得ることができなかった。

博物館の帰りに、ちょっとマーケットに寄ってみると、スィク教のおじさんのお店でチキンを発見。
わぁ~~~~
何週間ぶりのお肉!


スィク教の方々を見るとなぜかホッとするものがある

スィクの方々は宗教上、必ず頭にはターバン&おひげもどっさり。
みんな体格がどっしりしていて、7人の小人みたいでかわいい。

ビルヤー二っていうチキン入りのピラフみたいなものを作ってもらった。

インドで出会うと必ずいただいたビルヤー二(チキンたっぷり!)

ハウスボートに帰ると、なんだか子どもたちがわたしを待っていた様子。
どうやら、家のテレビが壊れてみたい番組が観れないらしい。生き残っているテレビはわたしの部屋だけらしくて、ちょっとだけ観せてほしいとのお願いモード。
子どもたちにせがまれては、なんとなく断り辛いし、家族とも仲良くなりたかったのでOKした。

わたしはベッドで日記なんかを書きながら、子どもたち3人はテレビの前の床に座って、お喋りしながら見てた。そしたら、ここの次男のお嫁さんらしき人がノック。普通、こういうときは、『ごめんなさいね、、子どもたちが迷惑かけて...』と謝るのが成人した大人の役目なのだけど、ここはインド。そんなんじゃない。
『わたしも観たいんだけど...いい?』ときた。
ん.....まぁ、、どうぞ。というしかないよね。。
4人は、ドラマに熱中。

わたしは、インターネットをしたかったので、居間のパソコンのところに貴重品を持って出ることにしたけど、パソコンの調子が悪く、ネットは繋がらなかった。
その最中に、叔父さんらしき人が子どもたちになんか言って怒っていた。
あー、注意したんだな...まぁ普通常識ある大人だったら、そうだろう。みたいに思っていたら、それはなんと叔父さんと子どもたちとのチャンネル争いだったらしくて、子どもたちはチャンネルを取られて猛烈に怒っているし、っていうかおじさん出てってよ!
と、わたしも言う。

ありえないだろう。お客のお部屋のテレビでチャンネル争いをする宿の家族..

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