見出し画像

創業から1年のスタートアップのCEOが、今思うことを書き付ける

どうも和田です。GOGENのCEOです。
ちょうど1年前の1月31日に会社を辞め、2月1日にGOGENという会社をつくり、そしてこの度めでたく1年が経ちました。

折角なので、この1年の振り返りと、今とこれからの自分と会社について、記録を残しておこうと思う。
「皆に感謝!Love & Piisu」はクソ思ってるけど、何回も出てきてもウザいだけだと思うので、特に書いてませんが死ぬほど思ってます以上。


ぶっちゃけ、うまくいっているの?

いつも、よく聞かれるのは、「調子どう?」「順調?」という質問。
大抵は「絶不調ではないです」と答えるようにしてる。
なかなか難しい問いなんやけど、これがある意味本心。

やっているとわかるけど「好調」なんてものはスタートアップに絶対的に存在しない。それを認めてしまったら油断が生まれるという緊張感もあるが、実際のところ確かに存在していない。

外から見ていると、好調に見えるかもしれない。決して良くはない調達環境のなかでありがたい評価をいただけているし、例えば大手と言われる事業規模の会社からのサービス導入や業務提携なども実現できている。極めて優秀なメンバーが集まってきている。
一方で、これらは何れもこれから会社が成長していくための「最低限のピース」に過ぎないし、「だから何?」レベルの話でもある。

近々の黒字化を目指してはいないが売上は確り伸ばしていかないといけない。仲間もまだまだ足りない。社外パートナーの力をもっと借りないとやりたいことはフン詰まる。そもそも時間がない。時間がない。時間がない。やりたいことの3割もできてない。常に緊急事態。優先順位設定と取捨選択の毎日。で、正解は1年後。お金も足りないように思われる。でもお金は日々外に出ていく。
これのどこが「好調」ですか?それどころか「普通」でもないよ。

それでも「絶不調ではない」と言えるのはありがたいことで、2年目に向けて希望が見えているのは成果。これからうまくいく可能性が確かに存在している、という状態。期待はしてもらっていいかな。で、来年もきっと同じことを言っている。言えることが目標。

あと、この先どこかで「絶不調」的なパートはやってくるはずで、そのときに「このメンバーとならきっと乗り越えることができそうだ」と思えていることが、1年目の最大の「うまくいったこと」だと思ってる。


個人としては、どうよ?

所謂「経営者」「代表」「CEO」と言われる存在になって、これも1年が経つわけなんやけど、何か偉くなった気がするとか、力が増した気がするとか、そんなのは全然ない。

一つ言えるのは、やっぱ格段に頭を使うよね。

毎日考えることが存在することはとても素晴らしいこと。経営は無数のシミュレーションと一つしか選べない意思決定の繰り返し。シミュレーションをするための情報収集と時間確保、そこに頭の回転数の掛け算、これをどれだけできるかが勝負を分けると思ってる。
もともと考えることは好きだけど、頭が休まる暇は無い。プライベート関係なく頭が回ってる。組織・人・採用・事業・具体的な案件、いろんな「考えるべきこと」が次から次へと押し寄せる。

「経営視点」と言われる視座にどれだけ至っているのか、については反省もあり、仕方がない部分もあり、まあ難しい。
敢えて「事業視点」に振っているところもある。それが今の会社の舵取りに必要なことだという考えのもとに。でもそのさじ加減、それ自体難しいし、理由や背景をメンバーとシンクしていくことの大事さも日々学んでいる。
そう、だからもっと難しいのは自分の頭の中を言語化して表現することかな。特に会社員人生、マネジメント経験はまあそこまで無いわけ。経営だって初めてやしね。そういったところ全般で、もっと「経営者として」成長せなあかんな、とはめちゃくちゃ思ってる。

変わったかなと思う他の点は健康管理かな。少しは食べるものとか、運動に気を使うようになった。一番「代えの効かない存在」のはず。運動することも仕事だと思ってる。

仲間、メンバー、株主、応援してくださる方々、これが本当に力になる。人間、誰もがサボりたくなる。手を抜きたくなる。僕だってそう。
でも「自分の今の行動を見てその人達は喜んでくれるか?応援したいと思い続けられるか?」と考えれば、しんどい時も力が湧いてくる。たとえサボるとしても堂々とサボれる。意味のあるサボりは時に心身にとって大切だから。

なので、こういった期待を背負い、人から見られるポジションになれたのは、幸せなことなのかもしれないな、と。
実際そこから生まれる力で、限界を超えたり、一踏ん張りできることがある。それが自分でも予想できなかった結果を生むことに繋がる。
そういう意味では、起業して、経営者になって、良かったなと心から思う。


そんな中、会社としては2年目を迎えるこのタイミングでMISSIONとVALUEを決めることができた。折角なので、ちょっと紹介させてください。


「実現したい未来」MISSION

あたらしいやり方で、人々によりよい不動産を

一見すると、GOGENは不動産事業者のサポート役ではないか、不動産屋のDXの為に事業を行っているのでは?とも見える。特に電子契約サービスとかはそう捉えられがち。

これ、違います。この機会にはっきり言うと、GOGENは不動産業界におけるエンドユーザーの方を向いてビジネスをやる、そこの体験を良くして社会の価値観をアップデートしていきたい会社です。

僕たちは、人生において住まいがもたらす影響はとても大きく、特に不動産を売買するという行為は人に代えがたい体験と幸福をもたらすと思っている。
モノを所有したいという欲望とその道のりへの期待、所有後の満ち足りた気持ちや自身のものとして自由に扱うことのできる楽しみ、資産として金銭的なリターンをもたらす利点、こうしたこと全ては不動産を売買して初めて手に入れることができる。

一方で、多くの人にとってあまりにも売買という選択肢や存在は遠い。
例えば、なにをしてよいかわからないという心理的不安、現金がないと買えない金銭的負荷、不透明で煩雑な購入や売却のフローが、何十年も変わることなく存在している。だから、選択肢としての賃貸不動産を否定するわけではなく、人と不動産との関係においてフラットに「売買」が存在する世界をつくりたい。

これを僕たちが提供しているサービスに照らし合わせると、レリーズは不動産事業者向け電子契約サービスやDXコンテンツではなく、エンドユーザーの購入体験やその先の不動産との接点をなめらかにしていく手段であり、ゼロテは不動産事業者の販売促進サービスではなく、エンドユーザーの金銭負担を取り除く手段であると位置づけている。


じゃあ、「あたらしいやり方で」ってのは何か?
これも一見すると「DX?」「不動産テック的な?」と思われるかもしれないけど、決してそれ一辺倒にはしたくない。なんなら「不動産テック企業」とか「IT企業」とか、できれば言われたくない。

僕がいつも思うのは「それが今できるベストのやり方なのか?」ということ。何なら本当は「あたらしいやり方」など存在してはいけないのかもしれない。常にベストなやり方を提供できていること、それが本来一番美しい。

でも現実はそうはいかない。時代は常に変わっていくけれど、事業やサービスにおいて時に変革は難しい。いつかは「あたらしくてベストだったこと」が変わらないままに放置され、本当はできるのにできていないこと、もっと良いやり方があるのに誰もつくれていないことが生まれてしまう。そこを変え続ける存在になりたい。

当然今の時代、最新でベストの体験を提供するのにITやテクノロジーは絶対に外せない。だからそういったものは僕たちのサービスに組み込まれるけど、それを使うこと自体が目的であってはいけない。「今までのあたりまえ」の中にも、人を感動させる体験の本質が含まれている。

例えば、接客含めてすべてがオンラインであるべきなのか?
紙は一切合切なくなるべきなのか?
それもきっと違う。
そもそも不動産ってのは「現物」であり、リアルな空間に一番の感動が存在する性質。

でも、面倒くさくて複雑なアナログ手続きをまたやりたいと思いますか?
大量の契約書類のほとんどは押し入れに眠っていませんか?

だから、例えばエンドユーザーと不動産事業者の交わりの中で、「どの部分」で僕らがテクノロジーを絡めた簡単でなめらかな取引体験を提供することが最も感動的な体験になるのか、それを考えてサービスをつくっているし、単にITサービスを導入してもらうことに留まらず、リアルな接点も含めた売買体験全体をつくるお手伝いまで一緒にやらせていただく、みたいなことまで、喜んでやる。


まとめると僕たちのMISSIONは、過去を尊重しながら、今実現できるベストの体験を生み出す。それを通じて不動産がもっと身近になる。よりよい不動産とともに、人々の人生の可能性が広がってていく。そんな未来を実現させることだ。


因みに、1年前に言っていたこと

僕のテーマは、不動産の流動性を上げること。もう少しわかりやすく言えば「もっと不動産を気軽に売ったり買ったりできる世界」をつくるために、サービスや商品をつくる。

趣旨は大きくは変わってないんやけども、これを「個人」ではなく「組織」として目指せる体制ができたこと、それに共感する仲間が一人また一人と集ってきていることが大きな変化。
メンバーは皆、このMISSIONが実現された時の「光景」を話せる。熱い会社でしょ?もちろん僕が一番熱く語れる自信がある。興味がある人はぜひ一度僕たちの「想い」を覗いてみてほしい。


「組織の価値観」VALUES

評価基準、採用基準、なによりも働く中で大切にする価値観、所謂バリュー。こちらも簡単に紹介を。全部で4つ。

Respect & Update 尊敬し、革新せよ
MISSIONの「あたらしいやり方」の解説とすこし被るけど、「これまで」や「今」を否定せず、寧ろ敬意を払い大切なことを守りながら、真にあるべき姿を目指して変革を目指していくことが、何よりも大切な価値感。
言い換えると「本質を捉えよう」ということで、間違っても「破壊しよう」ではないということ。

Move People 感動を呼び起こせ
相手のニーズに応える、いいものをつくる、は当たり前で、僕たちはその上を行きたい。これはつまり「感動するほどに期待を上回ったり、驚きを与えることに、プライドと意欲を持っていこう」ということ。で、これをやろうと思うと、通常の意識や準備を超えて、潜在顕在ニーズをちゃんと考えるとか、時に感覚を信じて当てに行くことが必要になる。セールスでもプロダクトでも社内でも全部そう。それぐらいやらないと、僕らがつくるものが「語源」にはなれない。

Plus α プラスアルファに挑戦せよ
これは簡単に言えば、「ワナビーウエノメン?」になるんやけど、もうちょい詳しく言えば、「挑戦しよう」「よりよいを求めよう」ということ。
個人でもチームでもそう。現状に留まらない意欲、短期的な集中、深い洞察。こういう姿勢を誰もが忘れないようにしたい。

Stay Positive ポジティブであれ
最後は、ベースとなる人間的姿勢に近い。僕流の表現で言えば「楽しもうと思わないと、人生は楽しくならない」。困難はあるけど、前向きにいようよ、そして仲間が前向きになれるよう鼓舞しようよ、ということ。そういう姿勢が組織に浸透すれば、きっとうまくいく。

って感じの4つ。ここに至るまで、中心となるメンバーで何度も議論して、自分たちが大切にしてきたこと、大切にしていきたいこと、忘れてはいけないこと、実現したい未来や対峙する業界において特に必要になると思われること、こんな仲間と働きたい、を纏めた結果がこれ。

いいなと思ってもらえると嬉しいし、これから入ってくる仲間も含めてこの価値観が確りと浸透すれば最強になれるはず。だからちゃんと掲げ続けて頑張っていきたい。


2年目に向けて

別になにもかもがうまくいった1年ではなかった。
予想外なこともたくさん起こった。マジで予想できなかったこともあった。
いつも体調が万全だったわけでもなく、会社のメンバーにも無理をさせたことも多い。

でもさ、今2年目を迎えられて、今年も面白い挑戦を続けられるから、総じて幸せ。

反省はするし、成長しないとあかんことも山程あるし、可能性の発散と、選択と集中と、無数のシミュレーションと一つしか選べない意思決定がこれからも続く。
そんな道程において、Stay Positiveな姿勢でPlus αを追求し、Respect & Updateの心を忘れずにMove Peopleする。ただそれだけ。
これまでもそうだったように、ベストな毎日を続ければ、一番良い結果が待っているはず。と思ってる。

GOGENがこれからどんなことをやっていくのか、どんなプロダクトをつくっていくのか、今あまり情報が出せていないけど、これから新プロダクトや、構想するサービスの全体像について、発信していきます。面白いアライアンスや座組もいくつか用意できている。期待していただいて、少しだけお待ちくださいませ。

というわけで今年も、1年前と同じあの言葉で締めくくろうと思う。

僕たちと一緒に、語源を創造しませんか?(絶賛採用中!

2年目も、変わらぬご指導ご鞭撻、そして応援のほど、よろしくお願いします。

Special Thanks
株主のみなさん
社員のみんな

一番最初のアライアンス先であり、電子契約サービスをつくって広げていく上で一生頭の上がらないご協力をいただいたSMBCクラウドサイン三嶋さん
プロジェクトでも大いにお世話になり、経営面でもいつも「足りなかった何か」を差し伸べてくださるアルサーガパートナーズのタイメイさん
日本初電子契約含め数々の表裏のバックアップをいただいたiYell窪田さん
閃きを呼ぶシンプルかつ真理なアドバイスをくださったbitkey寳槻さん
何か得体の知れないアラートを感じたときにいつも手を差し伸べてくれるestie平井くん

相方であり一番の理解者、佐々木COO


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?