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作り手の本気度が伝わる!単なる予約販売ではない「未達成のプロジェクトを支援する」クラウドファンディングの楽しみ方

今、個人的にとても気になっているプロジェクトが2つあります。共通点は「どちらも未達成のプロジェクト」であること。

誰でも簡単にコード伴奏ができてしまう!
ピアノもギターも弾けなくても大丈夫

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一つ目はインスタコードという、新しい楽器。Kibidangoを良く見ていてくださっている方であればご存知の方も多いのではないかと思いますが、何よりもワクワクドキドキするのは、プロジェクトオーナーの永田さんの本気度の高さです。
インスタコード開発者・永田さんの活動報告(6/27)

この試作機の製造には約1000万円かかっています。
「え!?1000万円も!?」と驚く人もいますが、製造のことを少しでも知っている人なら「え!?たった1000万円で出来たの!?」と驚かれます。

とはいえ、1000万円という金額は私のような庶民にやすやすと出せる金額ではありません。

もともとローンを組んで住んでいた東京のマンションを売って静岡の賃貸に引っ越し、車も燃費の悪いミニバンから中古の軽自動車に乗り換え、生命保険も一部切り崩し・・・・色々と工面して開発資金に充てました。

どうですかこの本気感、半端ではありません。

先日永田さんがオフィスに遊びに来ていただいたときに、試作機を触らせていただいたのですが、めちゃめちゃ楽しい!今週女性シンガーソングライターのあえかさんという方が、このインスタコードの試作機を使ってライブ配信をされているのを観たのですが、その中で「本当はずっとお借りしてもっと上手く演奏したいんだけど、明日返さなきゃいけないんですよ〜」と話されていたのが非常に印象的でした。そう、一度触るとずっと使い続けたくなってしまう。良いモノには何かそういう禁断症状がでるような要素がある気がします。

こちらのプロジェクト、もう4,150万円以上も支援が集まっているのですが、なんとまだ未達成なんです。このプロジェクトの目標金額は5,000万円なので、さらに850万円集まらないとプロジェクトは実現しません。厳しいようですが、最小ロットを製造するのに必要な金額は6,000万円、ご自身で1,000万円を負担された上で残りの金額をクラウドファンディングを通じて集めようとされています。

無事プロジェクト達成のあかつきにも、そこから完成・デリバリーまでには1年という長い期間を要します。でも、永田さんであれば、それまでの時間も支援した人たちをきっとワクワクさせてくれるに違いないと思うのです。

めちゃめちゃ音が良いのに
インテリアに「溶けて消える」スピーカー


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そして2つ目のプロジェクトはHogtalare(ホーグタラレ)というイスラエルのメーカーが作るスピーカー。何がすごいって、その音がすごいんです。アンプを内蔵しているので、Bluetoothもしくはミニオーディオプラグでつなげるだけで、非常に良い音がする。最初オフィスにサンプルが届いた時には単なる大きなスピーカー?と思っていたのですが出てくる音を聴いて「え、何これどういうこと?」とちょっと普通ではない音の良さにびっくりしてしまいました。

このスピーカーの開発責任者をしていたイスラエル人のオムリさん。このHogtalareを知る前から全く別件でお会いしていたこともあり、音の良さの秘密を探るためにお話を聞いてみたところ、それはそれは面白い話が聞けました。

伝統的なスピーカーとしての設計と音響的な構造。永年にわたって熟成されている技術を使った、基本に忠実な設計。バスレフ構造もその一つだし、ドライバーユニットも大型の高品質なものを使っていて、他のスピーカーにありがちな音響補正やデジタル音質補正で物理的な制約を解決するなどのことは一切していません。

普通のスピーカーは、音のいびつな部分をデジタル補正=お化粧をすることによって隠しているとのことですが、それを一切していないとか。自撮り写真もフィルター全盛の今のご時世ですが、そんな中、あえてスッピンの音で勝負しようとする姿勢に心を打たれました。

開発者インタビューで分かった、シンプルなスピーカーから響く音が驚くほど高音質な理由

あまりにも面白くて、今度はメーカーの社長にもお話を聞いてしまいました。そうしたらさらに面白い話が。

社長にまで話を聞いてしまいました!社員の音へのこだわりが生んだ、スペックからはわからないコスト度外視の高音質とは?

名前は大人の事情で出せないそうなのですが、このメーカーの作るドライバーユニット(スピーカーに使われている、丸い形の音を出す部品のことです)、なんと2つで5,000万円以上する超高級スピーカーにも使われているとか。その技術を惜しみなく生かして、手の届く値段でどんなインテリアにも「溶け込む」、存在感を消せる本格派スピーカー。

「社内の声を反映してどんどん部品のクオリティを上げていったら原価がめちゃめちゃ上がってしまったものの、自社の看板を傷つけないためにはどうしてもHiFiとしての音質を保つためにコスト度外視で本当に自分たちが良いと思えるものを作った」という社長の言葉には説得力がありました。

そしてこちらも、まだまだプロジェクトの達成には至っていません。この素晴らしい音を楽しむためには、皆でお金を出して支援をする必要があります。先ほどのインスタコードほどではないのですが、こちらも目標金額は600万円と、決して低くありません。それもそのはず。日本でこの商品を販売するためには技術適合認証(通称「技適」)と呼ばれる認証を得る必要があり、それに必要なコストを確保するためにはこの金額が必要となってしまうのです。「目標の達成にかかわらず、商品はお届けする」とか「10個支援が集まれば達成する」というような安易なプロジェクトは残念ながらKibidangoにはありません。

集まらなかった時には、プロジェクトも実現されず、皆様のお手元に商品が届くことはない(その場合には課金されることももちろんありません)。今はサンプルもお出かけ中で聴くことができないのですが、1日も早く自分で手に入れて、ずっと聴いていたいという中毒症状が既に出ている始末です。

クラウドファンディングの楽しみ方の一つに「まだ達成していないプロジェクトを支援する」というのがあります。とりあえず達成するかどうかはわからないけど、自分も支援を通じて「一枚噛んでみる」。うまくいけば決済されてプロジェクトが実現するし、そうでなければ残念だけど他の方法でのプロジェクト実現を願う。現在進行中の、未達成のプロジェクトだからこそ味わうことのできる価値なのではないかと思うのですが、どうでしょう?

まつざき

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