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変化を恐れずに時代の「今」に対応することの重要性

「人材」ではなく「人財」であることを認知せよ

 人件費は経費にあらず。市場における認知は進んだものの、旧態依然として人件費をただの「経費=コスト」としてしか認識していない経営者もまだまだ多いようである。確かにコストという側面も理解できる。ただそれ以上に、人件費は単なるコストではなく、人に対する「投資」であり、「付加価値創造の源泉」であるという認識を持つことが必要である、と私は考える。世間のトレンドは常に変化を遂げている。この変化に乗り遅れてしまえば、旧態依然とした古い会社は、やがて時代の流れから取り残され、企業競争力が削がれていき、淘汰されていくだろう。
 どんなに優れた経営理念を掲げたとしても、人件費をただのコストであるとして抑えるだけによる労働生産性の維持・改善を施策として打ち出しているような会社経営では、人は育たない。同時にまた、付加価値創造といったクリエイティブな業務を生み出すための十分なモチベーションも、もたらされない。単なる「人材」ではなく、「人財」であるということを理解しなければ、転職市場が激しい流動性を持つようになった近況において、企業にとって優秀な人財はどんどん流出していくだろう。
 貴重な人財が流出していく状況が悩みであるならば、そこには経営者が人件費を単なる経費としてしか見ていない認識があるのではないだろうか?そのままの状態であれば、何度新しい人材を迎えれたとしても、その人材は育たない。付加価値創造も起こらない。場合によってはまた流出が繰り返されるだけになるのは、想像に難しくない。

「人は感情を有する生き物」であることを理解せよ

 人間は感情を有する生き物であり、そこにはココロが存在する。心の存在に目を向ける必要がある。いくら正論を振りかざしても、「言い方」ひとつで全く受け入れられないこともある。「やり方」ひとつで誹謗中傷の対象になることもある。それに対し、「言い方」ひとつで大きな共感を得ることもある。「やり方」ひとつで大きな団結力を発揮することもある。
 人の感情の存在を上手く味方につけ、モチベーションを引き出そう。エピソード×共感×理論の掛算によって、人の心を上手に惹きつけよう。

感情と共感を利用して、同じベクトルで利潤追求せよ

 人の感情に訴え、メンバーの共感を得、経営者と従業員が「同じベクトル」で、歩みを進めることができれば、その事業基盤は確固たるものになる。経営理念はトップダウンで押しつけるものではなく、ボトムアップで突き上げるものでもない。その企業における精神的支柱となり、決断に迷った時の判断材料になるべきものであり、拠り所となるものでなければならない。トップダウンによる経営理念は、理念ではなく、ただの洗脳である。そこに全員の共感がなくては、ただの机上の空論であり、難しい局面を迎えたときの支えとはならない。
 もし同じ企業で働く者の中に、経営理念に違和感を感じている人がいる場合は、その人ではなく、その企業理念そのものに問題があるという視点で、もう一度理念の共有について見直してみる必要があるのではないだろうか?

企業は人の集合体であり、理念に共感するメンバーが集う組織体である

 この集団を束ねる結束力が、経営理念の存在価値である。人の集合体である企業を強固なものにしていくには、そこで働く者の共感を得るものでなければならない。人件費をただの経費として見なすのではなく、人件費はその集合体を構成する人に対する投資であり、新たな付加価値を創造する原動力となるものであるという認識が必要である。トップのカリスマ性だけを頼りにしていては、本当の意味での組織としてのアウトプットは生み出せない。

 The Price to Pay(支払うべき代償)。本質的な対価としての人件費を思い切って支払うことのできる人事制度・組織風土を提唱したい。人は、その人の長所を最大限に活かし、その人の短所を最大限に補うために、「組織」を形成する。その支柱が「経営理念」であり、同時にまた、集ってくれた人財に対する「対価であり投資」となるのが「人件費」である。単なる経費としての人件費という認識では、このグローバルに流動している優秀な人的資源を獲得することは難しい。企業における付加価値創造と人財育成のために、投資としての人件費を「支払うべき対価」として認識することが、企業価値を高めることにつながり、人財の獲得と定着につながるのだというマインドを以って、強い組織を作り上げていきたい。


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