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人間50歳も近づいてくれば、ちったぁ洗練されて精度が上がるかと思いきや……[エッセイ]

そんなことはなかったね。

え? ああ、タイトルに書いたことですよ。

不惑(40歳)をこえて、いよいよ、人としての練度が最高潮になるのが50歳頃かなぁ、と思っていたのだが。

実際には、先週から今日にかけてミスの連発。
スケジュールの見通しが甘くて、終わるものが終わらず。
そうしているうちに、ずっと先に回避させておいた別の締切もすぐ前まできてしまい、複数が玉突き状態になる……というのは、まあ、割とよくあることだが、ミスはなぁ。。。

いや、それもミスというべきものなのか、なんともいえないが。
単純なケアレスミスとか、やるべきことを落としていたとかいうようなミスというよりも、最近、多いなと感じるのが人と組んでやっているときに、こちらが相方さんの意図をまったく汲めていなかったり、説明したつもりだったり、どう考えても解ってくれているだろうと思っていたことがまったく通じていなかったりという意思疎通における行き違いが原因によるリテイクが多いのが気になっている。

精度の最高潮どころか、ピークを迎える前に、もう衰えが下山し始めているのかもなぁ。
それと、どうにも、オイラのコミュ力が低下しているっぽい気配がすごく感じられる。
世間ズレもしてきたのかも?

実際、この夏は出版社とか編プロ、その他、同業のライターさんとすら、直接会って、しょうもない打ち合わせやおしゃべりで長い時間を無下にすごす機会などほとんどなかったから。

この無下で長い時間おしゃべることが、コミュ力を維持するためのトレーニングになってきたし、世間ズレしないで済む命綱だったんだよな。

ほら、オイラ独身でしょ?
しかも、基本オタクだし。
家には80歳を越えた両親しかないないから、話といえば、政治と孫(オイラにとっては甥っ子)、あとは昔の話くらいに話題が限られてしまうので。
放っておくと、都会に生息していながらどんどん世間から離れていってしまう。まずいよね。

キャバクラとか行かなきゃだめか?
いや、そんなお金あるわけがなし。

今日のミスもそうだった。
俯瞰的に考えたら、オイラが途中で気づいて方向修正すべきことだった、、、というか、途中ではなく、最初から本来進むべき方向性として間違っていたことに気づかないことが、おかしなことだった。
もうあと1時間くらいでデザインに出しそうだった状態まで来てたもんなぁ。
これがいわゆる「焼きが回った」ということなんだろうか。。。。
複数の案件が重なってしまったから、かなりパニックだったとはいえ、最初に戻ると、もうあと半年で50歳になる身なんだから、落ち着いて、鮮やかに処理したいよなぁ。

そもそも、このところ、一発でお役御免とか全然ないぞ。
リライトとか、もうひとモミとかばかり。
だから、余計にスケジュールが詰まってくるわけで、昔、オイラが思い浮かべていた50歳の精度とは程遠いよ、トホホホ。

もっとも、会社組織とかにいて、細かいことや、ガーッと力入れて踏ん張らなくてはならないことは若い部下などに託し、責任だけはしっかり背負ってディレクションで飯を食うような人生は、若い頃に自ら放棄してすべてを自分でやるような道を選んでしまったわけだから。

その意味では、ライターってプロ野球選手とか職人とかと同じなんだよね。
つまり、怠けていたらなまってくる。
一生食えるかもしれないけど、一生精進しつづけなくてはならんのだ。
実をいうと、編集者はもっと大変で、最終的な細かいところへの目回しをして、何が何でもミステイクをしないよう精度を上げていく必要がある役割が求められる。
だから、大雑把が基本で、自分が興味ないことについては細かいことにあまりこだわらない性分のオイラは、苦痛になって徐々に離れてしまっているのだけれどもね。

まあ、もっとも、オイラ自身のことをいえば、業種というくくりにこだわるつもりはないから、気づいたら編集者どころか、ライターとも程遠いことをしている人になっていても構わないとは思っているのだけど、とりあえず、もうしばらくは見た目上もライターであり続けるだろうから、年齢なりに味のある文章が書ける人になるべく鍛錬をつづけなきゃなぁ。

そして、今後は選択を強いられることになる。
ひとつは、どうにかして停滞している気配のコミュ力を底上げして、今のような仕事でなんとか生き残っていけるように続けるか?
あるいは、報酬を貰えればなんでも良いとし、アメーバのように自分の業態の形を変えて、あくまでストレスレスで気持のいい状態を維持することを優先しながら生き残っていくようにするのか?

気持ちが弱いときは、どうしても後者に流れがちだよね。
今がそう。
でも、もう少し、フラットな精神状態のときに考えたら、また違う心境が出てくることもあるだろうから、しばらく検討かな。

ついさっき、自分の取り違えた仕事のミスに対して
「あー、オレ、なんでこんな考え足らずな発想でズレた方向で進めちゃったかなぁ。せっかく、ようやく乗ってきて、上がる直前まで踏ん張ったことが無駄になっちまった……」
という、反省と落胆の念がMAXになったことで、つい弱気になって今後の進むべき方向について考えてしまったよ。

そんな残暑キビシー黄昏どきでございました。

リライト、本日までに完了して、明日の取材、普通に行けるだろうか?
いや、行けなかったら、色々ともっとヤバい。
脳みそがすでにシューシューしていてオーバーヒート直前になっているけれども、なんとかクールダウンして、頑張りませう~!

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