オリンピックのいりょく

外の寒さも吹き飛ぶ瞬間、自分のなかにも熱気を感じた。そして2018年平昌オリンピック開催中に書いた。リビングルームで洗濯物をたたむのとパーティー衣装の縫いのあいだに競技をテレビ観戦しながら感極まりおもわず涙目になった。

女子ハーフパイプで金メダルを獲得したクロエ・キム。彼女は韓国系アメリカ人のスノーボーダー。米国に移民としてきた彼女の両親と共にインタビューに答えていた。今回の冬期オリンピックはピョンチャン。「私はふたつの国を代表している気がする。」と答えていたのに好感が持てた。

この人に「プレッシャー」というものは果たしてあるのかと思わせてしまう展開となった。迫る演技力に圧巻。決勝一本目から高得点93.75。まずは一位で突破した。そのの得点を上回った98.25の最終得点。スピードも落とさず1080度の回転技も連続で披露した。リスク覚悟のポジティブさ。なにもかも脱ぎ捨てた滑りは確固たる意志そのものに映った。


その後に観た競技はは、男子スケルトン。優勝者したのはユン・ソンビン。練習を積み重ねてきた彼のホームグラウンドがコースだった。地元を舞台にたくさん声援が反響していた。そのヤル気マックスになる環境下、毎回一位で通過。四回戦でも50秒02のトラック新記録も叩き出した。初のメダル、それも金メダルを韓国にもたらした。彼の最速の滑りも人々に勇気を与えた。国民的ヒーローが誕生するその瞬間を観た。


どうしてオリンピックとは希望の念をもたらすのか。画面上で観ているだけなのに。体育会系でもないワタシへも来る。競技のなかで人が限界に挑戦するときの純度。モノ凄い緊張感と集中力が熱館に変換されて伝わってきて、こちらも興奮した。

主役はけっして入賞した選手たちだけではない。大いに期待されながら脱落した選手からも同じような体感をした。超越的な精神と鍛え抜いた肉体はものがたってくる。そこへ訪れたチャンスによって運命が決められていく。間接的にでも、その瞬間に立ち会うとき、おのずと改心させられるような想いがフツフツと湧いてくるのは、果してワタシだけだろうか。

人間が一度は限界と思った記録を可能にし続けるアスリートたち。彼らに感化された私は、自分が最近のパーティーで冷たく接していた3人に詫びを入れるにいたった。

48歳から人生の本編スタート。「生きる」記録の断片を書く活動みならず、ポエム、版画、パフォーマンス、ビデオ編集、家政婦業、ねこシッター、モデル、そして新しくDJや巨匠とのコラボ等、トライ&エラーしつつ多動中。応援の方どうぞ宜しくお願いいたします。