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[UFO]の歌詞解説 : Mr.Children

まず、リスナー全員が不倫の開き直った歌だと勘違いしているので、登場人物から説明です。
ここでは、不倫している彼女など出て来たりしませんので、そこからまずは頭を切り替えて下さい。


出演 僕 :   夫    
   君 :   妻    
   あの人 :    義父 


何故か皆さんの解釈では君は愛人で、あの人は妻なんです。
そんな設定の歌詞、どこに創作意欲が沸きますか?

以下、物語風にして解説します。

妻「上手くいかないことばかりだよ」

と、普段なら僕に見せない弱音を吐き
肩を落としていた。そして僕も、普段なら絶対にしないのに、気が付けば抱き寄せてた。

妻「ねぇ覚えてる? あの日 、一緒に見た奇妙な光って絶対アダムスキーだよ。」

唐突に切り出した話題で、くすぐったい様な居心地の悪さを、茶化して帳消しにしたいのだろう。
倦怠期に差し掛かった2人の脳裏には常に離婚が過ぎっていて、腫れ物を触るみたいな 核心を避ける話題をしていた。
どちらかが言えば成立する状況だった。

食事中も作詞をしていた夫は、食べることも忘れるほどで、気が付くと二人を象徴するかのように、冷めかけたスパゲティーをフォークに巻き付けては甘い憂鬱を噛みしめていた。

夫は思っていた。バランスとるのはやめて 愛を吐き出し、二人の関係を修復出来たのなら、つぐんでた昨日より 胸のつかえはなくなるけれど…

夫「どうかなぁ?」とそれがアダムスキーかどうかなんて、どうでもいいと言わんばかりの返答しか出来なかった。

夫は、互いにはぐらかした会話を続けることについて、修復への淡い期待と離婚への不安が招いていて、「どっちに転んでも、互いの胸のうちに気付いてる以上僕らは共犯者だ。本気なんだね?と念を押して確かめなくても」と、気持ちを整理していた。
この延命のような時間の過ごし方が、結果がどうであれ、2人が共謀して出した結果にすぎないのだと。

でも一つだけ夫には気がかりがあった。
「娘さんを幸せにします。」と誓った義父への想い。本当の父親以上に心が通じ、父として、そして人として僕を信じきっているあの人(義父)を、嫌いになれもしないから。
結婚とは、夫婦だけじゃなく、互いの家族と家族が結ばれること。無論、義父との関係性は、夫婦とはまた別の掛け替えのないものとなっていた。

離婚へ向かって進んでいるはずなのに、いざとなると、互いの未練が膨らみ出しているのも事実だった。


夫「よけい 分かんなくなるんだよ…なぜ二人、今になって惹きあってしまうんだろう…」

愛し合った時間は、簡単には消えない。
冷めた関係を修復する気もなかったけれど、いざ別れるとなると、不思議と未練が湧いてくる。自分から復縁を持ちかけることも今更出来ないのに…。

夫は、ふと気づいた。妻がどうしてアダムスキーの話を持ち出してきたのかを。
何故なら、
今、あの頃のようにアダムスキーが二人の前に現れたとしたら、この冷えた時間を帳消しにしてくれるかもしれない。
そう思ったに違いないと。
遥か彼方から飛来する未知の光が
僕らを包んで
迷いも苦しみもない世界へと連れ去る

だがしかし、二人が作り出した現状を打開してくれる身勝手なその夢は、低空飛行の旅客機の地響きに、はぎ取られた。

あの時に見たものも、今と同じ旅客機だったのだろう。でも、あの時の二人には、迷いも苦しみもなく、ただ明るい未来しかなかったから、アダムスキーにも思えた。

遥か彼方から飛来する未知の光が
僕らを包んで
迷いも苦しみもない世界へと誘う
あのUFOが出てくる夢
僕の心を無重力の宇宙へ浮かべる
二人を 夢の中へ連れてっておくれ
UFO来ないかなぁ


配役を置いたのは、イメージしやすいかと思いました。

この歌詞は、『冷めかけたスパゲティー』を使いたくて書いた。
これは本当です。

俗にいわれてる不倫の意味で解釈するのも良いんですけどね。
間違いなんです。
余りにも定説になり過ぎたので、ちゃんと訂正したかった。


[UFO]

「上手くいかないことばかりだよ」と
君が肩を落とすから 気が付けば抱き寄せてた
あの日 一緒に見た奇妙な光
アダムスキーだなんだと茶化して帳消しにしたいんだろう

腫れ物を触るみたいな 核心を避ける話題

冷めかけたスパゲティーをフォークに巻き付けては
甘い憂鬱を噛みしめる
バランスとるのはやめて 愛を吐き出したら
つぐんでた昨日より 胸のつかえはなくなるけど
どうかなぁ

互いの胸のうちに気付いてる以上
僕らは共犯者だ 念を押して確かめなくても
僕を信じきっているあの人を 嫌いになれもしないから
よけい 分かんなくなるんだよ

なぜ二人 今になって惹きあってしまうんだろう

遥か彼方から飛来する未知の光が
僕らを包んで
迷いも苦しみもない世界へと連れ去る
身勝手なその夢は
低空飛行の旅客機の地響きに
はぎ取られた

遥か彼方から飛来する未知の光が
僕らを包んで
迷いも苦しみもない世界へと誘う
あのUFOが出てくる夢
僕の心を無重力の宇宙(そら)へ浮かべる
二人を 夢の中へ連れてっておくれ
UFO来ないかなぁ

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