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磐座を訪ねて

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磐座(いわくら)とは、神道において神が宿る石とされ、現在も神域として全国各地で祀られており、信仰の対象となっている。磐座は、古くは神道成立以前のアニミズムから、神は山・樹木・石な… もっと読む
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石峰山石神社~山岳修験の霊場にある磐座~

石峰山石神社~山岳修験の霊場にある磐座~

平安時代中期の延長5(927)年に成立した『延喜式』巻九・十には、当時「官社」に指定されていた全国の神社(2861社、祀られる神の数3132座)が記載されており、巻九・十は神名帳と呼ばれている。

この『延喜式』神名帳に記載された神社は、延喜式の内に記載された神社ということで、「延喜式内社」または「式内社」と呼ばれ、神社の格を示す社格となっている。

今回紹介する石峰山石神社(いしみねやまいそのじ

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鹿島大神宮~天然記念物の磐座~

鹿島大神宮~天然記念物の磐座~

福島県郡山市西田町にある鹿島大神宮。ここには、国指定天然記念物になっている磐座がある。

社伝によると、天応元(781)年に大伴安積連丸古部古佐美が常陸国(現在の茨城県)の鹿島神宮を勧請したことに始まるという。

また、境内にはペグマタイト鉱石の岩脈があり、古来から磐座として信仰されていたと考えられている。

駐車場は「ペグマタイト岩脈駐車場」として整備されている。

杉の巨木がそびえる石段の先に

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日枝神社

日枝神社

今回は、磐座が祀られているという、福島県郡山市西田町にある日枝神社を訪ねた。

日枝神社は山王山頂上近くに鎮座している。

社伝によると、延暦10(791)年、坂上田村麻呂による東征の際、藤原氏若狭太郎という京都北西の武士が守護神である日吉権現を負いて従軍し、東奥を平定した。その後、田村麻呂は帰朝したが、若狭太郎はこの地に土着し、延暦19(800)年に山王山に守護神を安置し、岩神社山王大権現と崇め

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三ツ石神社~鬼の手形残る巨石~

三ツ石神社~鬼の手形残る巨石~

岩手県盛岡市にある三ツ石神社には、岩手県の名の由来にもなった、鬼の手形が残る3つの大岩がある。また、三ツ石神社は、盛岡の伝統芸能である、さんさ踊りの発祥伝説の地でもある。

かつてこの地方に羅刹という鬼が住んでいて、付近の住民を悩まし、旅人をおどして困らせていた。そこで、人々は三ツ石の神にお祈りをして鬼を捕えてもらい、境内にある巨大な三ツ石に縛り付けたという。

鬼は、二度と悪さをしないし、また二

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