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昨年に比べると満足?【ヴァンフォーレ甲府 2019シーズン前半戦振り返り】

 皆さんこんにちわ。季節の変わり目で風邪ひいてませんか?今年の夏は冷夏なんですかね。いきなり猛暑になるんですかね。というか梅雨はいつあけるんですかね。ということで梅雨の時期はほぼ片頭痛のC3(@kfhy31)です。

さて、今年のヴァンフォーレ甲府の前半戦を振り返って、皆さんはどう感じていますか?

➤満足
➤やや満足
➤やや不満
➤不満

 このような質問をツイッターでしたところ僕の想像以上に反応していただきありがとうございました。そしてこのような結果となりました。

➤満足    ▮(6%)
➤やや満足  ▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮(63%)
➤やや不満  ▮▮▮▮(25%)
➤不満    ▮(6%)

 やや満足が圧倒的票数でした。その意見には得点数が上がっている昇格を狙える順位にいるというのが多く挙げられました。
 逆に不満の部分では怪我人の多さセットプレーでの失点の多さホームゲームでの勝ちが少ない(第21節経過時点で11試合中4試合のみ)が挙げられていました。これらを参考に前半戦を振り返っていきたいと思います。

★前半戦順位の振り返り

 まず、ここまでの順位と順位推移を見ていきます。

 一瞬だけ首位に立ったものの現在(第21節経過時点)、6位につけています。また、平均から見ると4位前後をうろちょろしており、最低順位は8位(開幕戦のみ)となっています。

 昨年の現時点では12位、平均順位は13.4位、最低順位が18位で21節の中で3度あったことを考えると上々の順位となっています。

 しかし自動昇格を争うチームとの差が少し出始めてきていることを考えると現段階で少し厳しくなってきています。第22節終了時点で5位との差は勝ち点3、7位との差は2となっており、ぎりぎり食らいついている状況であることは間違いないです。

★足りない勝ち点

 今季初めにシーズンを4クールに分け、1クール勝ち点20を設定して戦っています。第1節~第10節までの1stクールは勝ち点19(6勝4分1敗)、第11節~第20節までの2ndクールは勝ち点14(4勝2分4敗)となっています(ちなみに3ndクールは1試合経過で勝ち点0)。
 1stクールは組織的守備を安定させることから入り、攻撃を旋回していくスタイルで今季の開幕前の補強で中堅~ベテランの選手が多く入ったこともあり、堅実に勝ち点を稼いでいった印象です。
 一方で2ndクールは攻守において自分たちの主導権(イニシアチブ)を取り、ボールを握る時間を増やせたことで相手に攻め込む時間帯が多くなり、相手ゴール前の進入回数を増えて得点機会を多く生むことができました。しかし前掛かりになったばかりに攻め込まれたときに慌てて対応が遅れ、危険な位置での不用意なファールが多くなり結果セットプレーでの失点が多くなってしまい、それで勝ち点を失う試合が異常に多くなってしまいました。

 勝ち点のお話に戻りますが、1クール勝ち点20の目標には1stクールは勝ち点19でー1、2ndクールは勝ち点14で-6、合計勝ち点7足りていないことになります。勝ち点7ということは2勝1分しないと得られない勝ち点です。1stクールは1敗しかしていないのに勝ち点が目標に届いていないことを考えるといかに厳しいことかということがわかります。

★怪我人の数

 今季も多くの怪我人が出ています。金園、湯澤はすでに昨年から長期離脱していましたが、今シーズンも大きい離脱、小さい離脱合わせると数多く出ています。

4月7日   佐藤 和弘 左膝内側側副靭帯損傷  全治:約6週間
6月8日   ドゥドゥ  左大胸筋損傷Ⅱ度    全治:約4週間
6月15日 田中 佑昌 右大腿二頭筋肉離れ   全治:約6~8週間

 公式発表があったのはこの3選手のみですが、クラブは全治1ヵ月を超える診断をされたものだけ公式発表してるらしく、岡、山本、小出、今津、中山、新井、橋爪、曽根田、バホス、森など多くの選手が離脱しました。

 これだけ離脱者が出てしまうとチームのやりくりが難しくなってきてしまいますね。徐々に復帰してきており、金園、湯澤もメンバー入りできるところまで戻ってきたのは朗報ですが、誰かが復帰したら、誰かが離脱するというサイクルは続いています。ここから夏場に突入して中堅~ベテランが多いチームなのでやりくりしていくうえで怪我人の減少は重要なポイントとなると思います。

★J2屈指の得点力

 今季の甲府の特徴として1番に挙げられるのが、得点力です。第20節まではリーグ1位の得点数でしたが、第21節で越されて前半戦終了時で2位となっております。

 今季前半戦ここまで得点数が伸びたのはなぜでしょうか。ほかの得点に関係するデータを見ていきたいと思います。(データは20節までのものです)

 まずは30mライン進入回数を見てみます。30mライン進入回数とは相手ゴールから30mまでのエリアに進入をした回数のことを言います。簡単に言うとどれだけ相手に近づいたか。甲府は1試合平均36.2回、リーグ平均が36回なのでほぼ平均値。

 続いてペナルティエリア進入回数。ペナルティエリア進入回数はシンプルにどれだけペナルティエリア内に進入できたかの回数のことです。1試合平均で12.8回で、リーグ平均が約11回なので平均を上回っています。

 これらのデータをもとに次のグラフを作りました。

 これは30mライン進入回数とペナルティエリア(PA)進入回数の関係を表したグラフです。30mライン進入回数の35~40回の間、PA進入回数の10~12回の間の部分に各チーム集中しています。甲府は30mライン進入回数は他のチームの平均とさほど変わりはありませんが、PA進入回数は他のチームより少し多めです。他のチームよりも30mラインを超えたらペナルティエリアへ確実に行けている割合が多いといえるのではないでしょうか。ちなみにですがこれはセットプレーでペナルティエリアに進入、蹴り込まれた回数は省かれているので流れの中から入った回数になっています。

  次にシュート数と得点数のデータです。得点数上位にきているチームはシュート数も多いことがわかります。甲府は山口に次、シュート数×得点数が多いチームとなっており、シュートを数多く打っているからこその得点ということだと思います。

まとめると、30mラインに進入したら高確率でペナルティエリアまで進入している、そしてシュート数を数多く打っていることで得点数が伸びたといえるのではないでしょうか。ほんとはペナルティエリア内シュートの数も出せるともっと要因が見えてくると思いますが、時間がなく泣く泣く断念しました。

★山岸GKコーチの存在

 昨年に比べて好調なスタートを切れた要因としては、GKの基礎アップもあると思います。練習風景を見ているとこれまで務めてきたGKコーチでは見たことのないトレーニングを行っています。やたらめったら強く蹴られたボールを受けるだけではなくディフレクションも想定したシュートや足の運び方など細かいところまでトレーニングしています。新体制発表会で山岸GKコーチが「GKで勝ち点を稼ぎたい」とおっしゃっていましたが、まさに序盤戦なんかは河田で勝ち点を稼いだといってもいい試合が多くありました。昨年は上野監督とも衝突してしまってチームから外されてしまいどうなるんやと思いきや、今年はギシさんのおかげもあり完全に復調。そして今年はパスを受けて繋ぐことにもチャレンジしているのをみるとまだまだレベルアップしていくという期待ができます。また岡西、岡もさらなるレベルアップを期待できるでしょう。今季前半戦のナイス補強の1人に山岸GKコーチは入るのではないでしょうか。

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★後半戦勝ち続けるためには

ここからは後半戦1発目、
第22節愛媛戦を見ての感想になります。

 前半戦の最後の方は怪我人も多く、得点が獲れずに失点が多いというスランプ状態に軽く陥りました。前半戦最終戦柏レイソル戦で屈辱的な敗戦を喫して、その翌週から愛媛戦に向けてチームのコンセプトを再確認、修正しました。それを経ての愛媛戦。前半は1stクールの時のような組織的守備を安定させ、無理をせずに受けるときは受ける、行くときは行くというのをはっきりさせました。割り切ってリトリートすることでやられることはほぼないという自信を持っていたことを思い出させ、攻撃に差しかかったときに勢いをもって出ていくことができていました。後半は2ndクールで取り組んだボールを保持して相手のズレを作り、そのズレを突くという戦い方に変更して、まさにその形で先制点を奪えました。戦い方を前後半で変えることができること、後半にパワーを使って相手を押し込めることは後半戦のポイントになるのではないでしょうか。
 その中で1つ課題というか、気になった場面がネガティブトランジション(攻撃→守備の切り替え)が相手よりも遅く、カウンターを2,3回食らってゴール前まで運ばれました。愛媛のカウンターも鋭かったのはありますが、もう少しボールホルダーへアタックに行かないと簡単にゴール前まで運ばれてしまうのかなと思います。また、愛媛戦の41分57秒からのシーンなんかはウタカがバイタルエリアで受けたときに、ウタカを3人が追い越している状態でシュートまで行けず、そしてサイドに広げてクロスも誰にも合わず、ボールを失いカウンターを食らいました。前掛かりに出て行けたときは最低でもシュートで終えないと、カウンターで簡単に失点なんていう場面がこれから増えてくるかもしれません。ここは小椋を中心にリスクマネジメントの鬼として修正を期待したいです。

 ここから1敗が大きくなってくる後半戦。特にホームではなかなか勝てていない甲府ですが、ホームは後半戦全勝を目指して負けを引き分けに、引き分けを勝ちにできるようにいろんな形で応援していきたいです。そんな前半戦の振り返りでした。。。


★Data source 

Football LAB

SPAIA

J.League Data Site


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