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伏見稲荷大社に"赤"を求めて
富士フイルムのデジタルカメラ、X-T10を購入してから約半年がたちました。
その色の良さについては、もちろん分かったうえで購入を決めたわけですが、使い込んでみて改めてその良さを実感してきました。
最近はとりわけ"「赤」がイイよなぁ〜"と思うようになりました。
「ローパスレスのカメラなんだから色再現性がいいに決まってるじゃないか。何をいまさら。しかも赤だけでなく青もだ。さらに...」な〜んて、技術に詳しい人には言われちゃいそうですが(笑)
シネマカメラの営業マンを生業にしていますから、そのあたりについての知識はまぁありますよ。でもあえて論より素直な心の声に流されて、もっとこのカメラの「赤」を試したくなり....辿り着いたのは京都・伏見稲荷大社、というわけです。
ここは日本でいちばん「赤」の多い史跡名勝かもしれませんね(笑)人混みを避けるため、日の出とともに訪問してみました。
写真はすべてRAW収録、Lightroom でProviaをあてたあと、露出調整し、赤だけを自分の記憶(理想?)に近い色になるように、時間にして1〜2分だけイジりました。
なかなか言葉では表現しにくいのですが、たとえば暗くて彩度の高い「赤」でも、素直に調整できる感じがスゴイ。
日本の伝統色である「朱色」もこのとおり。「オレンジ」とは微妙に違う、難しい色ですが、自然に再現できます。
Proviaはシャドウに青がのります。暗部ではなく、一定の(?)シャドウ域にだけ出てくるこのブルーは僕の大好物なのですが、独特な青みを保ったまま、赤は赤で制御できます。赤をしっとりと写す、まさにフジマジックだなぁ(笑)
夜更けの雨の湿り気を残す「赤」。
邪気を寄せ付けないための神聖な色です。
そうそう、この「赤」。現場の空気の湿り気や匂いまでが蘇る。いやぁ正直、ひとりぼっちで怖かった(笑)
太陽が昇るにつれて「赤」の湿り気が乾いていきます。
神社がすっかり光につつまれる頃には、邪を阻む「赤」から、人々を広く迎える「赤」に変わっていました。
いかかでしたでしょうか。
フルサイズ一眼レフからAPS-Cミラーレスへ、いわばダウングレードしたかたちでしたが、今回の試みで、とても良い選択だったと確信することができました。
デジタルカメラの進化は明らかに一つの転換期を迎えています。
カタログスペックの数値では表せない、"感覚"で評価する時代がすでに訪れているように思うのです。
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