『神田日勝』という画家の話

 おはようございます。
 こんな朝早く、しかも前回の返事もないのに立て続けのメール。迷惑だったらごめんね。

 実は寝てる最中に足がつってしまい、目が覚めてしまいました。足がつったことが長く続き、目が冴えてしまたので、昨日思ったことをお話ししたいと思いました。
 君は、北海道道東の農民画家「神田日勝」をご存じですか。
 実は私は、たまたま、若い時に車での旅行中、十勝・鹿追町の道の駅で止まった時に、隣に併設されていた「神田日勝美術館」へ本当にたまたま入ってみて、この画家の存在を知ったのでした。本当に偶然だったのだよね。
 彼の絵は生活の日常を力強いタッチで描き上げています。私の好きなオランダ初期のゴッホの作風に似ている気がして、生活の力をとても感じさせる絵でした。若くして亡くなった彼の絶筆『馬』は未完成の絵なのに、圧力を感じるぐらい圧巻だったんだよね。当時、北海道にこんな画家が居たのかと初めて見たときは衝撃を覚えました。(その後、十勝に行ったときは必ず立ち寄るようにしています。)
 私は、NHKの朝ドラが好きで、現在放送中の「なつぞら」も見ています。広瀬すずさんが演じる戦災孤児だった女性の生涯を描いている作品で、彼女が高校までは北海道十勝が舞台でした。彼女の幼馴染役で吉沢亮さんが演じている「山田天洋」。彼の元になったのが「神田日勝」と言われています。  

 昨日、その山田天洋が若くして亡くなったシーンがドラマの中で描かれていました。「神田日勝」も32歳で亡くなっているんだよね。
神田日勝の場合もそうだけど彼が亡くなったとき、北海道内では彼の絵はある程度の知名度があったんだよね。亡くなったとき彼の子供さんも小さくて、日勝の残した絵を売れば多少の生活費は得られたことと思います。
 ドラマの中でもそんなシーンが描かれていて、そのシーンの中で、天洋の奥さんはきっぱりと「絵は絶対に売らない。自分はこの地(十勝)に残って畑耕す。それが彼(山田天洋)の望み」と話すのでした。
 そのシーンをみて思い出したのが、前回お話しした、ゴッホの話。
ゴッホの絵は彼の生前一枚も売れず、画商だった弟のテオが、ゴッホの絵を保管し続け、テオの死後は彼の奥さん(ゴッホは生涯独身で親族は、テオしかいなかった)がテオが信じた兄の絵を信じ、絵を売らずに陽の目がでることを信じ続けたのでした。
 ドラマの中の話だけど、もしかしたらそんなやり取りが「神田日勝」の家族にも、ゴッホの家族にもあったのかなあ?と感じたのでした。
 事実、今でも鹿追町で「神田日勝」の作品を見ることができるのはとても幸せなことだと思うのでした。

 また、君が興味があるかもわからない話を延々と話してしまいました。ごめんなさい。でも、「神田日勝美術館」の所蔵品は見る価値がとてもあると思います。
ゴッホを見るために、オランダの「ゴッホ美術館」や「クレラー・ミュラー美術館」は遠いけど、それを考えれば、十勝はとても近いから機会があったら行ってみて下さい。

それでは また。

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