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祝祭がやってくる

街にアイドルが来たようだ。

街に出たら通りに女の子が溢れていた。近場のアリーナでアイドルのライブがあったようだ。平日にこの街でこんな量の若い女性を見る機会はあまりないので、ただごとでなさはすぐ分かった。

駅前の名物料理の店には昼でもないのに行列ができていた。みんな大きな荷物を抱え、綺麗な格好をして、そしてなんとなく楽しそうだ。景気が良い。

どこからいらしたのかは知らないが、ひとつのイベントのために集まった数千人が街に増えるとこれだけ景気が良さそうな感じになる。これはすごいことだ。

私が以前登録していた交通機関は、大きめのコンサートがある時はお知らせのアナウンスが出ていた。周辺の交通機関や駐車場がやられる可能性が高いということ。迷惑と取る人もいるかとは思うが、私はあらあら、楽しんで……と思っていた。行きはしないけどミーハーなのでテンション上がるし。へぇ…○○が来てんだ……

嵐のコンサートに行くために北海道に行ったことがある。そのときも街はその目的の人間でごった返していた。当時私が住んでいた自治体の人口が全員集まったのと同じ計算になる。どこを見てもライブグッズのバッグを携えた歴戦の猛者ばかりである。

普段だったら街で何の感慨もなくすれ違っていたかもしれない人々に、今日だけは少しだけ、同志よ……の気持ちが加算される。微笑ましい気持ちになる。 

それに、街の方もその気でいるので、全然関係ないお土産にそれらしいアピール(メンバーカラーのリボンシールを貼るなど)がなされていたりする。ええ、買いますとも。風物詩として正しい客になろうじゃないか。

そう思うと近場のアリーナやフェスに来る客、ちょっと来訪神っぽさがある。年一ぐらいでやってきて、お金を落とし、去っていく。現代の祭事。ここ2年ぐらい控えめだったし、景気が良い話がもっとあると良いですね。


今日はここまで。ありがとうございました。

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