やすらひのあさ

やすらひの朝

いつもより
すこしばかりおそく目を覚ます

空は曇天で

おはようを
ひとり
誰に向けるでもなく
言い訳がわりに
世界に向け
全方位に
そっと
投げやりのように

でも
すっと背を伸ばし
わたしはつぶやくのだ

隣にいた
あなたやきみという二人称の
人という物体を考えながら


それからもう一度

ひとりわたしに向けて
おはようを
ぼそりつぶやくのではなく
噛み締めながら
喉元に詰まった
こみあげる
得体の知れぬ気持ちや
秘密と一緒に
吐き出した

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