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【稽古場レポート】中村蓉単独公演『fマクベス』


2023年9月22日(金)~24日(日)に上演される中村蓉単独公演『fマクベス』の開幕まで残すところあと1週間ちょっと。舞台の上ならジャンルを問わず、国内、海外を縦横無尽に飛び回る中村蓉さん。シェイクスピアの『マクベス』を題材とした本作の、とある日の稽古場にお邪魔しました。

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ウォーミングアップが終了し、創作をスタートする。それは『とあるもの』が登場するパドドゥ。『とあるもの』が何かは劇場で観てのお楽しみです。

出演者の池上さんが持つこのタオルが『とあるもの』の化身です

振付がない状態でまずは、制限がある中でどんな動きができるのか、自由に動いて見つけていきます。この制限は『とあるもの』によっても発生しますが、中村さんからリクエストして、胴体や手足など身体のパーツごとに注意、注目を向けることによっても発生します。

それによって生まれた偶然の動きを取りこぼさないように、何度か繰り返していきます。繰り返していく内に新たに発見し、動きの輪郭ははっきりして、明確に捉えることが可能になります。そして新たな振り、次の振りに繫がっていくのです。こうして探究していくそれぞれのことを「可能性の獣達」と呼んでいました。大胆に、かつ本能的に動きを展開していく彼女たちに獣という言葉は合っているかもしれません。

獣というにはあまりにチャーミングな中村さんですが!

このシーンは映画監督 アンドレイ・タルコフスキー の作品からイメージを膨らませているのだとか。どんなデュエットとなるのでしょうか。

お次はクライマックスシーン。今回のタイトルとなっている「f」をヒントに振付を考えていきます。はじめは「f」を記号的に捉えていましたが、稽古場で新たな発見がありました。それぞれの言葉には、それぞれの意味がある。つまりその言葉ごとに個性があるはずなのです。それから「f」から始まるそれぞれの言葉からイメージされた振付にシフトチェンジしていきました。

その振付はあくまでも、それぞれの言葉を文字として書く様に、二次元的に、という意識の元、振付を進めていきます。しかし、言葉を書くということは文章になるということです。文章を書く、ということは、この作品においては物語を書くということになります。さらにそこに物語が書かれているなら、登場する者たちのことが描かれているでしょう。言葉、文章、物語、人々とそのスケールは大きく、その上、詳細になっていきます。これを踊るのは、正直とても技量がいるのではないかと思います。

しかし、これは確かに、中村蓉さんだからこそ描くことができる世界である。そして、『マクベス』から一歩足を踏み出した『fマクベス』なのである。と私は考えます。この作品はどこの国の人が観ても、『マクベス』だ、と言える作品になるでしょう。使っている言語は関係ないです。普段舞踊作品観ないし、とかも関係ないです。この作品が日本で、吉祥寺シアターで上演されることが嬉しいです。是非観ていただきたいです。

踊り、記録し、踊る。

普段、舞踊作品を観る人も観ない人も。そもそも劇場に来る習慣がない人も。シェイクスピアを、『マクベス』を知る人も知らない人も。大人でも子どもでも。きっと楽しんでいただける作品になります。たった3日間の公演です。まだチケットも購入可能です。(各公演、前日16時まで受け付けております)

ご来場お待ちしております。

後半はちょっともう、推しを語るような語り口になってしまいましたね。(劇場としても、もちろん推し作品の一つです!)以上、稽古場レポートでした!

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中村蓉単独公演『fマクベス』

2023年9月22-24日 吉祥寺シアター

出演:中村蓉 池上たっくん 山田暁
山田ゆう子 LINDA 武井琴 大澤寧音 中川友里江

2023年 9月22日19:30
9月23日14:00/18:00
9月24日14:00

詳細はこちら↓
https://www.musashino.or.jp/k_theatre/1002050/1003231/1005067.html

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中村蓉×栗原一浩(吉祥寺シアター支配人)
対談動画も公開中 (随時更新中)

その1~好きな食べ物~
https://youtu.be/TqNjPH8yxa8

その2~あなたはどんな人~
https://youtu.be/Hc9T8Hn7X_g

その3~音楽とお芝居とダンス~
https://youtu.be/KoXP_xf5XYU

その4~マクベスという演目~
https://youtu.be/yPmkcO8TEQk


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