きぼうのカウンセリング制度|「ここに居ていいんだ」と思える居場所づくり
きぼうには、スタッフの生の声を聞く独自のカウンセリング制度があります。
所要時間は1人1時間。
月10名分、1年間で120名の心のケアを、プロのカウンセラー2名体制で行っています。
「大切なのは、定期的に社員の『心の体調』を聞くこと。
『今どんな気持ちで働いているのか』『辛いことはないか』など、上司や職場仲間には言いにくい心の内を、プロのカウンセラーに引き出してもらっています。
すべては、社員が安心して働き続けられる環境を整えるため。
『ここに居ていいんだ』と思える居場所をつくるためです」
そう話す社長の円市さんからは、カウンセリング制度の手応えのようなものが伝わってきました。
では、独自のカウンセリング制度とは具体的にどんなものなのか…
導入のきっかけから目指すゴールまで、円市さんに一つひとつお話ししてもらいました。
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【インタビュー/ライティング】
株式会社ストーリーテラーズ
ストーリーライター 庄子加奈子
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カウンセリング制度を始めたのは、1年前
円市:数年前、メンタルを崩して辞めていく社員が続いた時期がありました。
そういう社員に共通するのは、頑張りすぎて、毎日精一杯仕事をして、自分のことは後回しになってしまっていること。
自分がメンタルを崩していることに気づいた頃には時すでに遅し、もう仕事に向かえる気力も湧かず、心身ともに疲弊してしまっている。
とはいえ、こういうことは、一歩間違うと誰にでも起こりうることなのかもしれません。
でも、それじゃあダメだ。
「薬局や介護施設で、お客様のきぼうをつくりだす事業を展開している私たちだからこそ、一緒に頑張るスタッフのケアにも力を入れないといけない。
真面目に誠実に、仕事や周囲の人と向き合う社員を、会社側がしっかりと支えていかないと」
そう決意し、1年前からプロのカウンセラーにお願いしてカウンセリング制度を導入しました。
なぜプロにお願いするかというと「上司や同僚には言いにくいこと、相談しにくいことこそ、吸い上げることが必要だ」と感じたからです。
他人に心を見られるのが好きではない人は「困っていることは特に何もありません」と言うけれど、その頑なな心をほぐして、何でも言いやすい環境をつくっていく必要がある。
ちょっとしたことでもいいんです。
抱え込んでいる少しの不安・不満を、外に吐き出し、人に伝えることで、自分は辛かったんだと気づくことができる。
自分は疲れているんだ、辛い気持ちを抱えているんだ、と自身のことを理解することで、外へ助けを求めることもできるし、しっかりと休息を取ることもできます。
人は機械ではありません。
結局最後には、メンタルがモノを言う生き物です。
心理的安全性という言葉があるように、何でも話せる環境をつくり「ここに居てもいいんだ」「ここに居たら安心だ」と思える体制をつくるため、私たちは力を尽くしています。
もう二度とメンタルダウンしている人を見たくないから
円市:真面目な人ほど、頑張り過ぎてしまう。
責任感が強く、仕事を背負い過ぎてしまう。
そんな人たちに伝えたい。
頑張り過ぎなくていいんだよ。
常に残尿感があるくらいが、ちょうどいいんだよ、と(笑)。
残尿感と言うと語弊があるかもしれないけれど、つまりは「息抜きも大切だ」ということです。
仕事で結果を出すことは大切ですが、かといって全ての仕事を完璧にこなすことに頑なになる必要はない。
60の力でもいいので、楽しく、自分らしく、長く仕事を続けていくことが大切なんだと伝えたいです。
またカンセリング制度とはまた別に、健康増進手当として毎月3000円を支給することにしました。
社会人になって毎日忙しく仕事をしていると、自分自身への配慮やケアを怠ってしまう。
仕事と家の往復で気づいたら疲労困憊…なんてことにならないよう、自分の健康にも気を使ってほしいという気持ちを込めた3000円です。
スポーツジムなどに充てる費用として支給しますが、自分のために時間を使って、自分と向き合うことも大切にしてほしいという気持ちもあります。
『会社の利益は社員にしっかり還元したい』
という会社側の意図が伝わり、「社長が社員の健康を考えて、福利厚生を整えてくれるのが伝わるから嬉しい」と言ってくれる社員もいます。
嬉しいですね。
そうやって一人でも多くの社員が、安心して仕事を続けられるようにできればいいなと思っています。
一人ひとりの声を拾うためのカウンセリング
円市:せっかく育った社員が退職し、また採用し、現場でイチからその社員を育てて…という状態が繰り返されると、どの現場も落ち着ついて良い仕事ができません。
そうならないためにも、社員にはまずは、自分の心を大事にしてほしい。
そして会社としては、自分を大切にしながら、ずっとここで働き続けていられる環境を整えていきたい。
安心して働ける土台ができることで、社員にも良い意味での手の抜き方、気の抜き方を覚えてもらえたら嬉しいですね。
ここで働く社員一人ひとりに『ここに居ていいんだ』と思える場所を提供するために、この先も、このカウンセリング制度を続けていきたいと思っています。
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庄子:もう二度とメンタルを病んで辞めていく人を見たくない。その想いで、社員のメンタルサポートに力を入れる円市さん。この一年間でカウンセリング制度の成果もしっかり出ているようで、安心していると笑顔で語る姿が印象的でした。
今後も定期的に、円市さんの深い想いや「きぼう」を身近に感じて頂けるようなストーリーをお届けしてまいります。次回は、現場のスタッフさんのインタビューを予定しています。
ぜひ、次回の更新もお楽しみに!
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