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(13/100)「バカだねぇ」が褒め言葉になるオトナになりたかった 『人生の諸問題 五十路越え』を読む

エッセイスト・社会評論家で、「この人の文章はすごい」と思う人が二人います。

一人は大塚英志さん。彼はサブカルやオタク文化の評論家というイメージが強いですが、他の評論家と違いベースに民俗学的思考があるため視座がスルドイ。筑波大学で柳田國男の孫弟子だったことが財産となっている文章です。

もうひとりは小田嶋隆さん。いつも本質を意識した文章を書き、説得力が在る。世の中が気づいていないようなことを、さらっとエッセイにしてしまったりします。

今回は、その小田嶋隆さんと電通のCMプランナー岡義道さんの対談。雑誌に掲載されてきたものをまとめた一冊です。

実は小田嶋隆さんと岡義道さんは、小石川高校の同級生。そしてふたりとも早稲田大学に進学しているという幼なじみでもあります。

高校、大学時代のエピソードも「てっきり東大に行けるものだと思っってた」ばりの、高偏差値トーク全開です。

高偏差値トークなのに、内容はどこかくだらない(失礼

まじめな話ししているのに、傍で聞いているとバカっぽい。

それ、理想ですねぇ。

そういえば、「バカだねぇ」って言われる大人になりたかったなぁ、なんてこと思い出しましたよ。バカだねぇと言われるには、地頭がよくないとなれなかったんですね。

そして、ウィットに富んだ小田嶋さんと感性の鋭い岡さんの会話は、思わずクスクス笑っちゃうことも。

 バブル期のビジネスモデルを、バブルの来る前に、ユーミンが一人で作っちゃったというのはある。
小田嶋 一人電通みたいな人だったでしょう。
(中略)
 だいたい、まず、車持ってないとだめじゃないですか、ユーミンの歌だと。
小田嶋 そうそう。だからどんどんハードル上げていったのは、あの人ですよ。笑うにしても、横顔で笑わないといけないんですか?みたいなものあったでしょう。『埠頭を渡る風(1978)
 しかも右側だよ、右の横顔。
小田嶋 だって左ハンドルですからね。
(91ページ引用)

雑誌の対談をまとめただけあって、全体的にとっても気軽にサクッと読めました。

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