見出し画像

その4 日本の神様って大勢いすぎて訳がわかりません…問題#➋

こんにちは!吉次(きちじ)です。

「神社好きだけど、神道ってよくわからない…」という方に向けて、
神道のいろはをお伝えするシリーズです。

前回に、引き続き大勢いらっしゃる神々を整理してわかりやすくいたしましょう!のテーマでお話いたします。
前回は問題解決にいたらず、かえってわからなくなったよ…
というブーイングが起こりそうでしたので、
今回は「神道事典」に則してご説明申し上げます。


前回その3復習


前回、神々を8つに分類いたしました。

① 自然神  = 海・山・太陽など自然物を神としたもの
② 神話の神 = 古事記・日本書紀に登場する神
③ 祖先が神 = 一族(氏)の創始者や古代地域のリーダー
④ 人間が神 = 偉人や人間とは思えないパワーがあった人
⑤ 生活神  = 人間の生活を守ってくれるような神
⑥ 眷属神  = 偉大な神のお使い
⑦ 動物神  = 動物が神様(もしくは神の異姿)
⑧ 人間が発見する神

神道辞典では、上記の
①と⑥と⑦ → 自然神
③と④と⑤ → 文化神
と大別しておりますね。

じゃあ、②神話の神は?

はい、神話に登場する神々は自然神と文化神にまたがっておりますので、
今回は別枠でご説明申し上げます。


古事記と日本書紀



神話といえば「古事記」と「日本書紀」です。

古事記のほうが物語性に優れているので、神話=古事記と思う方も多いことでしょう。
で、日本書紀は神話というよりも歴史書に近いと…。

でも、どちらも神話であり、歴史書でもあるって考え方が最近多いように思います。

・古事記は、物語ではなく歴史的事実が記載されている
・日本書紀は、各地(各豪族)の伝説逸話を網羅した物語集である
っていう解釈もあるのです。

で、ここで押さえておきたいのは、
古事記と日本書紀は違う物語であるっていうこと。

古事記と日本書紀って「記紀」とまとめられちゃうから
同じ物語を、
古事記は和語を漢字で表現する方法で書かれていて、日本書紀は全漢文でか書かれている。
つまり、表現方法が違うだけ…と思っている人多いけど、これは違う。

まあ、大体のストーリーは同じだけど、細部は違うとこがいっぱいあるのよ。
更に日本書紀には、一書あるふみと呼ばれる異伝が記載されている
これは<本伝はこーだけど、別にこーゆー話もあるんだよ>という外伝紹介なのね。

だから、日本神話は確固たる一つの物語ではなくて、沢山枝分かれしている様々な物語体系なんだと理解したほうがいい。
まあ、神話ってそんなもんだよね。


天津神あまつかみ国津神くにつかみ


前置きが長くなっちまったが、
この物語体系である日本神話に登場する神々を、大きく2つに分けることができる。

それが、天津神と国津神

天津神と国津神を合わせて
天神地祇てんしんちぎといいます。
天神=天津神
地祇=国津神
なのね。

天津神っていうのは、高天原たかまがはらという神々の世界にいる神のこと。この天津神が地上に降りてくるんだよね。

一方、天津神が地上に降りてくる以前、既に地上に存在した神々を国津神と呼びます。
地上とは、葦原中国あしはらのなかつくに
日本国土のことですね。



この高天原と葦原中国。
つまり天と地が初めてできた時に存在した神々を別天神ことあまつかみと古事記では言っている。
つまり、天地の始まりから存在したスーパーな神様だね。
この日本の最初の最初。
一番最初の神様が古事記と日本書紀で違うのよ…。

古事記=天之御中主神あめのみなかぬしのかみ・|高御産巣日神《たかみむすひのかみ》・|神御産巣日神《かみむすひのかみ》
この三柱みはしらの神々を造化三神ぞうかさんしんといいます

日本書紀=国常立尊くにとこたちのみこと

もう、最初っから違うんだけど、
この天地開闢てんちかいびゃくの時に成れる神々は、
古事記も日本書紀も人の姿をしておりません。

生命エネルギーの総体!というような抽象的な神々です。


天孫降臨てんそんこうりん


で、この高天原の天津神の中で最も尊いとされた神が
天照大神あまてらすおおみかみです。

天照大神のお孫さんが、地上に降りてきたのですね。
これを天孫降臨と言います。
地上に降りた孫(瓊瓊杵尊ににぎのみこと)は、国津神の娘と結婚します。
この血筋に初代天皇が生まれるのです。


脱線小話


ここで、ちょっと脱線するけど…
天津神とは、海を渡ってやってきた豪族一族のこと
国津神とは、天津神が渡来する以前から日本にいた土着の豪族たち
という解釈がある。

もっと乱暴に言っちゃえば
天津神=弥生文明をもたらした渡来一族
国津神=縄文文化を残す土着の豪族で弥生文化にシフトした人々
ということだ。

この説は、学術的には認められていないけど、
「まあ、そうだったんだろうなぁ」と思わせるぐらいの根拠はある説だ。

弥生文化に迎合せずに、
縄文文化を貫いた一族は、九州南部や東北方面に追いやられて行って、やがて蝦夷えみし土蜘蛛つちぐも熊襲くまそなどと蔑まれて討伐されていった。

宮崎駿の『もののけ姫』に登場するアシタカの一族も、東北に逃れた縄文の民だ。
一族の長、ひい様は古代の卜占ぼくせんをつかうシャーマンだね

「もののけ姫」のひいさま



人代の神 人が神


一般的に神話とされているのは、
古事記・日本書紀の「神代」の部分。

初代天皇の神武天皇以降は人代とされております。

でも、人代以降に登場する天皇やその一族で神様となった人物はうじゃうじゃ(失礼)いらっしゃいます。

有名どころでは、
日本武尊やまとたけるのみこと =関東地方の多くの神社の御祭神
応神天皇おうじんてんのう=|誉田別尊《ほんだわけのみこと》の名で全国の八幡信仰の御祭神

このようにですね、
神道では、神と人の境目ははっきりしていないのですね。

神話の神様は「実在したんじゃないの?」と思わせるほど非常に人間的に描かれておりますし、
実在した歴史上の人物が神と崇められ祀られています。

人物的描写がなく、抽象的概念としての「神」は天地開闢の時の神だけです。
ところが、この天地開闢のスーパーな神々を祀っている神社って意外とすくないのよね。
超レアなのですよ。
ここがまた、神道の面白くてメンド―くさいところなんだよなぁー。

まっそのあたりも、おいおいご説明もうしあげます。

本日はここまで。

ちょっと整理できましかね?

では。


ー-- 神主が贈る生れ変わり塾「きちじ講」公式LINEー--

お友達になってね!

twitter フォローしてくれるととても嬉しい!

最後までお読みいただきありがとうございました。

















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?