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ちっぽけであれ(2023年6月19日の日記)

「後付けで説明してくるフィクション」って好きだな。

まぁ例えばですけど、宇宙人の大戦争を描いた後で、「この時に地球に逃げのびた宇宙人たちが、地球人には「人魚」として認識される怪異になったのである……」とか、「彼らの闘いは高速すぎて人間には見えないので、その被害は原因不明のガス爆発として処理されているのである……」とか、そういうやつ。

そういう、異世界的なできごとが、人間にとってはオカルトとか神話とか、もしくはありふれた現象として処理されているやつ。好きなんですよね……

サイボーグ009を読んで幼少期を過ごしてきたので、"そういうやつ"を浴びてきた。黒い幽霊団と戦うヨミ編までしか知らないと分からないかもしれないですけど、それ以降のサイボーグ009御一行って世界各地のオカルト現象(に見えるSF的敵)と戦ってばっかりいるんですよね。

氷の城の魔女、北欧神話の村、人魚、ピラミッド、UFO、UMA……etc…

「人を誘うローレライの歌は催眠音波兵器だった」「遠い未来の核戦争をギリギリ生き延びた人類が大昔にタイムスリップしたので今も遺伝子異常のある人間が生まれる」「巨大建築は宇宙人の戦艦だった……」みたいな……

好きな理由のひとつは、そのこじつけの面白さというか。

SCP-8900-EX(白黒写真が白黒なのは、元々白黒だった世界に数十年前に"色"が発生してしまいそれに対して我々の記憶と感覚が操作されたから)みたいな、ものごとの因果関係を逆転させる発想って楽しいよね。発想の転換というか。もちろん反転しているという自覚込みの面白さだけど。

もうひとつは、この人間の世界が揺らいでほしいという欲求なのかもしれない。なんかこう、この世界が全て我々の認識できる、管理下にあるものであってほしくないというか……

ドンブラザーズなんかもそうでしたけど(人間の上位存在が存在しこの世界は上位存在の世界のシステムの一部にすぎない)、とっくにここが誰かの庭であってほしいのかも。

小さい頃から、この世では人間が一番偉いらしいっていうのがどうも不安だった。だって何百億と生命体がいる中で霊長に生まれつくって、確率的にレア過ぎて、おかしくないですか?小学生の私はいつも目をつぶって、なぜ私が意識を持っていて、こんなことを考えることができているのかを考えていた。

だから、そうじゃなかったことがわかったら、むしろ安心しちゃうかもな。私には荷が重すぎます。人類、ちっぽけであれ。神様の庭の駒であれ。


今日はここまで。ありがとうございました。



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