見出し画像

お仕事の芯

文字を書く仕事をしています(広義)

小さいころ、谷川俊太郎の詩「自己紹介」の「私が書く言葉には値段がつくことがあります」という一節を読んで、ヒャア……なんてカッケーんだろう……と感動した記憶がある。それから十数年して、勤務時間の間に何か書いて給料をもらっているのだから、言葉に値段がついているといえなくもないので、上々と言える。

とはいえ、よく考えてみると、勤務時間の間に何か書いている人間というのはめちゃくちゃ多いはずだ。レストランの店員が今日のおすすめを書いたりだとか、営業マンが取引先へのプレゼンの原稿を書いたりだとか、警備員が今日の日報を書いたりしたのなら、大きな意味で字を書いて飯を食っていると言えるのではないか。

学生のころ、某紳士的なドーナツチェーンでアルバイトをしていた。そのころよく考えていたのは、「世の中って、バイトで回ってんだな……」ということと「ドーナツ屋、案外簡単になれたな……」ということだった。

幼稚園で、周囲には大きくなったらなりたいものとして「花屋さん」「アイスクリーム屋さん」「おもちゃ屋さん」などをあげる子たちがいた。その夢が「レジに立ってそれをお客さんに手渡したい」ぐらいであったなら、叶えることは簡単だ。世の中でそういったことに従事する人の割合の多くはアルバイトだろう。「花屋を経営したい」「自分だけのうまいアイスを作りたい」「面白いおもちゃを開発したい」レベルになると、途端にレンジが狭くなる。

要するに、ふわっと抱いている職業の印象のうち、芯の部分とそうでない部分があるということなのだろう。そう考えて、理想の「字を書いてお金をもらう」というのをブラッシュアップしてみるとどうなるだろうか。うーん、「その人の感性に金を払わせる」みたいなところなのかもしれない。

この枠は、かなり狭いんだよなァ。世の中ままなりませんね。


今日はここまで。ありがとうございました。

(以下は「こういう話をした記事に有料表示が出ている」というギャグをやるためだけに設けた有料設定です。払っても何も良いことは起こらないので押さないでください)

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?