ポジションについて

各チーム15人という大人数でプレーするラグビーには、多くのポジションがある。各ポジションの基本的な役割と特長を説明する。

●フォワードは前線でチームを支え、後方のバックスが牽引する。
 ラグビーには15のポジションがある。ラグビーには、大きく分けてフォワード(FW)とバックス(BK)という2つのポジションがある。フィールドで複数のプレーヤーによって行われる他の競技と比べると特殊だが、ラグビーのFWはゴールラインに近い位置でプレーするポジションながら、あまり目立たない。サッカーやバスケットボールのFWとは異なり、地味な部分でチームを支えることが主な役割になる。
 一方BKの役割は、グラウンド後方に位置しながらゲームをコントロールし、チームをリードすることである。ゴールから遠いポジションの選手がチームを引っ張るのは、「ボールを後方へしかパスできない」というラグビーの特性からくる特徴といえるだろう。
 トライをたくさん挙げたり、得点王争いをするような選手のほとんどはBK。一方FWは、常に前線で体を張ってチームを下支えする役割を担う。これがほかの競技ともっとも異なる部分である。

●力自慢のフロントロー。空中戦に強いロック。バックローは万能型
 最前線でスクラムを組むフロントローは力自慢の選手ぞろい。FWの中でもポジションは3段階に分かれる。最前列でスクラムを組み、もっとも縁の下の力持ち的な存在となるのが、左右のプロップ(PR/背番号1、3番)とフッカー(HO/同2番)の「フロントロー」と呼ばれる選手たちである。
 フロントローの後方でスクラムを押し込み、密集戦の核となるのは、ロック(LO/4、5番)の2人。LOはスクラムを組む際、2列目に位置するため、「セカンドロー」とも呼ばれる。そして最後列でスクラムを支えるのは、左右のフランカー(FL/6、7番)とナンバーエイト(NO8/8番)という「バックロー」の3人。この合計8人によって、FWは構成される。
 一般的にフロントローの3人は、体重の重い選手が務めるポジションである。がっしりした体型で、FWの中でも特にパワーのある選手が揃っている。LOは長身選手が務めることの多いポジションで、ラインアウトやキックオフキャッチなど、空中戦でボールを確保することも大きな役割となる。
 バックローはFWの中でもっとも運動量が必要なポジションであり、攻守にバランスのとれた能力を求められる。全般にオールマイティーな選手が多いが、バックローは3人いるので、組み合わせによってトータルで能力を考えることができる。そのため、小さくても低いプレーが得意だったり、体が細くても走力があったり……というスペシャルな特長を持った選手が活躍できるポジションでもある。

●センターがおもしろいとゲームもワクワクする
BKも大きく分けて3つのポジションがある。ひとつ目はスクラムハーフ(SH/9番)とスタンドオフ(SO/10番)で構成するハーフバック(HB)団である。
 小さくて俊敏な選手が務めることの多いSHは、FWが密集戦で確保したボールを、優れたパス能力を生かしてBKに供給する存在である。一方SOは、SHからパスアウトされたボールを受け、パスやキック、ランなど状況に応じてプレーを選択する。攻める方向や攻め方を決めるポジションであるため、「司令塔」と表現されることもあり、この位置に登用される選手がゲームリーダーを務めることがよくある。状況判断力に優れ、パスやキック、ランなど様々なスキルが求められるポジションである。
 次に、グラウンドの中央でプレーするのが、センター・スリークウォーターバック(CTB/12、13番)である。CTBはBKの中でもっともコンタクト数が多いポジションになる。そのため大きな選手を起用するチームもあれば、体は小さくても突破するスキルの高い選手を起用するチームもある。
 CTBは体の大きさうんぬんより、常に周囲とコミュニケーションをとりながら動くことが求められ、FWのバックローとともにもっともチームの目指すスタイルが表れやすいポジションである。そのため、CTBにおもしろい選手がいるチームは、見ていてワクワクするチームといえる。

●スピード自慢揃いのバックスリー。フルバックのゲームコントロール力にも注目
 最後はウイング(WTB/11、14番)、フルバック(FB/15番)のバックスリー。この3人はチームの中でもっとも足の速い選手であることが多く、たいていはグラウンドの端にいて、ボールを持って走ることを使命としている。ただ最近は、ここも3人のユニットとしてバランスを考えることが多く、ウイングのひとりはスピードのある人、もうひとりは力強い人を置く、というようなケースも増えている。

●フルバックは最後の砦。攻守に冷静さが求められる
 FBはまさに最後の砦で、基本的にFBより後ろには選手がいない。ボールを後ろに逸らせば誰もカバーする選手はいないし、ディフェンス時にタックルを外されればほぼトライされてしまう。したがってFBはもっとも冷静に試合を観察しながらプレーし、ゲームコントローラーであるSOに指示をしたり、FWを動かしたりする力が求められる。
 サッカーのゴールキーパー同様、ボールを持ったりタックルしたりする回数は少ないが、ゲームに与える影響は非常に大きいポジションといえる。FBがプレー、精神両面で安定しているチームは、多くの場合パフォーマンスも安定している。FBが声を出して指示をしている姿に注目すると、そのチームがきちんと機能できているかどうかがわかる。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
君の夢が叶うのは誰かのおかげじゃないぜ。
8
吉瀬 晋太郎(きちぜ しんたろう)昭和60年8月21日生まれ 浮羽中学校→浮羽高校→京都産業大学→住友林業株式会社→京都教育大学・滋賀大学・佛教大学・京都産業大学(科目等履修生)→春日高校→浮羽究真館高校
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。