見出し画像

糸芭蕉畑で芯止め&葉落としを体感! 〜畑人(はるさー)になるさぁ vol.02

芭蕉布の原料、糸芭蕉畑で”芯止め”と“葉落とし”の作業をすることを耳にした私。せっかくなので、お邪魔させていただくことに。


憧れの糸芭蕉畑、苧(うー)畑へ!

畑を探してはいるものの、見つけられないまま6月も終わろうかとしています。(前回の続きは、改めて別記事に綴りますね)
大宜味村内の喜如嘉(きじょか)界隈で見かけるたびに、羨望の眼差しを送ってきた糸芭蕉畑へ、ついに足を踏み入れることに……。
気合いを入れて、着古した長袖シャツ&DODのツナヴェス、長靴という完全防備で臨みます。“汗で流れる”を想定して、もちろん、ほぼノーメイク(日焼け止めは塗った)です!

ちなみに私の畑人レベルは、ほぼゼロ。以前にパンおたくを自称するライター・池田浩明さん主催の新麦コレクションのワークショップで古代麦を蒔いた経験があるくらいでしょうか。
というわけで、今回は草むしりを担当させていただきます。お邪魔させていただいたのは、工房風苧(ふう)さんの苧畑です。

〈作業開始前のひとコマ〉
「!? ……すみません、手袋忘れました!」
のっけから使えない発言をする私。完全防備じゃなかったね。
三つ子の魂百までとは、よく言ったもので。こういう瞬間はいつも、小学生の頃によく忘れ物をしたことを思い出します。


実演! これが“芯止め”&“葉落とし”だ!!

糸芭蕉を栽培するときに、お手入れとして欠かせない“芯止め”&“葉落とし”。年に3〜4回、5〜9月頃に行われます。
根元から先端まで、なるべく同じ太さの糸芭蕉が育つように。
柔らかい、良い繊維が採れるように、と行う作業だそうです。

「こういうポイントを見て、葉を落としていきます〜」と見極め方を説明しながら、サクサクと葉を落としていく工房 風苧さん。かっこいい……!

サクッと葉が切り落とされた瞬間

”葉落とし”を行う幹は、3〜4枚だけ葉を残してカット。切り落とした葉は、そのまま苧畑へ放置。次第に分解されて、畑を肥やしながら土へと還るんだそう。

その見極めと鮮やかな動きをずっと眺めていたい欲に駆られますが、せっかくお邪魔させていただいたことですし、私も草むしりに励みましょう。


雑草の生命力に頭が下がる

「草を抜くときは、なるべく根っこから掘り起こしてね」というご指導のもと、根絶やしを目指します(雑草、すまんね)。

が、
ちょっと待って、根っこ深すぎません? というコがちらほらと……。
ときには、私の全体重をかけても抜けない株も出現。
君たち、草だよね? 草ってこんなに根を張るものなの??
驚きの生命力を目の当たりにし、自分の弱さを恥じ入る私。こんな風に、何事にも動じない根っこが欲しい……。
奥深いです、草むしり。


糸芭蕉の生命力も見上げたもの

作業もひと段落し、畑を後にしようかと思ったときのこと。
「見て、もう伸びてきてるの」。
……本当だ!
前日に切って冷蔵庫に入れておいた長ネギの断面みたいになってる!!

中心部分が伸びてきています。
切り落とされたのは、ほんの30分くらい前のはずですが……

あなた達も生きる気満々で、かわいいねぇ〜。

散髪を終えて、すっきりとした糸芭蕉畑。青空を背負って、美しさもいや増します。

ちなみに“芯止め”&“葉落とし”から2週間くらい経って、また少し成長した糸芭蕉畑は大きな葉に日光が透けて、とっても絵になるんだそう。
シャッターチャンスを狙っているカメラマンの皆さん、撮影時期のご参考になさってくださいね。

記念に頂戴してきた芭蕉の葉っぱ。何か作れるかな〜。

工房風苧
2023年7/5(木)〜9(日) 南青山イトノサキにて展示会 開催!

今回、畑にお邪魔させていただいた工房風苧さん。
再来週から東京・南青山で開催される展示会に参加を予定されています。

その名は聞くけど実際に目にしたことがない、という着物ファンも多いに違いない布、芭蕉布を間近に見られる貴重なチャンス。
本州にお住まいの方はぜひ、足を運んでください。

『積まれる糸、生まれる布 vol2』
工房風苧さんのInstagram (@koubou_fuu)にも詳細がUPされています。
*アクセスはイトノサキ公式HPの地図をご参照ください


この記事が参加している募集

沼落ちnote

もしもお気持ちが向きましたら、サポートいただけますと大変有り難いです。頂戴した費用は、芭蕉布をはじめとする伝統工芸品の魅力を発信するための取材活動などに使用させていただきます。ご検討くださいませ。