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着かない夢

あんまり夢を見ないタイプだ。

見ないというよりは覚えていないというのが正確なのだろうが、一度そういう睡眠の深さを測るアプリを使ってみたら睡眠そのものがやたらと深いようだったので、そんなに見ていないというのも本当なんだろう。パチンと寝てパチンと起きている。ノンレム睡眠多め。

そもそも打率が低いので、まれに覚えていられるのはだいたい悪夢だ。だるい。もっとなんかハッピーな夢を見たい。なんかみんな面白い夢の話とかしててうらやましい。

私が見る悪夢、なんか現実的なのも嫌だ。人が死んだり殺されたり襲われたり、みたいなのって全然ない。

私が見るのはたいてい「行きたい場所にたどり着けない夢」だ。例えば、会社に行かないといけないのにいくら歩いても着かない。友達と旅行に行くのに、何度も何度も忘れ物をして飛行機に遅れてしまう。学校に行こうと急いでいたら、途中で制服を着ていないのに気づく。たどり着けない理由は街が迷路になっているからだったり、忘れ物をしたりするからだったりする。その忘れ物が起きてから考えると全然いらないものだったりと、冷静になればそこまで恐怖を抱く必要はないのだが、そのときは本気で怖い。襲われる!みたいなシチュエーションはあんまり現実味がないが、遅れちゃう!みたいな感覚は日常の延長なのですごく嫌だ。

そういえば小学校の頃、道に迷いかけたことがある。1年生で入学して初めての下校の時間、先生が私の家の住所を勘違いしていて、全然違う町内の子と一緒に帰らされたのだ。それは歩いて30分以上かかる校区でも一番遠いエリアだったのだが、先生も引率しているしと、私は素直について歩いて行った。途中で、何かおかしいな、と思い始めたのだが、自信がないのでしばらくそのまま歩いて行った。

かなり歩いて全く見たことのない場所へ来て、これは絶対違うぞ!!と確信を得た私は、先生さよなら!!と叫んで逆方向へと走り出した。来た道を戻ってめちゃくちゃに走り、空き地を突っ切り、公園を突っ切り、神社を突っ切り、崖を登ってようやっと家にたどり着いた。

そのときのうわあああああああああああああという感覚、だいぶ悪夢に近いなという感じがする。連れてこられた知らない場所!知らない道!着かない家!焦り!恥ずかしさ!混乱!恐怖!あの感じの増幅なのかもしれない。

あっ、下校路のほうは、どろどろになって帰ってきた娘から話を聞いた親が学校に連絡を入れて、翌日からは正しく近所の子たちと帰れるようになりました。何だったんだアレ。実はこれも夢だったのでは?

今日はここまで。ありがとうございました。

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