見出し画像

[働き方]始業6時AMという町工場の挑戦

数年前、異常な猛暑日が続いた夏。工場の社員は、エアコンなしの過酷環境を、この夏は闘えないと、わたしは判断した。このとき、社員全員に納得してもらった後、協定書を作成し、全員にサインをもらい、朝6時を始業時間にした。

7~8月の2ヵ月間だけは、6時00分~14時30分を勤務時間(7時間45分)にした。町工場の独自サマータイムの実践である。

当社は、昔ながらのスレート屋根の町工場であり、夏はとにかく暑い。そこで、環境測定IoTデバイス(Raspberry Pi)を用意し、工場内のいくつかのポイントの気温と湿度を24時間、観測し続けた

その結果、15:00~16:30の時間帯が、工場内の気温が最も上昇する時間帯であることが判明。その時間帯を避けるために6時開始にする必要があった。

この作戦は大成功し、体調不良者がでることは皆無であった。早朝の作業環境は、とても良かった。

8月下旬、通常の勤務時間帯(08:00~17:00)に戻す前に、社員全員にこの独自サマータイム制度についてのアンケートをとった。その結果、全員が「6時開始は嫌だが、8時開始も嫌だ」と言うのだ。いったい、なのごとだ???

これは、6時開始だと、渋滞ラッシュを避けることができるため、通勤ストレスがない、ということが大きな要因のひとつだ。また、夕方14:30に帰れると、自分の時間がつくれ、貴重な余暇活動ができるということを、全員が発見したことも要因のようである。だが、6時始業開始を続けるとなると、4時起床も続くため、この早起きが長くは続けられないようなのだ。

その結果、当社は、現在、07:00~15:30が勤務時間帯となった。もう2年以上、この時間帯が通常の勤務時間帯となった。

最近08:00スタートにしませんか?というアンケートを取ったら、全員から100%拒否された。

わずかに勤務時間帯をシフトするだけで、自分の余暇活動であったり、子供のクラブ活動への同行等も可能となり、ストレス解消の効果が絶大なのだ。

田舎の町工場の7時始業は、感染症対策としても有効だし、早過ぎることもなく、非常に心地よい勤務時間帯であると感じている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?