見出し画像

猫の健康・病気・通院-猫と暮らして(8)

猫は、体調を崩す

やはり猫は生き物で、時々病気になる。

飼い始めてから今まで、クロもシロも何度も病院のお世話になった。運よく大病を患ってはいないが、二匹ともちょくちょく体調を崩している。

環境の変化

飼い始めてから1年目。もとの家との環境の違いからか、シロもクロも体調を崩すことがあった。
シロは毛づくろいのしすぎで体にハゲができた。何度も前足やお腹に1円サイズのハゲが見つかった。ストレスだから、特効薬はない。皮膚炎にならないように消毒液でハゲを拭くくらいしかできない。一週間程度で毛が生えそろう。そしてまたハゲるを数回繰り返した。

シロのハゲには驚いたが、それ以上に心配したのがクロである。

クロの「断食」

ある日、クロは食欲不振になった。餌も水も受けつけなくなった。飼って半年くらいだったと思う。
少しでも食べてもらおうとこちらも工夫した。ドライフードは全く興味を示さず、ウェット系を与えた。少し興味を持ったがそれもだんだんと食べなくなった。最後の切り札はやはりチュールだった。チュールは偉大である。しかし、「ワイルドカード」のチュールも駄目になり、排尿排便も止まった。猫は腎臓が弱い。多くの猫は腎臓をだめにして死ぬ。

危機感から、とうとう病院に駆け込んだ。
検査をすると軽度の膀胱炎ということが分かった。クロは排尿を避けるため「断食」していた、というのが医者の見解だった。尿には少しの結晶と少しの血液が混ざっていた。

それから数日間、膀胱炎の薬を飲ませることになった。
猫に薬を飲ませるにはコツがいる。
まず、首根っこを押さえる。次に口を開き、錠剤を放り込む。口を閉じた瞬間、猫の鼻にフッと息を吹きかける。猫はおどろき、はずみでゴクンと薬を飲み込んでしまう。
この方法でクロに薬をあげてみた。うまく飲み込んでくれた。くれたのだが、数分すると薬を吐いてしまう。溶けかけた錠剤が胃液とともに床に散る……。

悪い状態が一週間以上続いた。さすがにあたしも不安が大きくなる。再び病院に行った。軽い脱水症状と栄養不足になっているという診断だった。そこで、医者の勧めで栄養と水分を点滴してもらった。

この点滴が功を奏した。帰宅して、スプーンで水を与えてみた。(クロはスプーンで水をもらうことが好きなのだ)わずかに舌を出して水をなめてくれた。時間をおいてウェットを差し出してみた。完食とはいかないが、上澄みをすべてなめ尽くした。そして、2日後には、食事も排泄もいつもと変わらない状態に戻った。

それから数日後、経過観察のため通院した。そして、医者から膀胱炎は治まったというお墨付きを得た。

その後のシロとクロ

今では二匹とも病気にならず、つつがなく暮らしている……、と言いたいところだが、やはりちょこちょこ体調不良になっている。これからも元気と病気を行き来するんだと思う。生き物を飼うというのは、よどみなく変わる健康の波に翻弄されることだと言える。自分たち人間もそうだし、猫もそうだ。そういう覚悟を持って、生き物と暮らしたい、と、常々思っている。
けれども飼い主とは欲深い。シロとクロには末永く健やかに過ごしてほしい。それが本音だ。

今日の彼らは、なんとも幸せそうな顔で日向ぼっこをしている。
いまのところ、健やか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?