見出し画像

バンコク旅行記④(2024.2) 小さなハプニング

滞在3日目の後半です。
サティアン・タンマ・サターンを出たあと、ジム・トンプソンの家博物館に行こうということになった。
BTSのワット・プラシーマハータート駅まで短距離をタクシーで乗って、BTSで都心まで行くことにした。
タクシーに行き先をつげ車は走り出す。感じいい人。「ワット・プラシーマハータート駅ね。そこは寺の仏像が美しく〜」と勝手に講釈を始めるのでおおこれは自動的に連れてってくれるもんだと安心して乗っていた。
そうしたら運転手さんの携帯が鳴った。恋人らしかった。「今なにしてる」「運転してる」「嘘でしょ」「客乗せてるってば」と急に剣呑なやりとりがはじまり車内の空気は殺伐とし
「着いたよ」
と降ろされたのは違う駅だった。

違う駅だった! (笑) 


違う駅だった、と気づいたのは高架をずんずん上がって改札を入ったあとだった。
駅員さんに「サイアムに行きたいんですが」とたずねると、なんとかカルチャー駅行きに乗って、ピンクからグリーンに乗り換えろ、と言う。えっ? これBTSじゃないの? ピンクライン?
2日後に学習して分かったのだが、ピンクラインは、MRT(地下鉄)なのにBTSのラビットカードで乗れるのだそうだ。ラビットカードでスルっと改札を通った私は、運転手が私たちを降ろした駅はBTSのワット・プラシーマハータート駅であり、その改札に入ったのだと思い込んでいた。

では私たちは一体どこで降ろされたのか?
いま、ガイドブックやGoogleMapを開いて確かめようとしたが、分からない。

分からない(笑)。


ひとつ確かなのは、よい運転手とよい観光客の心地よい空間がたった1本の電話でぶちこわされたということだった。喧嘩中、よっぽど「ビデオに切り替えたら? 潔白を手伝ってあげますよ」と言ってあげようと思ったけど、一度それをやると次もそうしないといけなくなるのだろう。運転手は濡れ衣だったのにどこそこに7時に絶対来るようにと約束させられていた。身に覚えのある何かが彼の過去にあり、だからこそ動揺し、ぜんぜん違う駅で降ろしてしまったのだろうか。

こうした人間くささというか、想像の余白を生み出すハプニングは大好きなのです。でも今回の旅行でハプニングといえばこのくらいでした。振り返るとかなりの安全策をとりながら旅していたのだと思いました。

なんだか大回りして、ジム・トンプソンの家博物館に行く。
ちょうど日本語ガイドがある時間で、説明を聞きながらコレクションを見る。
いいですね。彼のコレクションの珍しさだけでなく、事業の背景にあるバンコクのイスラム教徒の生業などが分かり、興味深かったです。

政治的な皿。ジム・トンプソンの収集ではなくこれは後からコレクションに加えられたそうです

その後、サイアムのMango Tangoに行って休憩。
カオニャオ・マムアンが外国人でも食べやすいようになっていた。おいしー。

ちんまりとしたカオニャオ。一皿170Bくらいだったか

そうしてから、チュラーロンコン大学の書籍部に行く。
タイの人や生活を撮った写真集が欲しかったのです。店員さんに聞く。

でもこれ、というのに巡り会えない。文字が中心の、ところどころ挿絵や写真が載っている本を薦められる。ザ・写真集みたいなのが欲しかったのですが。
すごく熱心に調べてくれるので断り切れず親戚は1冊買ってしまう。だよね〜。
「タイについてのหนังสือภาพ (nǎŋsʉ̌ʉ phâap、写真の本)を探しているのですが」という言い方がよくなかったのだろうか?
帰国後、タイ語の先生にหนังสือภาพでうまく通じなかったです、と話したら、「うーんそうですか。หนังสือที่รวมรูปถ่ายかな?」と言われた。
nǎŋsʉ̌ʉ thîi ruam rûup thàay、「写真を集めた本」という言い回し。

サイアムパラゴンの紀伊國屋に行くけど、似たような感じ。
本探しは泥沼になりそうだったのであきらめる。
ホテルに戻り、近くのマッサージ店で1時間のフットマッサージを受ける。
300Bだったかな。あるいは200かも?
「300Bだったらチップは100もあれば十分だよ」と同行者に言っておいたのに、上手かったので200渡してしまう。(裏切り)
それでも今日はお金をあまり使わなかった。
明日はどこに行こうか。まる1日使える最後の日だ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?