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節分「け」と「き」の思想

こんにちは。橘吉次たちばなきちじです。
もうすぐ節分!
節分の奥にある深ーい日本思想について考えてみたよ!


節分って何?その①


2023年2月4日(土)は立春です。
だから、その前日2月3日(金)が節分。
冬が終わって春に変わる節目の日だね。

豆まくぞー!
「鬼は―外!福はー内!」

日本は推古天皇すいこてんのうの御代(西暦604年)から明治5年まで、ずーっと太陰太陽暦でやってきた。
この太陰太陽暦の節目が立春・立夏・立秋・立冬だから、節分は年に4回ある。
なのに、なんで立春の前日のみが国民的行事になったのか?

これ2つの理由がある。

ひとつは、新年だから(当たり前すぎてすまない)
平安時代の宮中では「年の替わりに邪気を祓う」っていう思想があって、
追儺の祀ついなのまつりっていう祭祀をやっていた。
これは中国由来の陰陽道に基づくものらしいのだが、この宮中祭祀が民間行事とぐちゃぐちゃになって、今の豆まいて鬼(邪気)を追い祓う節分になったみたいだね。

平安時代は、疫病は鬼が運んでくるものと考えられていた。
その鬼は、丑寅うしとらの方角からやってくる…これが鬼門きもんだね。
ちなみに、この丑寅《うしとら》を茶化してビジュアル化したのが、牛の角を生やして寅のパンツをはいている鬼。
このイメージが定着してるけど、昔の鬼はパンツなんてはいてないからね。

『春日権現験記』より ふんどしの鬼

更に、朝廷があった京都からみた|丑寅《うしとら》の方角は東北。
平安時代、東北には宮中の公家たちを震撼させた蝦夷えみしの国があった。
平安時代の朝廷が最も恐れたもの。
疫病&蝦夷えみし=鬼だぁー!鬼が来るぞー!
という図式があって、その鬼を追い払う祭祀が追儺の祀ついなのまつり
国家主催のウィルス蔓延防止対策と異文化排除プロモーションが節分の豆まきだったのよ。

だから、鬼という魔物を追い出すために豆をまく
まめ=っするということらしい

ところが、節分において「鬼は内」と、鬼を招き入れるという風習も多く残っているのだ。鬼を鬼神として畏怖・畏敬する文化。
代表格は、奈良県吉野の金峰山寺、天河弁財天、かの有名な大本教。

「鬼」とは何か?
鬼の歴史は古く深く複雑で、調べ始めれば底なし沼に落ちること必須。
だから今回は追及するのはやめよーっと。
はい、鬼は外ー。バイバイ。


節分って何?その②


何故、春の節分だけが国民的イベントになったのか?
もうひとつの理由は、すーっごい古い日本人の伝統精神っちゅうか、自然哲学というか…。
先祖代々受け継がれてきた自然エネルギーを受信する、日本人の感性がビリビリする節目だからなんだよね。

冬とは「ゆ」という意味なんよ。
何が増えるのかというと、これ「タマ」が増えるのよ。
タマは魂のこと。
生命エネルギーの根幹をなすものが「タマ」ですね。
で、このタマがジワジワ増殖する冬が終わって、今度はタマがバシバシそのエネルギーを張り巡らしていくのが春。

春とは「る」です。

立春の節分とはただ季節が変わる節目ではなくて、生命エネルギーの質が変わる日なんだよね
だから巷のスピリチュアル系の人々が、わぁわぁ色々発信するのです。
「波動が変わるぞー」ということで…。
まあ、スピは横に置いて…ちょっと昔の日本の冬を想像してみて欲しい。

樹々は葉を落とし、動物たちは眠りに入り、
稲作も農作もいったんお休み。大地は鎮まる。
人々は外出せず、秋に収穫した食料を食べながら家で内職をする。
シーンと静かな生命活動停止の季節が冬だ。

でも、大地の下では生命エネルギーの源泉である「タマ」がジワジワと増えている。
この「大地の下」を日本人は、根堅州国ねのかたすくにと呼んだ。
根堅州国ねのかたすくにとは、この世ではないあちらの世界のことですね。

あちらの世界でジワジワ増殖していた「タマ」が、一斉に動き出してこの世に顕れてくる。
潜伏していたエネルギーが放出され始める。
これが春です。

あちらの世界にいるご先祖の御霊みたまが、あたらしいタマを授けにこの世にいらっしゃる。
これが歳神としがみ様で、新しいタマがお年玉。

山に止まっていたご先祖の御霊みたまが、山からエネルギーを運んできて田んぼの神様になる。
この神様に五穀豊穣を祈る。
これが、祈年祭としごいのまつりの始まりだね。

あっ、祈年祭としごいのまつりってわかんないよね。
ちょっと説明しよう。


「け」と「き」の思想


祈年祭としごいのまつりは「きねんさい」って読むことが多いけど、「としこいのまつり」と読むと意味がわかる。
「とし」って稲のことなんね。
つまり、稲がスクスク育って豊作になることを乞い願うお祀りのことなんですよ。

伊勢神宮祈年祭

昔は食べ物のことを「け」と言った。
今でもお味噌汁のことを「おみおつけ」というが、この「け」

伊勢神宮外宮に祀られる豊受大御神とようけのおおかみは、天照大神のお食事を司る神様だよね。
この「とようけ」の「け」

食べ物を司る神様は御饌都神みけつかみといわれるけど、この「みけつかみ」の「け」

これ全部食べ物を意味する「け」です。

で、「け」とは「き」と同意なのです。
「気」という漢字は「け」とも「き」とも読む。
元気、やる気、気力、気配、気色ばむ、気高い…

つまり、「け」=食べ物=エネルギー=タマ=「き」=「気」
という訳で、これらぜーんぶをひっくるめたものが、その様相を変える時期が立春。
だから、立春前の節分は重要なんよ。

これが「け」と「き」の思想。

ねー、日本人ってホントに「生きる」という生活そのものが、精神性に直結している民族なんだよねー。

まあ、こんな思想知らなくても、立春の頃になると何故か心がザワザワしたり、ワクワクしたり、食欲が旺盛になったりする人は多いと思う。
これは、もう日本人のDNAにしみ込んだ精神なんだよね。

ということで、
今回は節分について、ちょっと真面目に書いてみました。
では。


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