イライラ解消プロジェクト

【基本の記事】なぜイライラするの?

こんにちは。「元気な心と体のあなた」のプロデューサー武衛鮎(ぶえあゆ)です。この連載では、毎回日常の中でどうしてもイライラしてしまうような具体的な事例を1つ取り上げて、それを「体を整える」ことから解消していく方法をご紹介します。事例として取り上げるのは、コンテンツ制作チーム「未来の仕事屋」さんのお仕事小説『生活残業クロニクル』の主人公木田有希ちゃんのイライラです。

※この連載は1回ごとの読み切りです。また『生活残業クロニクル』本編をお読みいただいていない方にも内容がわかるようになっています。

今日はまず、具体的な事例の解消方法をご紹介する前に、そもそも「なぜイライラするのか?」ということと、「なぜ体を整えることでそれを解消できるのか?」ということについて、お話ししたいと思います。


●私たちは「層」になっている!?

ケーキって「層を楽しむデザート」だとよく言われますよね。クリームやスポンジやジャムが何層にも重なり合っていて、それをいっぺんに口の中に入れるといろいろな味がして美味しい。。。例えばこれを、最初に外側のチョコの層を全部きれいに剥がして食べて、次に内側のクリームの層を剥がして食べて、さらに内側のジャムの層を……と食べている人はいないと思うんです(笑)でも、私たちはそんなことをしなくても「ケーキは層からできている」と知っています。

いきなりケーキの話から始まって「ん?」となった方もいるかもしれませんが、実はこんなふうに自分自身を「層で観る」という視点をもち合わせていることがイライラを解消していくためには非常に重要なことなんです。

これは東洋医学の概念でもありますが、「人」としての全体像を捉えることで、症状を点で捉えるのではなく、いろいろな角度から観察(問診)することから始める、というものなんです。

説明01

少し専門的な話になりますが、この図のように、一番深い根っこの部分を「本証」といい、表面的な部分を「標証」といいます。つまり、根っこの部分である「本証」で起こっていることが原因となって、そこから「イライラ」はぷかぷかと表面に浮いて出てきているようなものなんです。

こんなふうに、「イライラ」もそうですが「のぼせ」「むくみ」「冷え」など「標証」の部分にあらわれることを、その表面だけをとらえるのではなく「層」として観ることができるようになると、心に余裕が生まれたり、結果何をしたらいいのか柔軟に対応できたりする、ということなんです。

ポイント01


●心と体はつながっている

自分自身を「層」として観ることができるようになると、さらにもう一歩踏み込んで、「心と体はすべてつながっている」ということが理解できるようになっていきます。そのために私が次にお話ししたいのが、ヨガの考え方の1つにある「湖の例え」です。

湖の表面というのは、風や雨などの様々な外界からの影響によって波立っていたり水が濁っていたりします。そして、波が大きく水が濁ると、湖の底は見えにくく視界が不明瞭な状態になりますよね。でも、外界がどんなに荒ても、湖の表面が大きく波立ってどんなに濁っていても、湖の底は変わらず静かなはずなんです。

この外界からの影響のことを「ストレッサー」とよび、湖の表面に起こる波(さざ波)を「自分の心(感情・五感覚・思考)の揺れ動き」と捉えます。そして、湖の底にあたるのが「本来の自己」です。

説明02

ヨガでは、ポーズをとる(集中する)ことや呼吸をすることによって、湖表面に起こるさざ波が静まり水の濁りがクリアになることで、湖の底にある「本来の自己」が見えやすくなります。客観的に「自分」と「外界」の関係性を見られるようになって、外界の変化にも落ち着いて対応できるようになるのです。

ここで質問です。

休日はどのように過ごしていますか? おそらく大半の方は、趣味や家族と過ごしたりスポーツで汗を流したりと、好きなことや心地よいと感じることを優先して過ごされているのではないでしょうか。そのときの選択、行動は前提としてリラックスしている状態でしょう。

その際、「私はリラックスをどこで感じているのか?」「何を感じてリラックスとしているのか?」ご自身で感じる時間を作ってみてください。

状況や環境から「リラックス」を得るベクトルをカラダの内側から捉えてみると、内側に感じる「リラックス」を広げることで得られる穏やかさは、決して環境因子だけが条件ではないことがわかるはずです。

ポイント02


●何が起こっても大丈夫な自分を作る

私たちは日々、さまざまなストレスにさらされています。仕事でのプレッシャー、職場や家庭での人間関係、将来や社会に対する不満や不安など、ある意味これらを避けて通ることはできません。外界からの影響を自分で自由にコントロールすることはできないのです。

でも、そういったことが要因で起こる「イライラ」する気持ちは、先ほど説明したように、実は自分の中からぷかぷかと浮かび上がってくるものなのです。そして、たとえ外界がどんなに荒れようとも、湖の底にある「本来の自己」はそれによってころころと変わったりはしません。

外界からの影響による反応は、人それぞれ違います。「あの人の場合はこうだったらしい」とか「あの人がこう言ってたから」とか、他人のケースが必ずしも自分に当てはまるわけではありません。そんな状況の中で大切なことは「自己理解を深めること」なんです。自分は何に幸せを感じていて、本来望んでいることはなんなのか。あなたにとってストレスとは?リラックスとは?なんですか?

自己理解が深まっている状態の人は、他者との関係性も非常に良好になるものです。もし今、周囲の人と人間関係がうまくいかない、と悩んでいるならば、それは相手をよく理解していないからではなく、自分自身の理解を深めるチャンス!かもしれません。

今回お話しした、自分を「層」として観ることができるようになったり、心と体がつながっていることを知ったりすることは、他でもない「自己理解を深めること」につながっています。そしてそれが、日々の「イライラ解消」への第一歩になります。


ぜひ、心の状態や体の症状を部分だけで捉えるのではなく、点から線、面から層へと立体的に観察してみることから始めてみてください。きっと自分をより深く知るきっかけとなると思います。

それをこれから一緒に見ていきましょう。


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武衛鮎
鍼灸按摩マッサージ指圧師・コーチングコンサルティング/インド政府機関BSS認定パンチャカルマセラピスト取得/アロマセラピスト/個人・アスリート・企業向けヨガインストラクター/『元気な心と体のあなた』をプロデュースする情報を発信しています。
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